日本犬保存会まとめ!活動内容や保存会が定めるスタンダードを詳しく紹介!

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みなさんは「日本犬保存会」という名前を聞いたことがありますか。

あまりなじみがない人が多いかもしれませんが、ぜひ知っていただきたい犬種団体のひとつです。

この記事では、日本犬保存会の活動内容や、保存会が定めるスタンダードについてまとめました。

 

日本犬保存会とは?

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日本犬保存会は、日本固有の犬種である「日本犬」の保護活動を行っている団体です。日本犬本来の姿を守り、正しい知識を国内外に広く伝えるのが目的です。

明治時代、文明開化によって欧米から多くの洋犬が輸入され、純粋な日本犬は姿を消そうとしていました。

危機感を抱いた人々が日本犬の復興を呼びかけ、昭和3年に日本犬保存会を創立し、昭和12年に文部科学省から社団法人の認可を受けました。

戦争の影響で一時的に休止を余儀なくされましたが、昭和23年には活動を再開し、平成23年に国内の犬種団体で初の公益社団法人に認定されました。

 

日本犬保存会の活動内容は?

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日本犬保存会では、次のような活動をしています。

活動内容

日本犬標準の決定
日本犬の繁殖管理及び飼育に関する指導
日本犬犬籍簿の整備及び日本犬血統書の発行
日本犬に関連する各種の研究及び報告書の発行
日本犬に関する展覧会、試験会、講習会等の開催及び関連諸団体の後援
日本犬に関する審査員の任命
日本犬の諸外国への紹介と普及
防犯、狩猟、愛がん、その他一般使役に関する利用増進
会誌その他の公報の発行
その他この法人の目的を達成するため必要な事業

対象となっている犬種は、天然記念物に指定されている「柴犬」「紀州犬」「四国犬」「甲斐犬」「北海道犬」「秋田犬」の6種類です。

同じ日本犬でも、外来犬と交配して作られた「狆(ちん)」「土佐闘犬」「日本テリア」「日本スピッツ」は日本犬保存会に属しません。

 

日本犬保存会が定めたスタンダード(標準)の概略は?

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日本犬保存会では、日本犬の理想的な体型をもとに、昭和9年に「日本犬標準」を制定しました。

展覧会では日本犬標準に基づき審査が行われます。

 

大きさの区分

日本犬標準では、犬種により「小型」「中型」「大型」の3つに区分しています。

小型犬 柴犬
中型犬 紀州犬、四国犬、甲斐犬、北海道犬
大型犬 秋田犬

 

外観

日本犬標準では、体高と体長の比率を「100対110」と定めており、体長のほうが体高より少し長い体型です。

体高は標準サイズに加え許容範囲も決められており、その中に入っていればスタンダードと認められます。

犬種ごとの標準体高は次の通りです。

 

柴犬

標準 許容範囲
オス 39.5cm 38~41cm
メス 36.5cm 35~38cm

 

紀州犬、四国犬

標準 許容範囲
オス 52cm 49~55cm
メス 49cm 46~52cm

 

甲斐犬、北海道犬

標準 許容範囲
オス 52cm 47~55cm
メス 49cm 44~52cm

 

秋田犬

標準 許容範囲
オス 67cm 64~70cm
メス 61cm 58~64cm

 

被毛

日本犬の被毛は、硬くてまっすぐな「オーバーコート」と、柔らかい綿毛のような「アンダーコート」の二層になっています。四季のある日本の気候に適した構造で、「ダブルコート」と呼ばれています。季節の変化に合わせて年2回換毛期がありますよ。

被毛の色は「赤」「黒」「白」「虎」「胡麻」「黒褐色」があり、犬種ごとに割合が異なります。

例えば柴犬は、赤80%、黒10%、白10%以下、胡麻はほんのわずかしか存在しません。紀州犬は白が圧倒的に多く、有色は5%程度です。四国犬は、胡麻、赤の順に多く、黒褐色の個体もわずかにいます。

 

豆柴についてはどう考えているのか?

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日本犬保存会では、豆柴及び類似名称犬については公認しておらず、血統書も発行していません。犬の体を人為的に小さくすることは、柴犬本来の姿を守るという日本犬保存会の趣旨と異なるためです。

柴犬の体高は日本犬標準が理想的であると考え、体の小さな豆柴は「体高不足」と判断されます。

 

日本犬の素晴らしさを伝える

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動物は時として、人間が手を差しのべないと種を守りきれず、絶滅してしまうことがあります。その反面、人間が手を加えすぎると、本来の姿を大きく変えてしまうことも少なくありません。

日本犬の持つ強さと美しさを後世に遺すために、日本犬保存会は活動を続けています。

 

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