犬の性格も人間と同じようにそれぞれ違います。
同じ犬種でも活発で元気な子もいれば、大人しくおっとりした子もいます。
犬の性格はいったい、どのようにして決まるのでしょうか?
この記事では、犬の性格を決める要因についてまとめました。
目次
犬の性格、何で決まるの?
先天的な要因
後天的な要因
先天的な要因
先天的な要因は「犬種の特性」「親犬から遺伝によるもの」「もともとあった気質」などが挙げられます。
体格や被毛が親犬から遺伝するのと同じで性格も遺伝します。
後天的な要因
後天的な要因は「赤ちゃんの時の生活環境」「育て方」「年齢」「性別」などが挙げられます。
1つではなく、いくつかの要因が絡み合って決まっていくと考えられていますよ。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
先天的な要因は変えることができませんが、後天的な要因は飼い主さん次第で変わってきます。適切な飼育方法を学ぶことが重要です。
犬の性格、育て方で変わる?
ひと昔前までは、屋外で飼われて育てられた大型犬などにはおっとりした性格の犬が多く、室内で飼われるような小型犬は比較的、神経質な性格の犬が多いといわれていました。
最近では、犬の性格は体の大きさではなく、育て方が深く関係していると考えられていますよ。
室内で過保護的に可愛がられてばかりいる小型犬は、外で刺激や他の犬との交流が少ないため、怖がりで控えめな性格になりやすくなります。
一方で大型犬は、毎日の散歩を欠かすことができないため、自然と他の人や犬との交流も多くなり、何かあっても物怖じしない穏やかな性格になりやすいです。
小型犬も大型犬と同じ育て方をすれば、物怖じしない穏やかな性格になることができますよ。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
犬には社会化期というものがあります。社会化期は生後3~12週間の時期です。この時期にいろいろな刺激に触れることが大切です。動物病院などではパピーパーティーという子犬の社会化を目的としたプログラムがあります。飼い主さん以外の人や他の犬と慣れることが目的です。社会性を身に着けることで、成犬になったときに無駄吠えや問題行動の予防、ドッグランやドッグカフェなどほかの人や犬がいるところで怖がらず楽しめるメリットがあります。
犬の性格、オスとメスで違う?
一般的に犬の性格は、性別によっても違ってくるといわれています。
オス
プライドが高く、縄張り意識も強いため、比較的に攻撃性が強いといわれます。
ヤンチャで好奇心旺盛ですが、性格や行動がわかりやすく飼いやすいという方もいます。
メスよりも甘えん坊の子が多いですよ。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
去勢手術を行うことで男性ホルモンであるテストステロンが低下し、性格が穏やかになる犬もいますよ。
メス
オスに比べて縄張り意識も弱く、人懐っこく穏やかな性格が多いといわれます。
大人びていて落ち着く時期も早いので、しつけがしやすいです。
初心者にはメスの方が飼いやすいですよ。
犬の性格、飼い主さんに似るって本当?
犬の性格は、飼い主さんの性格に影響されることがわかっています。
明るく活発的な資質を持った犬でも飼い主さんが神経質だと、愛犬も同じように神経質になる可能性がありますよ。
飼い主さんがアクティブな場合は、愛犬も活発的に成長します。
愛犬が明るく元気に過ごせるよう、たくさん愛情を注いで元気よく笑顔で接することをおすすめしますよ。
犬の性格、抱き方でも変わるの?
犬の性格は赤ちゃんの頃の抱き方でも変わることがあります。
両手で犬の脇を持って、すっぽりと抱くにようにすると、甘えん坊で臆病な性格になりやすいです。
また、人間の目線より高い位置で抱くと、飼い主さんのこと自分より下位だと勘違いしてしまい、わがままな性格になることがありますよ。
犬を抱くときは必ず飼い主さんより目線を下にして、主従関係をわからせることが大切です。
甘えん坊でわがままな性格にならないように、子犬を抱くときには片手でお尻を支え、犬の前脚から胸のあたりをかかえるような抱き方をすることをおすすめします。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
犬を正しく抱っこするのは病気の予防にもなります。縦抱きをすると背中に負担がかかります。正しい抱き方は地面と犬の背中を水平に抱っこする方法です。
犬の性格、加齢とともに穏やかになるの?
犬も人間と同様に年を取ると穏やかでのんびりとした性格になりやすいです。加齢とともに好奇心や警戒心が薄れていくことが原因ですよ。
老犬になっても飼い主さんのような親しい人に対して急に怒りだすことがありますが、これは威嚇というよりも急に触られてびっくりしたという原因が多いです。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
高齢の犬は聴力や視力が低下しています。そのため、急に触るとびっくりしてしまうことがあります。触れる時は声をかけながら触れるようにしましょう。
穏やかな性格に育てたい!どうすればいい?
穏やかな態度で接する
たくさんスキンシップをとる
ゆっくり散歩をする
穏やかな態度で接する
犬は、主人である飼い主さんの人柄や行動を真似します。
穏やかな性格に育てるためには、飼い主さんが日頃から穏やかな態度で愛犬に接することが大切です。
しつけのためであっても、大声で怒鳴ったり、手をあげたりしてはいけませんよ。
穏やかな広い心で、犬の手本となるように接することをおすすめします。
たくさんスキンシップをとる
たくさんスキンシップをとることで、人間に対して恐怖心の少ない、穏やかな性格に育ちやすくなります。
屋外で飼われている犬の場合、信頼関係を築くことで家を守る番犬の役割を果たしてくれますよ。
ゆっくり散歩をする
犬種によって散歩をする頻度や距離は異なりますが、ゆっくりとしたペースで散歩をすることによって、穏やかな性格に育ちやすくなります。
散歩をするときは愛犬と仲良くお話をしながらゆっくりとすることをおすすめしますよ。
穏やかで優しい性格になるように
犬の性格も人間と同じで、小さな頃の育て方や生活環境が大きく影響します。
どんな子でも飼い主さんが愛情を持ってしつけをすれば、穏やかで優しい性格にすることができます。
普段から愛犬とスキンシップをとることをおすすめしますよ。