ボールパイソンの特徴や種類、寿命、餌、値段、飼育方法、病気

華麗なニシキヘビを意味する「python regius」という学名が付けられたボールパイソンは、その名のとおり美しい模様が魅力のヘビです。

性格がおとなしく飼育しやすい個体が多いため、愛好家のなかではニシキヘビ飼育の入門種として紹介されていますよ。

この記事では、ボールパイソンの特徴や種類、値段、飼育時の注意点、かかりやすい病気についてまとめました。

 

ボールパイソンとは

ボール標準2

爬虫類綱有鱗目ニシキヘビ科ニシキヘビ属に分類され、ボールニシキヘビ、ロイヤルパイソンとも呼ばれています。身を守るときに丸くなることが由来となり、名前に「ボール」が付けられました。

 

ボールパイソンの種類

ボールアルビノ

ボールパイソンには、身体の色や模様で分類されるモルフ(品種)がたくさんあります。上で紹介したほかにも、最近ではとくにドイツを中心としたヨーロッパで、新しいハイブリッド種がブリーディングされています。

主なモルフ
アルビノ、パステル、レッサー、モハベ、アザンティック、パイボール、
リューシ、スパイダー、キラービー、ハイポメラニティック、GHI、
ゴースト、ラベンダーバンブルビー

モルフはすべてを把握するのが難しいほど世界中で増え続けており、愛好家を長く魅了し続ける理由にもなっています。国内で繁殖されたモルフなら手に入れやすく、実際に目で確かめることもできるのでお気に入りの個体をぜひ見つけてくださいね。

新種のハイブリッドモルフ
カームボール(カーペット×ボール)
バームボール(バーミーズ×ボール)
ブラボー(ブラッド×ボール)
ウォール(ウォマ×ボール)
カーパル(ジャガー×ボール)

 

ボールパイソンの特徴

ボール標準

特徴

  • ピット器官を持つ

ボールパイソンの大きな特徴のひとつは、熱(赤外線)を感知できる「ピット器官」を持っていることです。この器官はヘビのなかでもボア科ボア亜科、ニシキヘビ科、クサリヘビ科マムシ亜科が持っている特殊な器官です。

ボールパイソンは口元の鱗部分のピット器官のおかげで、見通しの悪い夜間や木が覆い茂った森のなかでも獲物を感知することができるのです。

 

分布(生息地)

 

主な生息地
ウガンダ西部、ガーナ、カメルーン北部、ガンビア、ギニア、ビニアビサウ
コートジボワール、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、シエラレオネ、セネガル
スーダン南部、チャド南部、中央アフリカ共和国、トーゴ、ナイジェリア
ニジェール南部、ブルキナファソ、ペナン、マリ共和国南部、リベリア

野生のボールパイソンはアフリカ大陸各地に生息します。

中央アフリカから西アフリカにかけての草原、サバンナ、森林、農耕地周辺などですね。国内に流通する多くの個体は、ガーナ、トーゴ、ペナンなどから輸入されていますよ。

 

大きさ

ニシキヘビの仲間ということで巨大なイメージを持たれがちですが、多くは全長1~1.5m、体重は2~3kg程度で平均的な大きさですよ。性別ではメスのほうがオスより身体が大きくなる傾向にあります。

 

鱗の数

各部位によって鱗の数がおよそ決まっています。

体鱗列数53〜63枚
腹板数191〜207枚
尾下板数28〜47枚
上唇板数10〜12枚

体鱗列数とは、胴体背面で斜めに列になった鱗の数を示します。

下顎から排泄器と生殖器を兼ねた総排出腔までの腹部の幅広な鱗の数を腹板数、総排出腔から後部にかけての鱗の数を尾下板数と呼んでいます。

上唇板とは頭部、上唇を覆う鱗の数のことをいいます。上唇板の5〜6枚目が眼下部分にあたるのですが、ピット器官は4〜5枚目の口元部分に備わっています。

 

形態

胴体は太く、黒色、濃い褐色、淡い褐色などからなる斑紋が入ります。卵はおよそ手のひらサイズで、長径7.2~8.7cm、短径5.2~6.1cmほどです。

 

寿命

寿命は個体にもよりますが、だいたい10〜20年ほどです。なかには30年近く、長生きした例だと40年以上という記録もあります。

長生きするということは、それだけ長く生活を共にすることでもあります。安易な気持ちで迎え入れるのでなく、最後まできちんと面倒を見ることができるかどうか、じっくり検討してくださいね。

 

性格

毒もなく積極的に攻撃することも滅多にないので、ハンドリングしやすい性格のヘビだといえます。威厳のある容姿をしていますが、普段は木陰や草むらなどに隠れ、敵に出くわすとボールのように丸まって身を守りますよ。

国内で繁殖された個体であればペットとしての飼育にも慣れていますが、環境の変化に敏感で時には拒食症になることもあるので注意してくださいね。

 

野生のボールパイソンは動物食で、おもに地上に住む小型の哺乳類を好みます。夜行性なので狩猟は夜に行いますよ。

 

繁殖

繁殖形態は卵生となります。交尾は11月~2月にかけて行われ、一度につき2~8個の卵を産みます。

温暖な気候に住んでいるため、25~28℃の環境では3ヶ月程度、30℃以上の環境下では2ヶ月程度で孵化します。全長が90cmくらいになる生後3年くらいが性成熟期となります。

 

ボールパイソンと人間の関係

ボール景色

ペット飼育を目的に日本に輸入されるようになった当初から、性格のおとなしさと安さからニシキヘビ飼育の入門種として人気を得ました。

当時は野生個体の流通が大半でしたが、「輸送状態がよくない」「本来の生態があまり知られていない」ことから環境変化で拒食症になり、命を落としてしまうケースも多くありました。

しかし、2007年の動物愛護法の改正によって特定動物飼育の許可が必要なくなったことで、野生個体、飼育下繁殖個体ともに流通するようになります。近年では飼育下繁殖個体数が増加傾向にあることで、生態への理解も深まってきていますよ。

 

ボールパイソンの値段

ボール口開け
一般的なモルフ1万円前後
特殊なモルフ10万~50万円以上

犬や猫の値段が種類によって大きく変わるように、ボールパイソンもモルフによって差が出ます。

一般的な個体の平均は1万円前後ですが、5000円くらいの比較的安い価格で購入できる個体もあります。

いっぽう特殊なモルフの代表格アルビノだと10万円前後、さらに珍しいモルフになれば50万円以上の値が付くこともありますよ。

 

ボールパイソンを飼うための準備

ボール木登り

飼育に必要なもの

  • ケージ
  • シェルター
  • 水入れ
  • 床材
  • 温度湿度計
  • 保温電球

ペットとして飼育するにあたって必要なものを説明していきます。

 

ケージ

全長が1.5m前後もあるボールパイソンなので、ある程度の大きをもつケージが必要となります。

大きいといっても全長以上のサイズは必要なく、横幅は90~120cm、奥行は60cm程度あれば問題なく飼育できますよ。

基本的にボールパイソンは地表を這うため、低いケージでも大丈夫です。しかしケージ内に木を置いたりして、そこに巻き付いた状態を鑑賞したいということであれば、高さも必要になります。ケージ内の広さは、ボールパイソンがとぐろを巻いた状態の4倍ほどの体積が目安となりますよ。

初心者にはペットショップで販売されている爬虫類用のケージがおすすめです。そのほか衣装ケースを代用したり、自作ケージを活用する愛好家もいますよ。

 

シェルター

ケージが決まったら、次はシェルターを用意します。

シェルターは、狭いところが好きなボールパイソンの隠れ家になります。ストレスを抑えるためにも、ぜひケージ内に設置してください。サイズはケージ内にすっぽり収めることができて、ボールパイソンがとぐろを巻けるくらいの広さがベストです。

 

水入れ

水入れは飲むためでなく、ケージ内の湿度を保つために必要です。ボールパイソン自体も体温調整のために水浴びをするので、身体の幅より広い容器を設置します。

飼育が始まったら、つねに水が入っているか確認することも大切ですね。

 

エサは、ペットショップや通信販売で購入できる冷凍マウスを用意します。

餌となるマウスにもサイズがあるので、成長過程に応じて(ボールパイソンの胴の太さよりも小さいもの)餌のサイズを変えてくださいね。たとえば幼体期ならSサイズのマウス、成体期は胴の太さ以下のマウスを与えるようにします。

与える量とタイミングは、幼体期であれば2~3日に1回・マウス1匹、成体期であれば1ヶ月に1~2回・ラット1匹を目安に与えるようにしてください。

餌を与える際の注意点

餌は必ず解凍したものを与えるようにしてください。

ヘビは変温動物なので冷凍のままの餌を与えると消化不良を起こし、体調を崩してしまうからです。

 

お湯に浸けて解凍する

この方法なら内部まできちんと解凍できるうえ、時間が経過しても焼けたりする心配がありません。耐熱容器に冷凍マウスを入れ、お湯を注ぐだけなので簡単ですし、おすすめです。

自然解凍する

餌であるマウスやラットの状態を維持したまま与えることができる方法です。

しかし、完全解凍まで多くの時間を要するので、内臓までしっかり解凍できているかの確認も難しいデメリットがあります。半解凍のまま与えると、吐き戻しの原因に繋がってしまいます。

吐き戻しはボールパイソンにとって体力を大きく消耗する行為であり体調次第では命に関わることもあるので、自然解凍する際は時間をたっぷりかけて内部まで完全に解凍してくださいね。

電子レンジで解凍する

いちばん短時間で完全に解凍できる方法が電子レンジでの解凍です。

ただ、加熱時間が短すぎれば半解凍の状態、長過ぎればマウスが焼ける不安があるので、与える前に何度か解凍実験をして完全解凍できる正確な時間を把握する手間がかかるというデメリットがあります。

家族と暮らしている人は、マウスを電子レンジに入れることに反対されるケースも考えられますね。

 

床材

屋内で飼育するのですから、ケージ内は清潔に保ちたいですよね。そのためにはペットシーツを床に敷くのがいちばんのおすすめです。

木材チップや砂を敷き詰める方法は見栄えはいいのですが、衛生管理が楽ではありません。また、衛生状態が把握しにくいうえに交換や掃除に手間がかかるので、ダニや悪臭の発生にもつながります。ボールパイソンの健康を損ねる可能性もありますよ。

その点、ペットシーツなら糞や尿の有無が簡単にわかりますし、交換も簡単に行うことができます。

 

温度湿度計

ケージ内を適温・適湿に保つため、温度計と湿度計を設置してください。

ボールパイソンは、温度と湿度に敏感な生き物であり、とくに脱皮の時期は湿度を十分気にする必要があるからです。新しく購入するのであれば、温度計と湿度計が一緒になった温湿度計が便利ですよ。

 

保温電球

保温電球は、ケージ内の温度保持に必要です。

ボールパイソンにとっての適温は28〜33℃と高めの設定となるので、ヒーターと併用しながら適温を維持してくださいね。

 

ボールパイソンを飼育するときの注意点

脱皮

飼育時の注意点

  • 温度に気をつける
  • やけどに注意する
  • 湿度にも気を配る

温度に気をつける

アフリカの乾燥した草原や森林に生息するボールパイソンには、ケージ内の適温管理が大切です。お腹を温める場所を意味するホットスポットの適温値は、最高気温が31℃、最低気温が25℃が理想となります。

基本的な温度管理は、エアコンやケージごとのサーモで行います。タイマー付きのサーモは照明時間が設定でき、夜間の温度管理も楽なのでおすすめです。

温度管理にあたっては夏場の高温化、冬場の低温化に注意してください。温度が適温より下がってしまうと餌を食べなくなる、体調を崩すなど健康に悪影響が出てしまいますので、冬場の保温には、パネルヒーターや保温電球を併用するのがおすすめです。

 

やけどに注意する

ケージ内の温度維持には保温電球など熱を発する道具を使いますが、ボールパイソンが触れてやけどをしない対応も必要です。

ボールパイソンの動線を配慮して設置し、電球ならカバー付きがおすすめですよ。

 

湿度にも気を配る

ボールパイソンを飼育するときは、通常時の湿度を50~60%(脱皮の時期は70%以上)で維持します。

とくに気を配りたい脱皮時の湿度管理では、脱皮の前兆を見極めることがまず大切です。

目が白くなってきた時が脱皮の合図となるので、水入れに十分な水が入っているかを確認し湿度計が70%を示していない場合は1日1〜2回を目安に霧吹きでケージ内に湿気を加えます。その際、ボールパイソンの身体に直接水分がかからないよう注意してください。

脱皮はボールパイソンにとって重要な成長過程です。そのときに十分な湿度が維持されていないと、脱皮不全を起こしてしまいます。古い皮がうまく剥がれず身体に残ってしまい、最悪のケースではその部分が壊死してしまうこともあるのです。

 

ボールパイソンがかかりやすい病気

ボール卵

かかりやすい病気

  • 呼吸器疾患
  • 脱皮不全
  • クリプトスポリジウム感染症

呼吸器疾患

ボールパイソンは通常は口を閉じており、呼吸は鼻で行います。

口を開けて呼吸している場合は呼吸器疾患にかかっている疑いがあるので動物病院で診察をうけるようにしてください。

不適切な湿度環境、不衛生な飼育環境のふたつが大きな原因となってウイルス、細菌、寄生虫、カビが発生し、呼吸器疾患へと繋がってしまうのです。同時に飼育環境に問題がなかったかもチェックし、適切でなかった場合は改善する必要がありますよ。

 

脱皮不全

前の項目でも説明したとおり、脱皮時の湿度が十分に維持されていないと脱皮不全を起こします。

必要とされる70%以上の湿度が保たれていないと、乾燥した状態のままの古い皮が身体に残り、壊死の危険が出ます。ケージ内の湿度管理をしっかりすれば、危険を回避できるのでしっかりと管理をしてあげてくださいね。

 

クリプトスポリジウム感染症

予防のための確認事項

  • 温度、湿度、衛生面は適切か
  • エサの頻度、量、種類は適切か
  • ストレスを与えていないか

消化器系の感染症です。腸などの消化器系に寄生虫が入り込み、発症します。発症した場合は飼育環境を見直すだけでは回復しませんので注意してください。

餌を食べない、食べても吐き出す、このような症状が出た場合は十分に発症が疑われるので、爬虫類を扱う動物病院に連れて行ってください。予防には、日頃からの飼育環境、餌、ストレスを意識することが大切ですよ。

衛生面を気にするあまり過度な清掃をしていないか、ケージが静かな場所に設置されているかについても確認してくださいね。