マーゲイの生息地や大きさは?模様、餌、繁殖、木登り、声真似などを紹介!

マーゲイは南アメリカに生息するネコ科の動物で、おもに木の上で生活しています。

準絶滅危惧種に指定されており、日本では動物園でも見ることができない状況ですが、丸い耳と大きな目が愛らしくとても親しみ深い容姿を持っていますよ。

この記事では、マーゲイの生息地や特徴、餌、繁殖などについてまとめました。

 

マーゲイとは

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マーゲイは哺乳綱食肉目ネコ科に分類され、南アメリカに生息する動物です。南米に住む野生の肉食獣としては小型の猫ですが、私たちに身近な家猫と比較するとやや大きめで被毛は短く、耳の先端が丸く、目も大きいなどの違いがあります。

学名「Leopardus wiedii」のwiediiは、ドイツの探検家に献名したという説があります。

 

マーゲイの特徴

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特徴

  • 分布(生息地)
  • 形態
  • 体毛や模様
  • 食性(餌)
  • 夜行性
  • 繁殖
  • 亜種

分布(生息地)

マーゲイはメキシコからアルゼンチンに至るまで南アメリカ大陸の広い範囲に生息しています。天敵から身を守り安全な生活をするため、1日の大半を熱帯雨林が豊富なジャングルの木の上で過ごしますが、まれにコーヒーやココアを栽培する農園でも見かけることがあります。

 

形態

体長45〜80cm
肩高30〜45cm
尾長30〜50cm
体重3〜10kg

家猫よりはやや大きめの身体つきをしていますが、暗褐色の大きな目と先端の丸い耳がキュートな顔立ちを形成しています。メスはオスよりも身体が小さく、他のネコ科と違って乳頭がふたつしかないという珍しい特徴があります。

 

体毛や模様

体毛黄褐色または灰褐色
模様ヒョウやジャガーのような班が縦に並ぶ

体毛は背中から脇にかけて濃い色をし、腹の色はそれよりも薄くなっています。ヒョウやジャガーのような班は縁が黒く中央が褐色、または黒のみの色をしていて、尻尾にも多くの班があります。班は耳の後ろにも広がっています。

 

食性(餌)

マーゲイの主食となるもの
ネズミ、リス、オポッサム、小型の猿、トカゲ、鳥、卵
カエル、昆虫など

生息地でもめったに見ることができないマーゲイの食生活は、胃の内容物や糞の調査をもとに研究されてきました。

天敵から逃れるために木の上で生活するマーゲイは同じく木の上で生活する生物を捕食し、消化を助ける目的で草や果実なども食べています。2006年の研究報告では木の上でのみ狩りを行う姿が記録されていますが、のちに地上に生息するアフリカアシネズミやモルモットなどを捕獲することもわかってきました。

 

夜行性

マーゲイは夜行性で、月の光すら届かないジャングルの真っ暗な夜でも大きな目と耳を使って狩りをします。

夜行性であることに加えて繁殖期以外は単独で行動しているため、なかなかその姿を確認することはできません。

 

繁殖

妊娠期間80日程度
出産2年に1度

マーゲイは他のネコ科の野生動物や家猫のように一度にたくさんの子供を産むことはありません。出産のペースも2年に1度、それも1〜2匹のみです。これも近年の生息数の減少原因のひとつになっています。

 

亜種

亜種名主な生息地

Leopardus wiedii wiedii

ブラジル東部・中央部、パラグアイ、ウルグアイ、アルゼンチン北部

Leopardus wiedii amazonicus

ブラジル西部、ペルー内陸部、コロンビア、ベネズエラ

Leopardus wiedii boliviae

ボリビア

Leopardus wiedii cooperi

メキシコ北部

Leopardus wiedii glauculus

メキシコ中央部

Leopardus wiedii nicaraguae

ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ

Leopardus wiedii oaxacensis

メキシコ南部

Leopardus wiedii pirrensis

パナマ、コロンビア、エクアドル、ペルー

Leopardus wiedii salvinius

チアバス州、グァテマラ、エルサルバドル

Leopardus wiedii yucatanicus

ユカタン州

マーゲイは現在までのところ10の亜種が確認されています。それぞれ生息地が異なり、個々に進化を遂げてきました。

 

マーゲイは木登りが得意

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ネコ科の動物は基本的に木登りが上手ですが、マーゲイはそのなかでも抜群の技術で樹上生活を過ごしています。木の上で狩りをし、木の上で寝て、猿も驚くくらいの身軽さで枝から枝へと移動もします。

前足でも後ろ足でも木の枝をつかむことができるほか、1本足で枝からぶら下がったり後ろ足を回して反転し頭から木を駆け下りたりもします。ネコ科の動物の中でマーゲイの運動能力に対抗できるのはウンピョウくらいです。

 

マーゲイは声真似を使う

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ニューヨークを拠点に活動する非営利団体「野生生物保護協会(WCS)」は、2010年に「マーゲイはフタイロタマリンというサル科の動物の赤ちゃんの鳴きまねをして狩りを行う」という論文を発表しました。

獲物となる動物の鳴きまねをすることで仲間と思わせて自分の近くに引き寄せる、逆に天敵から身を守るために他の動物になりすましていると考えられています。またこうした技術を母親が子供に教え、代々引き継がれている可能性が高いとしています。丸くて大きな耳でターゲットの鳴き声をしっかり聞き取っているのですね。

当時はネコ科の動物でこうした鳴きまねをする動物はマーゲイのみと思われていましたが、アマゾン中央部の原住民に研究員が聞き取り調査をしたところ、ピューマやジャガーも同じような手口を使うことがわかってきました。

 

マーゲイはオセロットと似ている

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マーゲイは同じネコ科オセロット属に分類されるオセロット(学名:Leopardus pardalis)ととてもよく似ています。体重や体格はオセロットのほうが大きく、足や尻尾はマーゲイのほうが長く目も大きい、そして頭はマーゲイのほうが少し小さい姿をしています。

なによりオセロットとのいちばんの違いはオセロットが主に地上で生活していることです。そのため木の上で生活をするマーゲイは「ツリーオセロット」とも呼ばれています。

同じオセロット属ではジャガーネコ(学名:Leopardus tigrinus)も身体の模様がマーゲイにそっくりです。

 

マーゲイは絶滅の危惧

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マーゲイは現在、準絶滅危惧種(※)に指定され、輸出が禁止されています。

もともとはオセロットが毛皮目当てで乱獲されていましたが、頭数の激減によりワシントン条約で商業取引が禁止されると、今度はマーゲイが狙われるようになりました。年間で15000頭近くのマーゲイが人間の犠牲になったことに加え、マーゲイが生息する森の面積と餌が激減したことで一気にその数が減っていきました。

※今すぐに絶滅の可能性は少ないが、今後の環境変化によっては絶滅危惧種になる可能性のある生物

 

他の絶滅危惧種(猫)

ツシマヤマネコ

長崎県対馬に生息し、体重は3〜5kgと一般的な家猫と比べても小さめの体格をしています。ふさふさとした毛に包まれるガッシリとした姿が野性味あふれる猫です。

1990年代に絶滅の危機となり、保存のための活動が活発化して国の天然記念物となりました。現地でもほとんど目にすることができない希少な猫とされています。

 

ボルネオヤマネコ

インドネシアやマレーシアの森林に生息していますが、あまりにも珍しすぎて多くの人は実物を見たことがありません。現地では「保護しなければならない」という内容の法律もあります。

 

スナドリネコ

インドネシアのスマトラ島やジャワ島、バリ島からインドシナ半島、中国南部、インドおよびスリランカに分布しています。陸上で鳥やネズミも捕食しますが、生息地である河川や沼地の近くで魚や貝を食べています。ネコ科にしては珍しく泳ぐのがとても上手な猫です。

絶滅危惧種に指定されてからは保護活動も盛んになりましたが、いまや現地でもなかなか野生の姿を見られなくなってしまいました。

 

オセロット

先に説明したようにマーゲイとよく似た猫でマーゲイより先に絶滅の危機が騒がれました。生息地は南アメリカの熱帯雨林地域で夜行性ということもあり、なかなか人間が目撃することはありません。

身体はかなり大きく9〜16kg程度。艶っぽいゴージャスな被毛を持っていますが、その美しさがゆえに毛皮目的の乱獲に遭って数を激減させました。

 

ベンガルヤマネコ

体重は3〜5kg、体長からしても家猫が野生化したように見えるベンガルヤマネコは、アジア圏に広く生息している猫です。木登りが得意で森のなかではネズミなどの哺乳類、鳥類、昆虫類を捕食し、一方で住処に近い川場では魚やカエル、サワガニなども餌としています。

ワイルドな柄の毛皮を目的とした乱獲に遭い、現在は絶滅の危機にさらされています。

 

マーゲイの実物が見れる日は来るのか

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夜行性で木の上で生活し、いまや人間の犠牲となって絶滅が危ぶまれているマーゲイは、保護活動によって今後その数を増やすことが期待されています。

準絶滅危惧種の指定から外され、日本でもマーゲイの勇姿を見られる日が来るといいですね。