チャボの種類やニワトリとの違い、特徴、性格、飼い方、注意点とは?

「チャボ」という可愛らしい響きの名を持つニワトリは、古くから鑑賞・愛玩用として愛されてきました。

非常に多くの品種を持つチャボは、現在でもコレクターが多く存在するほど人気の鶏種です。

この記事では、チャボの種類やニワトリとの違い、特徴、性格、飼い方、注意点などをまとめました。

 

チャボとは

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チャボ(矮鶏)はニワトリの品種名です。鳥綱キジ目キジ科に分類され、品種が非常に多いです。

日本では天然記念物に指定されていて、卵や食肉として飼育されるニワトリとは違い、観賞用や愛玩用としても古くから愛されています。

容姿やカラーなどの種類が豊富で、コレクターも多く存在します。

 

チャボの歴史

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チャボが日本に入ってきた時期は正確にはわかっていません。しかし江戸時代にはすでに日本で品種改良が行われていたとされます。

東南アジアと貿易を行った朱印船や南蛮貿易、もしくはそれ以前に、17世紀まで現在のベトナム中部沿海地方に存在したチャンパ王国から渡来した鶏品種を、日本で改良して作出したものと考えられます。

チャボは古くから飼育されており、農村では他のニワトリと同様に貴重なタンパク源とされました。また卵は小さくとも味が濃く重宝がられました。

他の鳥種の卵を孵す能力も備えているため、キジ科やアヒルなど親が卵を孵したり、雛を育てたりしない鳥種の仮母(かぼ)としても求められました。

 

名前の由来

チャボの名前の由来は、チャンパ王国の「チャンパ」か、その主要民族であった「チャム人」が訛ったものとされています。

日本のチャボは海外で「ジャパニーズ・バンタム」とも呼ばれています。現在のインドネシア・バンテン州バンテン王国の異称である「バンタム」が由来です。

 

ニワトリとの違い

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ニワトリとは様々な種類の総称で、チャボはその種類の中の一品種です。

チャボはペットとして飼育することや、容姿や鳴き声を楽しむ観賞用としてサイズが小さくて大人しい品種に改良されました。

ニワトリの起源には諸説ありますが、東南アジアに生息しているセキショクヤケイが祖先で、今から約5,000年前に食用として肉や卵を採るために飼育されたのが始まりとされます。

日本では「時を告げる鳥」もしくは「闘鶏」として飼育されたのが始まりで、江戸時代の中期に肉や卵を食用とするための養鶏が行われるようになりました。

 

チャボの品種

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チャボには非常に多くの品種が存在します。中には鳴き声がうるさいなどの理由で、絶種が懸念される品種も存在します。

羽毛のカラーや模様、形、トサカなどによって品種分けされます。

 

羽色による違い

チャボの羽色

  • 赤笹(あかざさ)
  • 黄笹(きざさ)
  • 白笹(しろささ)
  • 銀笹(ぎんざさ)
  • 金笹(きんざさ)
  • 白色
  • 黒色
  • 真黒(しんくろ)
  • 浅黄(あさぎ)
  • 猩々(しょうじょう)
  • 加比丹猩々(かぴたんしょうじょう)
  • 淡毛猩々(うすげしょうじょう)
  • 桂(かつら)
  • 源平(げんぺい)
  • 鞍掛源平(くらかけげんぺい)
  • 碁石(ごいし)
  • 三色碁石(みいろごいし)
  • 桜碁石(さくらごいし)
  • 流れ碁石(ながれごいし)
  • 銀鈴波(ぎんすずなみ)
  • 金鈴波(きんすずなみ)

チャボの羽色は「白色」や「黒色」、羽のみならずトサカまで黒い「真黒」、濃い灰色の「浅黄」などの単色種と、白黒のまだら模様が碁石のように見える「碁石」やベースが赤橙色尾羽が黒い「猩々」、ベースが白で尾羽が黒い「桂」、頭頂や雨覆、ベースが白で胸の部分が赤い「源平」などの複色種が存在します。

色合いは主にオスについてのもので、品種によってはメスには該当しない場合もあります。

 

羽毛による違い

羽毛の変異
逆毛全身の毛が逆立った状態。菊、牡丹(ぼたん)などに分類されることもある。
糸毛全身の毛が烏骨鶏(うこっけい)のように糸状になっている。

 

とさかによる違い

とさかの変異
大冠(たいかん)トサカや肉垂(口下の垂れた肉)が大きい。
達磨(だるま)トサカや肉垂が大きく、尾羽が短い。
翁(おきな)肉垂が羽毛に覆われている。

 

その他

高知県原産の品種で、天然記念物の登録名に矮鶏という名称が付けられているニワトリが存在します。

チャボの一品種ではないため、愛好家の間では別名で呼ばれています。

 

鶉矮鶏(うずらちゃぼ)

昭和12年に天然記念物に指定されています。尾羽がなく、鶉に似ている体型をしていることから、一般的には「鶉尾(うずらお)」と呼ばれています。

 

蓑曳矮鶏(みのひきちゃぼ)

尾羽や背中の飾り羽の蓑羽(みのばね)が生え変わることがなく、約1〜2mほどの長さになるため、オナガドリを小さくしたような姿に見えます。

日本鶏には蓑曳鶏(みのひき)と呼ばれる品種が存在するため、一般的には尾曳(おひき)と呼ばれています。

 

チャボの特徴

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矮鶏の「矮」は背丈の小さいさまを表します。チャボはその名の通り、小柄で足が短く、直立した尾羽が特徴的です。

観賞用や愛玩用、そして抱卵しない鳥種の仮母として重宝されています。

 

大きさ

標準体重

  • 約600〜700g

ニワトリの他品種よりも小型の傾向にあります。オスで約700g、メスで610g程度です。

採卵鶏として有名な「白色レグホン」の標準体重が約2kgなので、その3分の1程の大きさしかありません。

 

形態

短脚で直立した尾羽が特徴的です。トサカはバターカップやバラ冠など、個々により異なります。

くちばしが非常に発達しており、歯がなく、丸呑みにした餌を胃にためた砂や小石で砕いて消化します。

また飛行可能な距離は30〜100m程度で、長距離を飛ぶことはできません。

 

性格

ニワトリは闘わせることを目的とした闘鶏や、鳴き声や容姿を競う品評性の高い種類、採卵鶏など用途に合わせて品種改良が行われています。

その中で観賞用や愛玩用、抱卵を目的として品種改良されたチャボは、基本的に温和な性格をしています。

 

寿命

平均寿命

  • 約7〜10年

チャボの平均寿命は約7〜10年前後です。

寿命には飼育環境も大きく影響されます。中には15年以上生きる長寿な個体も存在します。

 

仮母としても重宝

観賞用や愛玩用の他に、チャボの品種改良の目的の一つともいえるのが仮母の役割です。

仮母は抱卵しないように品種改良された採卵用ニワトリや、元々卵を抱く習性のないアヒルやキジなどに代わり、卵を抱いて孵化させます。

同時期に産卵された卵をすり替えると、チャボはすり替えられた卵を自分のものだと認識し、温めて孵化させてその雛を育てます。

 

チャボをペットして飼う方法

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ニワトリはヒヨコの段階から飼育すると、人間に非常に懐きます。膝の上に乗ってきたり、なでて欲しいとせがんできたりもします。

特にチャボは愛玩用として改良されているため、より懐きやすく飼育しやすい品種といえます。

ペットとして人気のインコのように飛んで逃げて行く心配もなく、小型でおとなしい性格なので室内飼いもしやすいです。

 

値段

ペットショップやホームセンターなどで購入できます。価格幅は広く、低価格の個体で2,000円程度で、珍しい品種やペア販売などの場合は20,000〜30,000円程度と高値になる傾向があります。

 

購入時の注意点

チャボを購入する際には、いくつか確認しておきたいポイントがあります。

・トサカの血色は良いか。色ドス黒かったり白っぽかったりするのは良くありません。
・目、口、鼻に汚れはないか。
・肛門周りの清潔さ。下痢の兆候がないか。
・羽毛が逆立ったり抜けたりしていないか。
・脚の皮膚は健康か。引きずって歩いていないか。

 

飼育環境(ケージ)

室内外どちらでも飼育することが可能です。

複数羽飼育する際には、3羽で最低でも4畳ほどの広さが必要です。2羽以上のオスを一緒に飼育すると、餌を取り合ってケンカをするためおすすめできません。

また飼育小屋は南東もしくは南向きに設置することが適しています。西陽や直射日光が当たらないように配慮してください。

 

室外で飼う場合

室外で飼育する場合、高さもある広めのケージを準備します。

チャボは高い所に止まって体を休める習性があるので、止まり木を設置してあげると良いですね。

自然の多い場所にケージ設置する際には、ヘビやイタチなどの外敵がケージを壊す恐れもあるため注意が必要です。

ケージは網目が細かく丈夫な素材のものを選んでください。

 

室内で飼う場合

室内で飼育をする場合には、猫や犬用の大き目のケージが使用できます。広さと高さに気をつけ、運動不足にならないよう散歩もさせてあげてください。

餌を餌箱に入れて与える際に、くちばしの構造上撒き散らす可能性もあります。

またチャボは丸呑みにした餌を胃にためた砂や石ですり潰して消化をさせる習性があるため、適度に小鳥用の焼き砂を与えたり、散歩に連れ出したりして砂を食べられる環境を作ってください。

 

チャボの餌はトウモロコシのような穀類が主となります。成長に合わせた栄養が配合されている飼料を購入して与えてください。卵を産むメスには、カルシウムが豊富な餌を与えることが好ましいです。

餌はニワトリ用でも問題ありませんが、チャボ用の餌は体格に合わせて小粒に作られているので、そちらの方が食べやすいです。

餌や水は鮮度を保つためにも、朝夕2回交換することが望ましいです。

また副食として野菜を細かく千切ってあげると、喜んで食べてくれます。配合飼料で必要な栄養は十分摂取できるので、おやつ感覚であげると良いですね。

餌箱や水入れ容器の周りは特に汚れやすいため、毎日こまめに掃除をしてください。

 

ニワトリをはじめとする鳥類は交尾を行わなくともメスが単独で卵を産みますが、この卵は無精卵で孵化しません。

チャボも同様です。もちろんオスとの交尾により排卵もしますが、孵化する可能性のある有精卵であっても、採卵してすぐ冷蔵庫に入れると細胞分裂が始まらず孵化しません。

チャボの産む卵は30g程度と小ぶりですが、普通の鶏卵より黄身が大きくて美味しいです。

チャボのメスを飼育すると、産みたての卵を食べられるという楽しみが増えますね。

 

ヒナから育てる場合

ヒヨコの段階からチャボを飼育する際に一番大切になるのが、温度管理です。

ヒヨコは低温に弱いため、ヒヨコ電球のような器具を使用して空気全体を温める必要があります。

またケージの床には段ボールや発泡スチロールなど保温性の高い床材を敷いて、足もとからの冷えを遮断して昼夜の寒暖差を作らないように配慮してください。

 

最適温度

最適温度

  • 35℃以上

飼育の最適温度は35℃以上です。

温める際にはカイロや湯たんぽなどで一部のみを温めるのではなく、ヒヨコがいる空間の空気全体を温めるようにしてください。

また体が濡れて体温が下がると弱ることがあるため、水をこぼして体を濡らすことがないように、水入れ容器は深めで安定感のあるものを用意することをおすすめします。

 

ヒヨコの成長に必要な栄養が配合されている、ヒヨコ用の餌を与えてください。

餌は自分で食べることができるため、挿餌をする必要はありません。

 

敷材

敷材は木材を粒状に固めたペレットタイプがおすすめです。

木材本来のニオイも良く、糞の吸収性や飛び散った粉を吸い込みにくいなどの利点があります。

 

チャボを飼う上での注意点

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飼育上の注意点

  • 毎朝の鳴き声がある
  • トイレは覚えない
  • 高所が好き
  • 鳥インフルエンザ

ここでは、チャボを飼育する上での注意点を4つ紹介します。

 

毎朝の鳴き声がある

チャボもニワトリであるため、ニワトリが早朝「コケコッコー」と鳴くのと同様に、毎日早朝や夕方などに「コケコッコー」と鳴き声をあげます。普通のニワトリより高く可愛らしい声が特徴です。

ただチャボの場合この鳴き方をするのはオスのみでメスはしません。

基本的にはオス、メス共に「コッコッコッ」と小さな鳴き声です。

しかし早朝の「コケコッコー」は、集合住宅に住んでいたり、隣の家との距離が近かったりすると近所迷惑になる可能性があるため、注意が必要です。

 

トイレは覚えない

チャボにトイレのしつけはできません。

健康なチャボの糞はボロッとしていて、摘んで簡単に回収できるくらいの硬さのものが多いです。

そのような正常便にはニオイはありません。

しかし1日に数回「盲腸便」と呼ばれるチョコレート色で糊状の糞をすることがあります。盲腸便は正常便に比べ強いニオイを放ちます。

 

高所が好き

チャボは基本飛ぶことはありませんが、「飛べない」わけではありません。

小型で体が軽いため、木の枝に止まって寝る習性もあります。

また室内であれば1m程度の高さのものには簡単に飛び乗ることができるため、カーテンレールの上に止まっていることもあります。

外敵から身を守るチャボの習性でもあるので、やめさせることはできません。

 

鳥インフルエンザに注意する

チャボはニワトリのため、鳥インフルエンザに感染するリスクは十分あります。また鳥インフルエンザは稀に人間にも感染する恐れがあるので、注意が必要です。

鳥インフルエンザは感染症のため、インフルエンザウイルスに感染した渡り鳥のような野鳥に接触することで感染します。

しかし基本的に室内飼いをされている元気なチャボであれば、感染のリスクは低いと考えられます。

 

症状

鳥インフルエンザの症状

  • 目やに
  • 鼻腔炎
  • 気管支炎
  • 元気がない
  • 食欲減退
  • 下痢
  • 顔面の腫れ
  • 脚部の皮下出血 など

鳥インフルエンザに感染すると上記のような症状が見られ、高確率で死亡します。

飼育しているチャボに健康異常が見られたら、すぐに動物病院に連れて行ってください。

 

対策

感染を避けるためには、ウイルスをチャボの元へ持ち込まないことが最も大切です。

そのため弱っている野鳥や、鳥の死骸、糞への接触を避けることが重要となります。

また帰宅した際に靴の裏をしっかり洗う、うがい手洗いをするなどで、鳥インフルエンザウイルスを持ち込まない対策を行うようにしてください。

 

チャボは日本の伝統文化の一つ

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一般的なニワトリよりも小型で、ペットとしても飼育することができる天然記念物のチャボは、海外でも盆栽や錦鯉同様に日本の伝統文化の一つとして人気があります。

羽毛のバリエーションも豊富で鑑賞性が高く、各国で品評会が盛大に行われています。

基本は穏やかで、自ら甘えてくるほど人懐っこいチャボを家族に迎えれば、たくさんの癒しを貰えますね。

またメスを飼育すると、新鮮な卵を食べる楽しみができるのも嬉しいですね。