犬の歯石の取り方は?自宅でできる?除去費用や対策法まとめ

監修者:安田英巳 院長 
安田獣医科医院(東京都目黒区)

帯広畜産大学後、製薬会社に7年勤務。1982年に「安田獣医科医院」を開院。TRVA夜間救急動物医療センターの立ち上げに協力し、同医療センターと連携して万全の医療体制を整える。学生時代には軟式テニスで北海道チャンピオンとなった経験あり。親戚も獣医師。

犬は自分で歯を綺麗にすることができないため、歯磨きをしてあげないとどんどん汚くなり、やがて歯石ができます。

歯石は口の悪臭だけでなく病気の原因にもなるので、ひどくならないうちに取り除いてあげることが大切です。

この記事では犬の歯石がたまる原因や適切な取り除き方、必要なグッズ、対策法をまとめました。

 

犬の歯石とは?なぜ溜まる?

犬 歯磨き

犬に歯石が溜まる原因

歯垢を放置して固まる

歯石は歯垢(プラーク)が放置されて固まったものです。リン酸カルシウムが80%、食べカスや微生物が10%、水分が10%ほどの割合で構成されています。

歯垢とは食べカスのことではなく、正確には歯に存在する「細菌」のことです。食べカスに集まってきた細菌が歯垢であるともいえます。歯垢は唾液によって2~3日ほどで石灰化して歯石になります。

歯石がついている犬の歯は黄色みを帯びていたり、ザラザラとしたものが付着していたりします。また、「糖分」は細菌のエサになるので、糖分多めの食事をとっている愛犬は歯垢ができやすいですよ。

さっそく愛犬の歯に歯垢や歯石がないかチェックしてみてくださいね。

 

犬の歯石の正しい取り方、除去方法は?

犬 素材

犬の歯石は石灰化して歯に付着しているため、歯ブラシだけではなかなか取り除くことができません。

「スケーラー」とよばれる道具を用いた除去が一般的ですが、獣医師に頼むべきであり家庭で行うことはおすすめしません。なぜなら歯の表面を傷つけるからです。

問題なのは歯石そのものではなく、ざらざらした表面に食べかすと歯周病原菌が付着しやすいことが問題なのです。金属スケーラーによって傷つけた跡は、歯石が付いていることと変わりはないといえます。また、歯周ポケットに深く入り込んだ歯石は無麻酔下で取り除けません。

目に見えるところだけを削り取ってもポケットに残った歯石は病原菌を乗せて少しづつ歯根部に侵入していき、やがて歯のぐらつきや痛みにつながります。

 

犬の歯石取りは自宅でできる?

犬 素材
歯石を自宅で取ることは、おすすめしません。

「歯石取り」はトレーニングを受けた獣医師が麻酔下で行うものです。

近年問題視されている、トレーニングを受けていない人が行う無麻酔での歯石除去による弊害は日本に限った話ではありません。アメリカ獣医師歯科学会のHPにおいても「いかに不適切で危険であるか」が説明されていますよ。

リスクを減らすという観点からも、口腔内の施術に精通している獣医師さんに歯石取りをしてもらうことが最善策だといえます。

 

犬の歯石を取るプロはどの職種?かかる費用は?

トイプードル

歯石取りのプロ

トリミングサロン
動物病院

犬の歯石を取るプロは「トリマー」さんと「獣医師」さんです。

ご家庭で歯石取りが難しい場合は、トリミングサロンでトリマーさんにお願いするか、動物病院で獣医師に相談することが一般的ですよ。

また両者の大きな違いは「麻酔があるかどうか」です。それぞれ詳しくまとめていますよ。

 

トリミングサロン

トリマーさんは麻酔を扱うことができないので、トリミングサロンでは「麻酔なし」の歯石除去となります。

普段通っているトリミングサロンがあればそこで歯石のことを相談してみてください。口を触られるのが慣れていない子はできない場合もありますが、費用は1000~3000円程度です。

 

動物病院

動物病院では「麻酔あり」と「麻酔なし」を選択することができます。

麻酔にも全身麻酔と局所麻酔の2種類がありますので、除去前に獣医師さんと相談して決めてくださいね。

「小型犬」で「麻酔あり」の場合、費用は2万円程度です。

歯石ができにくい愛犬を目指して

ヨークシャテリア

人間だって愛犬だって、歯はキレイに越したことはありません。歯石はいわば口内環境が最悪の状態といえます。極端にいえば、歯周病になり歯が抜け落ちてしまう一歩手前なのです。

しっかりと日頃の歯磨きでケアしてあげることが大切ですよ。歯磨きが嫌いな子は「デンタルガム」などを活用してください。口腔内環境を整えるシロップもおすすめです。

しっかりと適切なケアを行えば、歯石が生涯1度もできないこともあるのです。あなたの愛犬が「NO 歯石 dog」であり続けるために、是非今日から対策を始めてみませんか?

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