ヒョウモントカゲモドキの飼育環境は?特徴や販売価格、餌、病気、脱皮など飼い方まとめ

爬虫類の中でも人気の高いヒョウモントカゲモドキ。英名の「レオパードゲッコー」を略して「レオパ」とも呼ばれています。

色鮮やかなボディと可愛らしさが魅力のヒョウモントカゲモドキですが、飼育するためには知っておかなければならないこともあります。

この記事では、ケージや餌、病気の防ぎ方、湿度など、ヒョウモントカゲモドキの飼育で失敗しないためのポイントをまとめました

ヒョウモントカゲモドキの特徴は?

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まずはヒョウモントカゲモドキの特徴をいくつかご紹介しましょう。

大きさ

全長18cm〜25cm

トカゲモドキの中では大型に分類されます。また、平均体重はメスで55~70g、オスで65~80gとなります。

体の特徴

体の特徴としては、上下に開くまぶたがあり、頭部に耳の穴があります。また、舌は太く先端は割れていません。指先には爪があるため、物を掴んだり壁に張り付いたりはできないのですが、爪はそこまで鋭くありません。

尻尾

威嚇しているときや餌を狙っているときは尻尾を振ります。また、尻尾に栄養を蓄えることもできます。

危険を感じると尻尾を切って逃げ出す習性があるため、触れ合うときには注意が必要です。一度切れても尻尾は再生しますが、以前の尻尾とは形が異なる場合が多いです。

夜行性

基本的には夜行性ですので、昼間は暗くて狭い穴などに隠れて過ごします。

生息地

生息地は主にインド北西部、パキスタン、アフガニスタン等の、中央アジアから西アジアにかけての荒野や平原、砂礫地帯です。

 

ヒョウモントカゲモドキの名前のルーツは?

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全身に「ヒョウ」のような模様があり、イモリ科でありながらも、瞬きをし、爪があるなど「トカゲ」のような特徴を持つことから、ヒョウモントカゲモドキと名付けられたと言われています。

 

ヒョウモントカゲモドキのペットとしての魅力は?

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飼いやすい

ペットとしての魅力の一つ目は、動きが遅く、小さいため、飼いやすいということが言えるでしょう。夜行性ということもあり、照明器具等も不要で、飼育するために必要な用品も多くないため、初心者の方にもおすすめです。

ハンドリング

ペットを手に持つことをハンドリングと言いますが、ヒョウモントカゲモドキは珍らしく触れられることを嫌がらない性格のため、ハンドリングをすることが出来ます。鋭い爪や牙も無いので安心です。ただし、飼い始め直後はストレスになるのでハンドリングは控えてピンセットで餌をあげるようにしましょう。

品種と色の多さ

品種(モルフ)の多さやカラーバリエーションの豊富さも魅力の一つです。品種にはイエロー系、ハイポ系、アルビノ系、スノー系などがあり、それぞれ大きく特徴が異なっているため自分好みの個体を探しやすいのも嬉しいですね。

 

ヒョウモントカゲモドキの種類は?

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色彩豊かなヒョウモントカゲモドキは、ノーマルと言われるものの他にも、その色彩によって、ハイイエロー、タンジェリン、ハイポタンジェリン、リューシスティック、ブリザードなど様々な種類が存在しています。色彩によっては価格が高騰する場合もありますが、初心者にとってはその価格が妥当なものか判断しにくいため、まずはノーマルがおすすめです。

 

ヒョウモントカゲモドキの販売価格は?

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体長や体色、柄といった形質が確立されている、いわゆるひとくくりの品種として身体の特徴の種類のことを「モルフ」といいます。

一般的なモルフ(ノーマル、ハイイエローなど)5000円前後で販売されていますが、珍しいモルフだと10万円以上で取引されることもあります。

 

ヒョウモントカゲモドキの選び方は?

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選ぶ際には、痩せていないこと、肌の色艶がいいこと、目脂やお尻の汚れなどが無いことなどを確認するとよいでしょう。

 

ヒョウモントカゲモドキの飼い方は?

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温度と湿度

湿度は40%〜60%、温度は28度〜32度程度がよいです。

単独飼育が基本

メス同士は同居させることもできますが、1つのケージに1匹で飼育するのが基本でしょう。

水の入れ替え

目安として、2〜3日に1回水を全部入れ替えるようにしましょう。

温浴

頻度としては、週一回くらい35度前後のぬるま湯に浸からせてあげるのがおすすめです。温浴のあとはすぐに水気を拭き取ってあげましょう。

フンの掃除

砂やキッチンペーパーを事前に敷いておくと便利です。砂を敷いている場合は、汚れている部分をスプーンですくって捨て、キッチンペーパーの場合はまるごと新しいシートに交換して対処しましょう。

臭いが気になる方へ

トカゲを飼育しているとどうしても独特の臭いが部屋についてしまうことがありますよね。ペットを飼育している以上、動物の臭いが付いてしまう事は仕方がないと考える人もいるかもしれませんが軽減することは可能です。

ペット用の消臭剤「カンファペット」がおすすめです。動物が舐めてしまっても大丈夫なように有害物質の使用は一切していません。

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ヒョウモントカゲモドキ、飼育環境は?

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揃えるもの

  • ケージ: 40~50cm程度
  • 水入れ: 重みがあり、口が広くて浅いもの
  • 床材: パームマット、ウッドチップ、新聞紙
  • シェルター
  • パネルヒーター 
  • 湿度計

ヒョウモントカゲモドキを飼育する上で、揃えておきたいグッズをご紹介します。

 

ケージ

ヒョウモントカゲモドキの成体時の大きさは平均して25cm程度です。同じ飼育ケージで幼体から成体まで一緒に飼えるように、長辺が体長×2倍の50cm位あるものがおすすめですよ。

壁に張り付くことができず、あまり立体的な動きはしないので、ある程度の高さがあるケージなら脱走の心配はありません。

ケージの材質は「ガラス」「プラスティック」「アクリル」があり、それぞれ利点がありますが、「ガラス」製のケージをおすすめします。

ガラス製のケージは販売店が多く種類も豊富です。値段もアクリルに比べると安価ですし、プラスティックよりも傷がつきにくく、長年使っても劣化の心配も少ないからです。
ここまでケージのおすすめをご紹介しましたが、ケージは必ずしも爬虫類用のものでなくても問題ありませんので、値段と用途に見合ったものを選んでください。

水入れ

水を飲むために必須のグッズです。ヒョウモントカゲモドキが上に乗ってもひっくり返らないほどの重さがあり、口が広くて浅いものがおすすめです。常にきれいな水を入れておいてくださいね。水は水道水をそのまま使って問題ありません。

水入れから飲まない場合は代用品として霧吹きがおすすめです。

床材

床材の種類はたくさんありますが、ヒョウモントカゲモドキは個体によって床材の好みがあります。頻繁に床材に変えるとストレスを感じてしまい、餌を食べなくなる個体もいます。

糞尿などで汚れた床を定期的に取り換えることが必要なので、キッチンペーパーや新聞紙を床材として使用すると簡単に取り換えることができます。

見栄えにこだわりたい方は、パームマットやウッドチップのような床材がおすすめです。これらは穴を掘れるためヒョウモントカゲモドキの隠れ家にもなり、水分を含む材質であればケージ内の湿度を保つことにも役立ちますよ。

ただパームマットは目を傷つけたり餌と一緒に誤飲したりしやすいので、注意が必要です。また、幼体を飼っている場合は砂を敷くと、餌と一緒に飲み込むことで体内に溜まっていき、死んでしまう可能性があるのでおすすめしません。


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シェルター

野生のヒョウモントカゲモドキは昼間は隠れて潜んでいることが多いため、飼育環境においてもシェルターなど暗くて隠れられる隙間を作ってあげると、ストレスがたまりにくくなります。

シェルターに関しては色々な意見があります。幼い個体には環境変化によるストレスを与えないために必要ですが、成長した個体には必要ないと言われることもあるようです。

もしシェルター選びに迷ったら、専門のペットショップで尋ねてみてください。

パネルヒーター

爬虫類は変温動物なので、自分で体温を調節できません。低温になると冬眠状態になってしまうので注意が必要です。

体温を保つためには、パネルヒーターが役立ちます。熱すぎるときの逃げ場を作ってあげる(温度の勾配を作る)ために、床全体ではなく半分程度をパネルヒーターに乗せるように設置すると理想的です。

湿度計

40~60%に保つ必要がありますが、比較的湿度が高い日本では、さほど湿度に気を配る必要はありません。冬は乾燥しやすいので、湿度計は設置しておくと安心ですね。

 

ヒョウモントカゲモドキの餌の種類は?

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餌の種類

  • コオロギ(1度に2〜5匹)
  • ミルワーム(1度に小さいサイズで5〜10匹)
  • ピンクマウス(個体による)
  • ディビュア
  • ミミズ
  • 人工餌

 

ヒョウモントカゲモドキの餌をあげる時の注意点は?

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ヒョウモントカゲモドキの餌は主に昆虫の「コオロギ」や「ミルワーム」です。個体によっては「ピンクマウス」を食べることもあります。

飼い始めの頃は、環境変化に対応しきれず、ピンセットで餌を与えても食べてくれないことがあります。その場合、コオロギやミルワームの一部を飼育ケージの中に入れておくと食べてくれるはずです。

またコオロギやミルワームを食べる量が少なければ、「ネクトンREP」などの爬虫類用栄養補助食品を与えるのもおすすめです。その他注意点を以下にまとめました。

 

ミルワームは与え過ぎない

コオロギをメイン食にして、高脂肪なミルワームをおやつにあげるのがおすすめです。ミルワームは殻が硬く消化によくありません。またカルシウムが少なくリンの含有量が高いため、主食にするのは避けた方がいいですよ。

 

食べなかった餌は掃除する

食べなかった餌は放置しないようにしてください。菌が繁殖することがあるので、食後はケージの中をキレイにしてあげてください。

 

生き餌に噛まれることも?

コオロギは何でもかじるので、生き餌の場合ヒョウモントカゲモドキが怪我をする恐れがあります。

 

生き餌は目の届かないところに

生き餌をストックしている場合は、目の届かないところで管理しないとストレスになる可能性があるため注意が必要です。無駄なストレスを与えないためにも目の届かないところで管理するようにしましょう。

 

食べるのを拒否したら無理にあげない

普段問題なく食べていても飽きて食べないことがあります。あえて4〜10日ほど餌をあげずにお腹がへるのを待つか、いつもと違う餌をあげたり、温度が低いと食欲が落ちるので温度を確認してみると良いでしょう。

 

餌代はどれくらい?

値段 一食あたりの値段
コオロギ 1,000円 30円
ミルワーム 400円 20円
ピンクマウス 1,000円 100円
ディビュア 1,500円 100円
ミミズ 900円 90円
人工餌 2,000円 30円

 

ヒョウモントカゲモドキの餌のあげ方は?

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ヒョウモントカゲモドキの給餌頻度は幼体と成体で異なります。幼体の場合は毎日1回、成体であれば週に2〜3回の頻度で餌を与えます。餌の量は個体によって異なるので、与える量を調節してあげて下さい。餌のあげ方には大きく2種類あります。

餌をケージに入れる

ケージの中に餌の昆虫を入れておき、翌日に残っているものを回収する方法だと手間もあまり掛かりません。目安として、3~5匹程度放すと良いでしょう。

ピンセットで食べさせる

コオロギやミルワームの場合は、食欲にあわせて食べるだけ与えても問題ありません。ピンセットで摘んで、餌付けをしてあげてくださいね。口元に餌を運んでも食べなくなったら適量の合図となります。

ピンクマウスは栄養価が高いですが、与え過ぎるとコオロギやミルワームの餌の食いつきが悪くなります。ピンクマウスは月に1回くらいのペースで与えることがおすすめですよ。ピンクマウスの場合、70℃程度のお湯と使って解凍することがおすすめですよ。ヒョウモントカゲモドキの顔の半分くらいの大きさを目安に餌付けをしてあげてくださいね。

ヒョウモントカゲモドキは尻尾に栄養分を蓄えることができます。普段の食事が健康的であれば、1〜2週間ほど餌を与えなくても問題ありません。大きな心配なく長期不在することもできますよ。

 

ヒョウモントカゲモドキの寿命は?

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ヒョウモントカゲモドキはペットの中でも長寿の部類に入るでしょう。なんと、オスで29年・メスで22年も生きた記録がありますよ。
平均寿命は10年と言われています。老化によって目が悪くなるので、餌を見つけられなくなってきたらピンセットを使って餌を与えてあげるようにしましょう。

 

ヒョウモントカゲモドキの注意すべき病気は?

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クル病

成長期や産卵期のメスで特に起こりやすい病気です。その原因としては、カルシウム不足により骨形成に異常が生じて足や顎などが変形したり骨折を起こします。病気を発症すると、元気が無くなり、食欲不振、成長不振、震えなどが症状として出ます。

「ダスティング」という方法がおすすめです。ダスティングとは粉をふりかける行為のことで、餌に「カルシウムパウダー」を付けて与えるとくる病の対策になりますよ。粉を付けすぎると食感が悪くなり、餌を吐き出してしまいますので気をつけてくださいね。

 

クリプトスポリジウム感染症

食事を十分にあげているにも関わらず痩せてきたり、食べ物を吐いてしまうことがあります。糞などを媒介にして感染します。

 

細菌感染症

食べる量が減る、口の動かし方などが不自然になる、口の周りにチーズ状の膿が見られる場合は細菌性口内炎(マウスロット)の可能性があります。抗生物質や消炎剤を与えることで治るため、症状が確認できたら早めに診断してもらうことをおすすめします。

 

脱皮不全

一般的に爬虫類は成長するに伴い、古くなった皮膚を脱皮して成長していきます。その脱皮が上手くいかずに、体表に残ってしまうことを脱皮不全と言います。

湿度が不足しているときに起こりやすいので、脱皮しそうなときにはケージ内に霧吹きをして適度な室内を保ってあげましょう。

自分で処理しにくい指先や尻尾の先に皮膚が残りがちで、脱皮不全を起こすと血流を悪くし壊死することもあります。ぜひ温浴の際に取り除いてあげましょう。

 

ヒョウモントカゲモドキ、湿度は脱皮に必要?

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ヒョウモントカゲモドキは数か月に1回脱皮をします。体の表面が白っぽくなってきたら、脱皮が始まる兆候です。

皮が体に残った状態を放っておくと、壊死の危険があります。うまく皮が脱げなかった場合は、ぬるま湯に付けて優しく取ってあげてくださいね。

湿度が低い環境で起こりやすい現象なので、「ケージ内壁面などに霧吹きを行う」「大きめの水入れを用意する」など高湿度状態を保つことを心掛けてください。

 

ヒョウモントカゲモドキ、スキンシップで健康診断

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ヒョウモントカゲモドキを飼い始めたら、毎日の様にスキンシップをとる方も多いと思います。ただ遊ぶのだけではなく、手に乗せてよく体を観察してみてください。

ヒョウモントカゲモドキは具合が悪くても様子が変わらない傾向があるので、しこりや、爪欠け、怪我がないかを調べてください。

毎日よく観察することで違いに気づき、病気の早期発見に繋がります。スキンシップと併せて毎日の日課にしてみることをおすすめします。

 

ヒョウモントカゲモドキは初心者にもおすすめ

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いかがでしたでしょうか?ヒョウモントカゲモドキは体が丈夫で、安価で、飼育がしやすいので、初心者の方にもおすすめのペットです。

見た目もかわいらしいヒョウモントカゲモドキを、毎日かわいがってあげてくださいね。