犬笛とは?特徴や役割、種類、実際の吹き方、選び方

犬のしつけや呼び戻しの役目があるといわれている「犬笛(いぬぶえ)」をご存知ですか。

聞いたことはあるけれど、実際に手にしたことがある飼い主さんはそう多くないかもしれませんね。

この記事では、犬笛とは何か、特徴や枠割、種類、実際の吹き方、選び方などをまとめました。

 

犬笛とは

shutterstock_1148087066

犬笛は、犬や猫の訓練やしつけに使用されるホイッスルの一種です。

英国の学者であるフランシス・ゴルトンが発明したことから「ゴールトン・ホイッスル」と呼ばれることもあります。

人間の耳には聞き取れない高音(高周波)を鳴らします。高音を聞き分けることのできる犬は、訓練によりその高音を合図にして覚えた行動を取ることができるようになります。

その種類は意外に多く様々なメーカーから発売されていて、ペットショップやインターネットで数百円〜数千円程度で購入することができます。

 

犬笛の特徴

 

shutterstock_75635899

犬笛は16,000〜22,000Hzの高域の音を出すことができます。

人間の聴力は20,000Hzまでしか聞き取ることができず、犬笛が発する高音は犬には聞こえても、鳴らす音の高さにより人間には聞こえなかったりします。

そのため犬笛を用いることにより、周囲の人に気付かれることなく犬に適切な指示を出すことができます。

また商品によっては、スライド式の調整機能で鳴らす音の高さを自由に変えられるものもあります。

しかし人間に聞こえない周波数である20,000Hz以上に調整をすると音自体が遠隔まで届かなかったり、高低差や障害物により音が弱くなったりもするため、犬笛の用途として適切なのは人間でも聞き取れる程度の周波数域です。

 

ほかの犬笛

吐いた息により音を出すメジャーな犬笛のほかに、電子的に人間の聞き取れる周波数を超える音を出す機械のことも犬笛と呼ぶことがあります。

電圧エミッター(piezoelectric emitters)を介し超音波を発生させるもので、物理学の実験で使用されたり、可聴範囲を検査する際に用いられたりします。

 

犬笛が聞き取れる犬の聴覚

shutterstock_383773042
可聴周波数(約)
人間20〜20,000Hz
40〜60,000Hz(100,000Hz)
60〜65,000Hz

犬の聴覚が優れているという話は、犬を飼っている方なら聞いたことがあるかもしれません。実際その聴力は人間の何倍も発達していて、犬種にもよりますが大体40〜60,000Hz(100,000Hzとも)を聞き取ることができるといわれます。

低音に関しては人間の方が多少聞き取りに優れていますが、高音は比べものになりません。高周波数への感度は犬の方がはるかに高いです。

また猫が聞き取ることができる周波数も60〜65,000Hzと高いため、犬笛は猫への使用も可能です。

 

犬笛の役割

shutterstock_480762235

犬笛の役割

  • 静かに指示が出せる
  • 遠くから指示が出せる

ここでは犬笛を使用することで考えられるメリットを紹介します。

 

静かに指示が出せる

犬笛を用いれば、人間には聞き取りづらい超音波の音を発して犬に指示を与えることができ、真夜中や静かな環境でも周囲を気にする必要が少なくなります。声を張り上げることもないので、周囲の人を煩わせることもありません。

 

遠くから指示が出せる

高周波数に敏感な犬は、遠くにいたとしてもわずかな音を感じ取ることができます。

吹く強さや周波数、環境、天候などにもよりますが、犬は約2kmほど離れた距離まで犬笛の音を聞き取ることができるといわれています。しかし周波数が高くなるほど音が空気中を伝わる際の音波の振動が大きくなり、音が届く距離は短くなります。

近年は災害が多発し、いつ有事に見舞われるかわかりません。非常事態が起きた際に、愛犬と離れ離れになることも考えられます。普段から犬笛で呼び戻す訓練を行っていれば、犬笛を使用することで愛犬が飼い主さんの元へ戻ってくる可能性が高くなります。

またドッグランでも大きな声で呼ばなくとも、犬笛を吹くことで呼び戻す指示を出すことができます。

 

犬笛の種類

 

shutterstock_1215492469

代表的な犬笛の種類

  • 金属製
  • 樹脂製

犬笛の種類でメジャーなのは金属製と樹脂製の2種類です。

樹脂製の犬笛は耐久性が弱く、うっかり踏むとすぐに壊れてしまいます。犬笛は外で使用することが多いため、落とす可能性も大いにあります。踏んで壊したら元も子もないので、樹脂製より少々値は張りますが耐久性のある金属製を選ぶことをおすすめします。

また犬にしか聞こえない周波数のみを発するサイレントタイプのものや、水牛や鹿の骨で作られた犬笛もあります。

骨で作られている犬笛は高域の音が出なかったり、手作りのためひとつひとつ音が微妙に違ったりもします。しかしそれも「自分を呼ぶ音」と認識しやすいかもしれません。

使用場所や用途に合わせて愛犬に適したものを選ぶと良いですね。

 

犬笛の使い方やコツ

shutterstock_197486132

犬笛の音域を決める

まず最初に愛犬と飼い主さん独自の音を探します。例えばたくさんの犬が遊んでいる広いドッグランでほかの犬が同じ周波数の犬笛を使用していると、お互いに混乱してしまう恐れがあるからです。犬種によって反応の良い周波数が違うため、音域の調整は必須です。

人間が聞き取ることができる周波数を発する犬笛の場合は、飼い主さんが実際に音を確認しながら調整を行うことができます。しかし人間が聞き取り不可能なケースが多く、適した音量であるかの確認を取ることが難しいです。

使用しながら愛犬の様子を観察し、最も良い反応を示す高さを探してくださいね。

調整をする際は、まずは人間にも聞き取ることができる音の高さから徐々に高さを上げていきます。音を上げていく中で、人間が聞き取れない音域で愛犬が良い反応をする瞬間があります。そこで音の高さを固定します。

一度音を固定したら、訓練の途中で音の高さを変えないことがポイントです。

 

音域による指示を決める

しつけをする際「お座り」「伏せ」「待て」「お手」などのコマンドを覚えさせるのに、声やジェスチャーを用いることが一般的ですが、これらの指示を犬笛で出すこともできます。

基本的には「ピィ」と鳴らす短音と「ピィー」と鳴らす長音を組み合わせて、コマンドそれぞれの信号パターンを決めます。

例えば、お座り=「ピィ、ピィ」、「伏せ」=「ピィー、ピィー、ピィ」など。そしてその信号と「お座り」「伏せ」「待て」「お手」などの行動を関連付けて覚えさせます。同じ指示には同じ周波数の音で、簡潔にわかりやすく指示を出してください。

犬笛をただ吹いているだけでは愛犬も理解ができません。使う側の人間が信号を正確に理解していないと、愛犬が混乱します。

初めて犬笛を使用する際は、自身でも少し音が聞き取れる高さに設定をし、どのように吹いたらどんな信号になるかを確認することが大切です。

 

実際に覚えさせる方法

愛犬に合わせて固定した周波数の犬笛を吹いて、「その音が聞こえたら何か良いことが起こる」と学習させます。

通常のしつけと一緒で「良いこと」としておやつを使うことがおすすめです。

大好きなおやつであれば、喜んで何度も欲しがります。犬笛を吹いて愛犬が駆け寄ってくることができたらならおやつをあげてくださいね。

 

呼び戻しの場合

始めに犬笛を見せます。そして犬笛を吹き、指示に従えたらおやつを与えます。これを何回も繰り返し覚えさせます。

最初は家の中で、飼い主さんの近くから行っても良いです。段々と距離を広げてください。戻ってこられたらおやつをあげることも忘れずに。

慣れてきたら、今度は愛犬から飼い主さんの姿が確認できない場所で犬笛を吹きます。これを何回か行って戻ってくることができるようになったら、いよいよ外での訓練の開始です。

外では慣れるまで、犬笛を吹いた後はご褒美として必ずおやつをあげるようにします。慣れてきたら徐々にご褒美の回数を減らしていき、最終的にはご褒美なしでも戻ってこれるようにします。

これができるようになると、いざという時にも愛犬を自分の元へ呼び戻せるので安心です。

 

注意点

一度決めた信号パターンを途中で変えると愛犬の混乱を招くため、信号の変更は避けることが望ましいです。また信号はできる限り単純にします。複雑な信号だと理解することが難しくなります。

訓練中は叱ったり罰を与えたりせず、上手にできた時におやつをあげたりなでたりと、大いに褒めてあげるようにすると良いです。根気よく繰り返し訓練することで、初めて愛犬は指示に従うようになります。

犬は高周波音の感知に秀でているため、あまりにも近すぎる距離で大きな音の犬笛を聞かせると耳への負担となるので注意が必要です。

 

犬笛の選び方

shutterstock_313309547

中には10,000Hzもの高周波を出す犬笛もあります。しかし先に紹介した通り、耳の良い犬の近くで使用すると、耳に過度な負担をかけてしまいかねないので避けることが賢明です。

犬の聴力に合った音の強さや音域に調整ができるものを選ぶことが好ましいです。

 

調整可能なタイプ

ネジを調整することで、周波数を「人間にも聞き取ることができる音」から「犬にのみ聞こえる音」まで変えることができる犬笛です。

犬に最も適した周波数は、年齢や犬種によっても異なるため微調整が可能なタイプのものがおすすめです。

 

シェパード型

すっぽりと口の中に入れて吹くタイプの犬笛です。シンプルで草笛のような形をしています。

音を鳴らすのが難しく練習が必要ですが、吹けるようになると音色も変化させることができ、楽器感覚で楽しめます。

 

犬笛の代わりになるもの

shutterstock_755118634

最近はスマートフォンやタブレットにインストールして手軽に使用できる「犬笛アプリ」もあります。

しかしその音をただ聞かせるだけでは役目をはたしません。聞かせる音に意味付けをすることで、初めて意思疎通の取れるツールとなります。

 

飼い主さんのみならず愛犬のためにも

shutterstock_723692902

笛を吹くだけで愛犬がコマンドを実行してくれたら日常の生活の中ではもちろん、いつ起こるかわからない有事の際にも安心ですよね。

また人間には聞こえない音を使用して指示を出すことができるので、周囲を気にすることなく使用できる点も魅力です。

犬笛による呼び戻しをマスターさせることは、飼い主さんのみならず愛犬のためになることも多いです。スキンシップを取りながら楽しく訓練を行ってあげてくださいね。