ドッグトレーナー小野弘恵さんが、ご自宅で行う「出張トレーニング」を専門に活動する理由とは。

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かけがえのない愛犬と毎日楽しく笑顔で過ごすために。

愛犬の「リコッタ」ちゃんを抱きながら、笑顔でpepyの取材に応じてくれたのは「出張ドッグトレーナー」の小野弘恵さん。

教室を構えるのではなく、飼い主さんのご自宅に直接訪問して行うトレーニングを専門に活動を続けています。

この記事では小野さんへの取材でお聞きした現在の仕事内容や、「出張」だからこそ実現できること、仕事にかける思いをまとめています。

 

新卒先では車のディーラーをしていた小野さん

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―小野さんよろしくお願いします。まずは職歴をお伺いしてもよろしいでしょうか。ドッグトレーナー歴は何年になりますか?

はい、よろしくお願いします。ドッグトレーナーになってからは4年が経ちます。新卒で入社したのは車のディーラーの会社でした。

 

―車のディーラーの会社からドッグトレーナーへ転職されたということですね。その経緯が気になります。

もともと愛犬を飼っていまして、その子がリコッタを出産するタイミングで退職をしました。もともとペットに携わる仕事がしたかったですし、「このタイミングしかないな」と思ったんです。

会社を退社後はドッグトレーナーの資格を取得するために半年間、社会人向けの学校に通いました。

 

―子どもの「産休育休」で会社をお休みする方は多いですが、小野さんの場合は愛犬の「育退社」ということになりますね(笑)。そこまで「ドッグトレーナー」の仕事には魅力を感じていたということでしょうか。

はい。「動物に関わる仕事がしたい!」と子どもの時からとにかく夢みてきました。

なのでドッグトレーナーの資格に合格したときには「夢が叶った」という高揚感でいっぱいになったことを今でも覚えています。

 

小野さんが選んだ「出張ドッグトレーナー」のお仕事について

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―小野さんは「出張専門」のドッグトレーナーさんということですが、ドッグトレーナーの仕事形態にはいろいろと種類があるということでしょうか?

ドッグトレーナーには大きくわけて2種類います。

施設を構えてしつけ教室を開くトレーナーと、飼い主さんのご自宅まで出張するトレーナーです。私は後者の「出張専門」のドッグトレーナーになって、現在独立して個人で活動しています。

 

―なるほど。出張ドッグトレーナーさんのお仕事内容が気になります。小野さんの場合はどんなことを普段しているのでしょうか。

「出張」の名の通り飼い主さんのご自宅に実際に訪問して、しつけのトレーニングをお手伝いするサービスをご提供しています。

私の場合は1度の出張で大体60分間のトレーニングを行います。10分間完結のトレーニングを3~5セット行い、トレーニングの合間には休憩時間をはさむようにしています。

 

トレーニング内容は毎回違うのですか?

はい。大枠のトレーニング内容は、事前に飼い主さんにお伺いした悩みに沿って考えています。

ただ、ワンちゃんの性格によってどうしてもトレーニングの進捗に差が出てしまうので、当日に急遽変更することはしょっちゅうです。

例えば「トレーニングの集中力」ひとつとっても、2分が限界な子から30分以上ひたむきに挑戦してくれる子もいます。なので一律「60分間」「10分ずつ」と決めるよりも、ワンちゃんの性格、その時の体調、飼い主さんの状況などすべてを考慮して、臨機応変に対応するようにしています。

 

出張トレーニングでは「休憩時間」も大切な時間

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―トレーニングの「休憩時間」にも何か工夫をされているのでしょうか?

はい!休憩時間こそ、ワンちゃんの問題行動の原因をみつけるために重要な時間です。

 

―休憩を挟んで集中力を保つために「重要な時間」ということですか?

仰るとおりですが、休憩時間が重要な理由はそれだけではありません。

 

―一体何でしょうか。

問題行動の「原因」が一番判断しやすいのが休憩している時間なんです。

???

 

例えば、Aさんという方のご自宅にお邪魔した時のことです。

「愛犬がわたしの手を甘噛みする癖をつけてしまったのでしつけてほしい」とAさんから依頼がきたので、噛み癖をしつける基本的な内容でトレーニングを組みました。

いざ最初の10分間を終えて休憩に入ったのですが、ワンちゃんって休憩時間でもお構いなしに遊ぶんですよね。

ご自宅でトレーニングしているので、当たり前のことではあるのですが。Aさんのところに走って「遊んで!遊んで!」ってとにかくアピールするんです。Aさんにとってもこの光景は日常茶飯事だそうです。

「はいはい」と、Aさんが遊んであげようとおもちゃを取り出したとき、Aさんの手を「カプリ」と甘噛みしてしまったんです。

「うーん。やっぱり噛んじゃうのね」と私が思っていると、Aさんが手を噛まれたことをそっちのけで「よしよし可愛いね」とおでこをナデナデしていたんです。

遊んでほしいそうに寄ってきた愛犬が可愛らしかったのでしょう。

 

―甘噛みした愛犬に対してAさんの行動は「ナデナデ」をした。ということは…

はい。Aさんは愛犬の甘噛みという行動に対して、「ナデナデ」というご褒美を与えてしまっていたんです。愛犬にとっては「褒めてもらえるから甘噛みをしていた」ということになります。Aさんにとっては「無意識」の行動だったのです。

休憩終わりからのプログラム内容は早速変更しました。

 

―すごい。まさにオーダーメイドのしつけですね。確かに「甘噛みをしつける」と一概にいっても、原因がわからなければ解決できないですよね。そして甘噛みの原因は、犬によって違うということですね。

仰るとおりです。ひとえに「甘噛み」といっても、その原因は1頭1頭異なります。そしてその原因の究明がいちばん大切なのですが、初対面の私とのトレーニングの中だけで原因を特定することはかなり難易度が高い。

そこで私の場合は、愛犬が「自然体」になってくれる休憩時間に着目しています。

 

―なるほど。しつけ教室に呼ぶのではなく、出張でトレーニングするからこそ気付けることなのかもしれません。

私のしつけトレーニング場には常に「信頼しているご家族」と「安心できるご自宅」が揃っています。だからこそわんちゃんの自然体を引き出すことができる。これは出張ドッグトレーナーならではの強みだと思っています。

 

愛犬のしつけは「家族全員」「例外はつくらず」行うことが大切

小野さん2

―他に出張ドッグトレーナーならではのポイントはございますか?

家族全員にしつけを直接伝えられることですね。

しつけは個人戦ではなく団体戦です。散歩に連れていくお母さんだけが覚えれば良いものでも、よくおもちゃで遊んであげているお父さんだけが覚えれば良いものでもありません。

4人家族であれば4人全員が徹底して同じしつけを行う必要があります。

例えば愛犬に座ってもらいたい時、お母さんと息子は「おすわり」と言い、お父さんだけ「シット(sit)」と英語で言っていたら愛犬は混乱してしまいますよね。

「おすわり」なら「おすわり」と言葉を統一する。声のトーンも大きさも合わせることが本来は理想です。

 

―しつけは団体戦。確かにそうですが、そこまで差が出るのですか?

はい。明確に違います。

家族のうち、だれか1人でもしつけを無視して接してしまうと、機能は半減してしまうんです。

なので私が出張トレーニングをするときは、できるだけご家族が全員揃っている時間を狙います。平日の夜か、土日祝が多いですね。そのほうがきちんとしつけられることが明らかなのです。

 

―施設で行うしつけが「対 参加した飼い主さん」なのに対し、出張トレーニングはまさに「対 家族」のしつけといえる。このメリットは確かに大きいですね。

 

小野さんが応える「しつけは何のためにやるの?」

小野さん3

―そもそも論なのですが、小野さんは犬の「しつけ」についてどのようにお考えですか?何のために行うのでしょうか?

しつけは「飼い主さんと愛犬が暮らしやすい環境」を実現するための1つの手段であると捉えています。

日本における犬の飼育数は年々増えています。それだけわんちゃんと飼い主さんの出会いが増えており、生活する環境も多様化しています。

そんな中「家族でどんな幸せに向かっていけば良いのだろう」という問いに、誰しもが当てはまる答えは無いと思います。生活や幸せのカタチはそれぞれの家族が決めていいと思うんです。

???

小野さん1

なのでしつけは、「理想の生活」を愛犬とつくるための手段なのです。例えば休日に愛犬と遠出をしてピクニックを楽しみたい!と思うのであれば、初めての環境でもパニックにならないような社会性を身につけるしつけが必要になるでしょう。

 

―しつけは手段。では最後にずばり「ドッグトレーナーの仕事」とは?

すべての飼い主さんとわんちゃんに、理想の暮らしを生涯通して実現してほしい。そのために必要なことはしつけを含めてすべてサポートすることがわたしたちドッグトレーナーの仕事であり、役割だと思っています。

 

取材後記

小野さん4

ドッグトレーナーは「犬のしつけ方を教えてくれる人」というイメージが強いでしょうか。

中には「怖い人」だと思っている方もいるのではないかと、小野さんは自身の職業へのイメージを冷静に分析しています。

しかし小野さんへの取材でpepy編集部が感じたのは、愛犬にとっての「第2の飼い主さん」ともいえるアットホームなドッグトレーナー像

しつけ以外にも頼っていい存在であり、小野さんはpepy編集部の取材に対し「愛犬との生活に関することならなんでも気軽に相談してほしい」と笑顔で語ってくれました。

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「初めて犬を飼うからしつけができるか心配だわ」

「トイレの場所をどうしても覚えてくれないの」

「散歩に行きたがらないのよね」

しつけに限らず、愛犬との生活にありふれたトラブル解決をドッグトレーナーは仕事としています。

彼女たちは愛犬の問題行動を解決するだけの「しつけプロフェッサー」ではなく、愛犬との理想の暮らし実現をサポートする「ヒーロー」的存在ともいえるのです。

かけがえのない愛犬と毎日楽しく笑顔で過ごすために。

ドッグトレーナーの存在は決して遠くありません。わたしたちのすぐそばで、愛犬との幸せな暮らしを見守ってくれる存在なのです。

 

小野さんのプロフィール

小野さん アヴァンスイベント
お名前小野弘恵
ご職業ドッグトレーナー・愛犬家住宅コーディネーター
取得資格ドッグトレーナー
ペットシッター士
ホリスティックケア・カウンセラー
DOG PULLER認定コーチ
公式HPhttps://withhiro.jimdo.com/