JKCとは?役割や歴史、血統書の意味、全国の機関、訓練試験の内容

犬を飼っている方であれば、JKCという言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか。

ただ見たことがあっても、どういう役割を担っているのかよく分からないという方は多いと思います。

この記事ではJKCの役割や歴史、全国の機関についてまとめました。

 

JKC(ジャパンケネルクラブ)とは

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JKCとは、一般社団法人ジャパンケネルクラブ(英語:Japan Kennel Club、略称してJKC)といい、 東京都千代田区神田須田町にある畜犬団体です。

純粋犬種の保護や質的向上、有能・優良犬の普及、畜犬の飼育の指導奨励のためにさまざまな活動をしています。

 

JKCの役割

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JKCの役割

  • 血統証明書の発行
  • ドッグショーの開催
  • 飼育指導
  • 公認資格試験の実施と発行

JKCの活動には、純粋犬種の保護と質的向上のため血統証明書を発行し、またドッグショーの開催や犬の飼育の指導、公認トリマー・公認ハンドラー・公認訓練士などの公認資格試験の実施と公認資格の発行などが挙げられます。

JKCが血統書を発行する理由

血統証明書は、JKCに血統登録された同一純粋犬種の父母によって生まれた子犬に対して発行されるものです。

人間でいう戸籍を定めるため

血統証明書は、人間に例えると「戸籍」にあたるものです。純粋犬種と名乗る場合は、本犬の両親から祖先まですべて同一の犬種であることが証明されなければなりませんが、血統証明書によって証明することができます。

優れた交配相手を決めるため

犬の血統証明書には、戸籍にあたる役割の他にもう1つ重要な役割があります。

犬種にはそれぞれ理想の形態や特徴が「犬種標準(スタンダード)」というもので定められています。すべては両親から受け継いだものであり、その両親もそれぞれの両親から受け継いだものです。

ブリーダーなどが純粋犬種を繁殖する場合は、優れた犬質を維持向上するため、生まれた子犬が犬種標準により近くなるような繁殖計画を立てる必要があります。

そこで重要になってくるのが、良い資質・良くない資質含めどの祖先より受け継がれたかを知ることができる血統証明書です。JKCや世界のケネルクラブは純粋犬種の血統を管理し、より犬質の高い犬を繁殖するために必要な祖犬の情報を血統証明書として提供しています。

血統証明書には、両親犬だけでなく数代前の祖先犬にまで遡り、過去にどんな犬が繁殖に使われたのか記載されています。

つまりブリーダーにとって血統証明書は交配相手を決める上で欠かせない情報であり、健康な犬を生み出すための設計図というわけです。これにより生まれる子犬の色や個体の大きさ、健康状態を予測して繁殖することができます。

JKCから血統書が発行されるまでの流れ

日本国内の血統書は90%がJKCが発行するものです。人間の戸籍は国が管理しており、子供が誕生すると親が役所に出生届を提出しますよね。

犬の場合は多くが管理機関がJKCで、登録申請人はブリーダーになります。子犬が出生したら、住所近くの愛犬クラブを通して登録申請します。

血統書の発行に必要なもの

血統書申請・発行には「ブリーダーのJKCへの入会登録」「一胎子申請書(8頭までの子犬の登録申請書)」「ブリーダーの犬舎名登録」「交配相手の雄犬のDNA登録(雄犬所有者に依頼) 」が必要になります。

犬種によっては子犬の写真提出が義務付けられていますが、6頭以下であればどの犬種も申請は必要ありません。

以前は「交配立会い人証明書」の他、交配時や生まれた子犬の写真の提出が必須でしたが、現在は父親のDNA登録が義務化されてるため、何かあったときでも親子関係は化学的に証明できるので写真提出が必要なくなりました。

血統書の偽造防止策

以前は血統書偽造がありましたが、現在は血統書面に金箔のロゴ印刷、雄犬のDNA登録の義務づけ、事態発覚時の会員権利の停止(ドックショーの出場停止、血統書の申請など) の対策がされており、偽造はかなり減っています。

デザイン犬への血統書に注意

偽造は減ってはいるものの「血統書付き=価値がある」と考える人が多いため、ブリーダーがJKCの血統書を偽造して、両親犬だけくりぬいて合体させてつくるケースはまだあります。

こうして偽造された血統書は、両親の情報が正しい場合もあれば正しくない場合もあり、それを証明することは難しいといえます。

偽造が多いのは、人間が作為的に繁殖させたデザイン犬(日本古来から生き抜いた生命力の強い雑種ではなく、ポメラニアン×ハスキーを掛け合わせたポンスキーなど)関連のものです。

JKCはデザイン犬への血統書を発行していない

JKCが発行する血統書は純血種に発行されるもので、上記のデザイン犬には発行されません。ただ、デザイン犬に血統書を発行する団体は存在します。

血統書を偽造した場合の罪

血統書は公文書扱いになるので、偽装した場合は公文書偽造になります。

公文書偽造とは国や地方公共団体などの機関や公務員が作成する公文書を偽造・変造する犯罪で、法定刑は1年以上10年以下の重い罰則が設けられています。

デザイン犬の血統書にJKCのロゴマークが入っていたら、完全に偽造です。

 

JKCの歴史

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世界最古の畜犬団体はイギリスのザ・ケンネルクラブで、血統書を最初に発行した団体です。ここから世界にケンネルクラブが広がり、日本では1949年(昭和24年)に農林水産大臣の認可を受け全日本警備犬協会として誕生したのがはじまりです。

1949年(昭和24年)全日本警備犬協会として農林水産省の認可を受け設立。理事長は東京都畜犬商業組合組合長の坂本保。
1952年(昭和27年)社団法人 ジャパンケンネルクラブ(JKC)の名称が採用
1979年(昭和54年)国際畜犬連盟(FCI)へ正式加盟
1999年(平成11年)社団法人 ジャパンケネルクラブに改称

 

JKCトリマー養成協力機関

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北海道・東北エリア
仙台市青葉区学校法人菅原学園 仙台総合ペット専門学校
関東エリア
土浦市いばらき動物専門学院
水戸市グリーンヒルグルーミングスクール
石岡市学校法人佐山学園 アジア動物専門学校
宇都宮市学校法人TBC学院 国際ペット総合専門学校
宇都宮市宇都宮愛犬美容学園
前橋市群馬愛犬美容学院
千葉市中央区学校法人中村学園 専門学校ちば愛犬動物学園
習志野市愛犬総合美容学校 ベラミグルーミングスクール
板橋区学校法人タイケン学園 日本ペット&アニマル専門学校
北陸エリア
金沢市学校法人国際ビジネス学院 国際ペット専門学校 金沢
坂井市学校法人国際ビジネス学院 国際ビジネス専門学校 福井
中国・四国エリア
岡山市北区学校法人加計学園 岡山理科大学専門学校
福山市学校法人穴吹学園  穴吹動物専門学校
高松市学校法人穴吹学園 専門学校穴吹動物看護カレッジ
愛媛県学校法人河原学園 河原アイペットワールド専門学校
九州・沖縄エリア
福岡市博多区学校法人慈慶文化学園 福岡ECOコミュニケーション専門学校
宮崎市学校法人宮崎総合学院 宮崎ペットワールド専門学校

 

JKC公認トリマー養成機関 (指定機関・研修機関)トリマー指定機関

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北海道・東北エリア
北海道札幌市中央区北海道愛犬美容学園
関東エリア
埼玉県さいたま市中央区SJDドッググルーミングスクールさいたま分院
千葉県柏市スカイグルーミングスクール
東京都渋谷区SJDドッググルーミングスクール
東京都豊島区メジログルーミングスクール
東京都中野区学校法人東京愛犬学園 東京愛犬専門学校
神奈川県横浜市港北区横浜トリミングスクール
東海エリア
静岡県静岡市静岡グルーミングスクール
静岡県島田市ナンバペット美容学院静岡分院
名古屋市千種区ロイヤルグルーミング学院名古屋分院
関西エリア
大阪府大阪市北区ロイヤルグルーミング学院
大阪府大阪市中央区ナンバペット美容学院
神戸市中央区ロイヤルグルーミング学院神戸分院
九州・沖縄エリア
福岡県福岡市中央区九州サンシャインドッググルーミングスクール

 

JKCトリマー研修機関

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北海道・東北エリア
仙台市宮城野区学校法人孔明学園 東北愛犬専門学院
関東エリア
群馬県前橋市学校法人HAC国際学園 群馬動物専門学校
群馬県伊勢崎市アートグルーミングスクール
埼玉県川口市ジャパングルーミングスクールワン
千葉県千葉市中央区クラウングルーミングスクール
千葉県千葉市中央区千葉グルーミングスクール
東京都武蔵野市セピア動物専門学院(株式会社沢地 Sepia 旧セピア・ペットケアスクール)
東京都足立区国際ドッグビューティースクール
中国・四国エリア
岡山県岡山市K-9グルーミングスクール
広島市中区広島サンシャインドッググルーミングスクール
香川県高松市四国サンシャインドッググルーミングスクール
九州・沖縄エリア
福岡市中央区九州ペット美容専門学院
大分県別府市学校法人工藤学園 大分ドッググルーミング専門学校

 

JKC訓練試験・訓練競技会とは

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ジャパンケネルクラブが主催する訓練試験があります。これは犬の訓練レベルが各科目の習熟度を見るテストのことです。

また訓練競技会とは、クラスごとに各訓練課目の習熟度を競い合い、成績による順位をつけ、入賞者を表彰するイベントを指します。

受験資格

JKC会員の所有者名義で、生後9ヶ月1日以上の本会登録犬。またはJKC会員の所有する生後9ヶ月1日以上の本会非公認犬種・非公認団体登録犬・交雑犬になります。

受験料

1科目:5,000円

 

JKC訓練試験の内容

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CDⅡ(家庭犬中等科)を例にご説明します。

競技はコの字型で30メートルのコースを使って行われます。犬に指示を出す人を「指導手」と呼びます。

訓練試験の全ての課目は、指導手の左足側に横に犬の肩が沿うように座らせる「脚側停座(ヒールポジションでのオスワリ)」からはじまり、脚側停座で終わります。

課目には規定課目と自由選択課目があり、CDⅡの場合は規定7課目に自由選択3課目の合計10課目あります。

規定科目

1.紐付脚側行進(ひもつききゃくそくこうしん)

スタート地点で脚側停座後、コの字30mのコースに沿って指導手の左足側に犬を歩かせ、折り返し地点で方向転換しスタート地点へ戻り、犬を脚側停座させて終わります。行きは歩きで、帰りは早歩きで往復します。

2.紐無し脚側行進(ひもなしきゃくそくこうしん)

1の紐付脚側行進をスタート地点で首輪からリードをはずして同様に行います。

3.停座及び招呼(ていざおよびしょうこ)

脚側停座後、指導手は犬から10メートル離れて向かい合います。約3秒後に指示で犬を呼び寄せ、一旦指導手の正面で座らせてから、再び脚側停座で終わります。

4.伏臥(ふくが)

脚側停座後、指示によりその場で犬に伏せさせ、約3秒間その状態を保ち再び脚側停座をさせます。

5.立止(りっし)

脚側停座をさせたら、指示によりその場で約3秒間立たせた後、再び脚側停座をさせます。

6.常歩行進中の伏臥(じょうほこうしんちゅうのふくが)

ついて歩いている途中でフセをさせる課目です。

脚側停座後、指示によりついて歩かせ5メートルの規定地点で指導手は歩度を変えずに犬にフセを命じます。

指導手は約10メートル歩き回れ右して犬と対面し、約3秒経過したら指示により常歩で犬の左側から後方を通り犬の元へ戻ります。その後、指示により脚側停座させて終わります。

7.常歩行進中の停座(じょうほこうしんちゅうのていざ)

ついて歩いている途中でおすわりをさせる課目で、6の常歩行進中の伏臥と同様に行います。

 

JKC訓練試験・訓練競技会を受ける際のポイント

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訓練・競技会を受ける際のポイント

  • 集中力を高める
  • 芝生に慣れる

集中力を上げる

会場には多くの競技リンクがあり、近くには多くの犬がいたり、試験官もそばで見ていたりして気が散りがちです。普段の練習ではできていても、集中力が低いとミスの原因になります。

芝生に慣らす

試験は芝生の上で行われます。雨上がりのあとは芝生は臭いが強くなり、犬が集中しにくくなります。また場所によっては多少の水たまりもできるため、日頃から芝生に慣れさせることをおすすめします。

 

JKC訓練試験・訓練競技会に受かった場合

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試験受かったらまずは登録手続きを行います。合格証書が発行され、愛犬の血統証明書に「訓練資格」が記載されます。

競技会で競技の総合得点が95%以上になると、所定の「トレーニングチャンピオンポイント」が付与され、20ポイント以上獲得すると血統証明書に「T.CH(トレーニングチャンピオン)」の称号が記載され永久に記録されます。

 

JKC専門用語の解説

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下記にJKCの専門用語をご説明します。

K9ゲーム

犬と人が一緒に暮らすために必要な資質やマナーを楽しく身につけることを目的として考えられた9つのゲームで犬の運動会のようなものです。イアン・ダンバー博士が考案し、徒競走、椅子取りゲーム、ダンス、モッテコイ競走など、年に一度本大会が行われます。

イアン・ダンバー博士

イギリスの獣医師であり動物行動学博士、ドッグトレーナー。犬を褒めてしつける「ルアー・ごほうびトレーニング」で世界的に知られています。

優良家庭犬普及協会

犬が社会の一員として認められるため、良識ある飼い主と行儀の良い家庭犬を普及させるための活動を行っている団体です。飼い主と犬のマナーを見るための認定試験として「グッドシチズンテスト」があります。

GCT

優良家庭犬普及協会が実施する認定試験でアメリカンケンネルクラブ(AKC)で行われているCanine Good Citizen Test(グッドシチズンテスト)を 参考にテリー・ライアン氏(全米家庭犬しつけインストラクター協会 元会長)らにより、日本の生活習慣等に適合させたものです。JAHAのインストラクター養成講座のステップアップ条件のひとつにも位置付けられています。

テリーライアン

「ほめてしつける」犬の飼い方を日本に広めた、家庭犬トレーニングの第一任者。約半世紀にわたって犬のトレーナー及びインストラクターの仕事に関わり日本でも多くの著書を出版しています。JAHAのインストラクター養成コースの講師でもあります。

JAHA

公益社団法人日本動物病院協会。動物病院を核として地域への社会活動行っている団体で、アニマルセラピー、CAPP活動(人と動物のふれあい活動)にも力を入れる一方、家庭犬のしつけ方講座も実施しています。

JAHA家庭犬のしつけ方講座

一般の飼い主さんにおすすめのしつけ方を学ぶ「ベーシックコース」と、飼い主にしつけやトレーニングを教える「インストラクター養成コース」があります。

JAHAインストラクター養成コース 実技1

犬の基本的なケアやハンドリングの方法を学ぶ3日間のキャンプです。実際に犬を扱いながら、犬の行動やボディランゲージの読み方、安全管理、ハンドリングスキル、トレーニングスキルを、実践的に学びます。

JKC

社団法人ジャパンケネルクラブ。農林水産省に認可の公益法人として1949年創立。純粋犬種の保護のため、血統書の発行を行う一方、日頃の訓練の成果を披露する訓練競技会や訓練試験を行っています。

家庭犬訓練試験

JKCが実施している訓練試験でCDⅠ~Xまでの4段階のレベルに分かれています。CDとはコンパニオン・ドッグの略で、家庭犬訓練試験のことを指します。

CPDT-KA

国際資格でプロフェッショナルドッグトレーナーの世界基準となっており、世界13カ国のドッグトレーナーがこの評価を得ています。

CDTA

特定非営利活動法人家庭犬しつけ協会。小・中学生向けの職業案内や一般市民向けの無料しつけ相談会などを行っています。

家庭犬トレーニング試験

CDTAが実施しているハンドリング試験です。

OPDES

特定非営利活動法人犬の総合教育社会化推進機構。血統書の有無に関わらず、日本の全ての犬が平等に教育を受けたり、ドッグスポーツを楽しめるよう全国で数多くのテストやアジリティ競技会などを実施しています。

アジリティ

犬の障害物競走で、決められた順序通りに障害物をクリアしながら走ります。様々な難易度のコースがあるので、初心者から上級者まで幅広く楽しめます。

 

血統証明書はJKCが純粋犬種に発行するもの

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JKCの役割について詳しくご紹介しましたが、純粋犬種を保護していくため血統書の発行をはじめ、訓練や試験、競技会などさまざまな活動をしていることがわかりましたね。

これまで何をしているか分からなかったという方も、少し身近になったのではないでしょうか。