犬を輸入するために必要なことは?費用や注意点は?

日本でブリーダーが見つからない希少な犬種も、個人輸入を使うことで入手できる可能性があります。犬の個人輸入は実際の手順がはっきりせず、ハードルが高いと感じる方も多いのではないでしょうか。今回は、個人で犬を輸入するために必要な手続きと費用、注意点をまとめました。

 

犬を輸入する方法は?

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犬を個人で輸入する方法は2つあります。1つは海外のブリーダーを探し、輸出を依頼する方法です。もう1つは生体輸入の代行業者を通じて犬を購入する方法です。どちらも長所、短所がありますので、自分に合った方法を選択してください。

 

犬の輸入方法1「海外のブリーダーを探し、輸出を依頼する」

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自力で海外ブリーダーを探す方法について、手順を5段階に分けてご説明します。

 

1.狂犬病のない国(清浄国)を探す

狂犬病とは、人獣共通感染症の一種で、発症すると致死率がほぼ100%の危険な病気です。主な感染経路は、狂犬病に感染した動物に咬まれた際、ウイルスに感染します。傷口から侵入したウイルスは、神経系を介して脳神経組織に到達し、狂犬病を発病します。咬まれた部位によって時間差があり、頭に近い箇所であれば早く、遠い箇所であれば遅くなります。発病までに最短で約2週間程度、最長では2年かかったという記録も残っています。狂犬病は人から人へ感染することはありませんが、発病した動物からはすべての哺乳類に感染する可能性があります。

日本では狂犬病の蔓延を防ぐため、国外から狂犬病に感染した犬が入国しないかを厳しくチェックします。農林水産大臣が指定する狂犬病の清浄国(狂犬病が発生していない国)から犬を輸入すると、検疫がスムーズに完了しますよ。以下の条件を満たせば、国内での係留期間も12時間以内と非常に短くなります。

・マイクロチップによる個体識別がなされていること
・清浄国において、過去180日間か、出生以来飼養されていること
・清浄国に指定されているエリアで過去2年間狂犬病の発生がなかったこと
・出発前の検査で、狂犬病、レプトスピラ症にかかっている疑いがないこと

清浄国以外から輸入することもできますが、清浄国から輸入する場合の検疫に加えて狂犬病の予防接種や、輸出国での180日間の待機を証明する輸出国政府機関発行の証明書などが必要です。
狂犬病の清浄国に指定されているエリアは、動物検疫所のウェブサイトで確認してください。2013年7月現在「アイスランド」「オーストラリア」「ニュージーランド」「フィジー諸島」「ハワイ」「グアム」の6都市が指定されていますよ。

 

2.ブリーダーを探して連絡を取る

輸出国を選んだら、欲しい犬種を繁殖させているブリーダーを探して連絡を取ります。ブリーダーを探すのは、インターネット検索やペット事業に従事している人に紹介してもらうといった方法があります。日本に犬を輸出した経験があるブリーダーを見つけるほうが安心ですね。

離れた国に住むシリアスブリーダー(優良なブリーダー)は「新しい飼い主に子犬を任せられるかが心配」「子犬が長時間の輸送でかかえるストレスや疲れが心配」などの理由から、国外への子犬の輸出にネガティブな場合があります。自分で一度現地まで足を運び、ブリーダーと直接コミュニケーションを取った方がスムーズに進む場合が多いですよ。

 

3.届出書を動物検疫所に提出する

ブリーダーとの交渉が完了したら、輸入のスケジュールを立てます。具体的な輸入予定日が決まったら、その日の40日前までに動物検疫所に届出書を提出してください。初めての輸入の際は、書類不備のリスクを考え、余裕をもったスケジュールで提出するのがおすすめですよ。届出書は動物検疫所のホームページから「NACCS」と呼ばれるシステムを通して提出可能ですよ。

 

4.添付書類をブリーダーに送る

犬の輸入には添付書類が必要になります。具体的には「輸出国政府機関発行の証明書」「動物の輸入に関する届出受理書」と「その他必要に応じて動物検疫所から指示された書類」です。とくに「輸出国政府機関発行の証明書」には日本用の推奨様式があるので、あらかじめ動物検疫所公式ホームページからダウンロードして、メールでブリーダーに送付しておくことをオススメします。

 

5.空港で犬を受け取る

ブリーダーからの輸出を経て、子犬が日本に到着し、検疫を通過したら家族として迎え入れることができます。
空港に輸入した犬を乗せた便が到着したら、空港貨物地区内の利用航空会社の事務所に行き書類を受け取ります。その後、動物検疫所に移動し、書類を提出します。簡単な検査を行い、問題ない場合は通関の手続きを行って終了です。

 

以上の手順でスムーズに行けば、生体の代金プラス20〜30万円程度の費用で海外から犬を輸入できます。ただ、検疫を通過できず子犬が検疫所に送られると、1日あたり数千円の保管費を徴収されるので注意してください。理由にもよりますが、検疫所における係留期間は数ヶ月に渡る場合もあります。

個人輸入では犬が届かなかったり、依頼した犬と違う犬種が到着したりとトラブルがつきものです。可能であれば経験者に相談しながら行ったほうが安心です。

 

犬の輸入2「輸入代行業者を使って輸入する」

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個人輸入による方法は、様々なトラブルが生じるリスクがあり、初心者にはハードルが高いといえます。生体輸入の代行業者を利用する方がハードルが低い方法です。輸入代行業者を利用すると仲介料が必要となりますが、輸入の安全性や確実性は高くなります。業者は検索するとたくさん見つけることができますが、選ぶ際には以下の点を確認してください。

・ブリーダーのリサーチにかかる手数料
・生体が見つからなかった場合の前払金の返金の有無
・犬に問題があった場合の保証の有無

ブリーダーのリサーチにかかる費用が不自然に高い業者は避けてください。独自の輸入ルートを持っている業者だと、リサーチに手間がかからないので安心です。前払金の返金や生体の保証は、誓約書を読んでしっかり確認してください。

輸入代行にかかるサービス料金は業者によってまちまちです。手数料の安い業者なら、生体の購入費込みで50万円程度です。自力での輸入と大差ない金額で利用できますね。トラブルを避けるためにもサービス内容をよく確認して、本当に信頼できる業者かどうか判断してから依頼するようにしてくださいね。

 

 

犬の輸入には時間や費用だけでなく、リスクもつきまといます。「輸入する犬を直接確認することができない」デメリットは大きいので、本来であれば国内でお好みの犬種を見つけるのがおすすめです。どうしても輸入を利用したいという場合には、経験者の話を聞く、代行業者をうまく使うなどして納得の行く方法を選んでくださいね。