犬のしつけ、いつからするの?目的は?何が正しい?基本事項まとめ

東京大学農学部 獣医学専修を卒業後、大阪の高度獣医療専門病院「ネオベッツVRセンター」に勤務。その後、ミシガン州立大学にて海外外科研究員、カリフォルニア大学 ディビス校にて、整形外科・再生医療などに携わる。米国からの帰国後は、ライフメイト動物病院グループの代表、川村動物病院の院長として、より良い地域獣医療の普及に邁進中。より良い犬との出会いサポートしたいという思いから、ブリーダー直販サイト「BreederONE」の監修も務める。

これから犬を家族に迎えたい方にも、既に愛犬との暮らしを楽しんでいる方にも、「しつけ」は関心が高いテーマですよね。

今回の記事では、犬のしつけを行うにあたっての基本事項をまとめました。

 

犬のしつけ、なぜするの?目的は?

犬 2匹 飼い主

犬のしつけの目的は、大きく2つあります。

1つ目は人、とりわけ飼い主やその家族と仲良くなり、気持ちよく生活をすることです。

家族としてこれからの時間を共にするためのルールを犬に教えてあげ、家族全員がストレスのない日常生活を送れるようにしてあげてくださいね。

2つ目は愛犬と家族、周囲の人たちをトラブルから守ることです。食べてはいけないものの拾い食いや誤飲・誤食をしたり、見知らぬ犬や人間とケンカをしたりするトラブルを避けるためにも、しつけが必要になります。

習性も感覚も異なる犬が人間社会で暮らしていくために必要なルールを優しく犬に教えていくことで、愛犬が人と仲良く、幸せに暮らせる状態にしてあげたいですね。

 

犬のしつけ、何が正しい?

(動物以外)悩む少女

インターネット検索サービスや書店には「犬のしつけ」に関するさまざまな情報が溢れています。

理論中心で抽象的なものや、理論の説明が無く方法論のみを述べたものなど、様々な種類があります。

また、著者の職業やその他のバックグラウンドによっては、正反対の内容が記載されていることもしばしばあります。

どの方法をとれば、犬と本当に幸せに暮らせるのか、きちんと判断することが大切ですね。

 

犬のしつけの基本

犬 女性

犬のしつけには大きく分けて「教えるのに好ましい年齢があるもの」と「生涯通して教えていきたいもの」の2種類あります。

 

教えるのに好ましい年齢があるもの

犬は生後3〜12週ごろまでの間に社会化期を迎えるといわれています。

社会化期とは、周辺環境からの刺激に対して順応するための学習期間です。

子犬が周囲のことを色々と認識できるようになってきたこの時期には、「犬以外の動物との接し方」を覚えるとともに、飼い主さんとの信頼関係の基礎をつくります。

社会化期のしつけで意識すべきことは2つで「優しくなでてあげたり思い切り遊んであげたりしてコミュニケーションをたくさんとること」ことと「決して叱らない」ことです。

そうすることで人間に慣れ、友好的なコミュニケーションが取れるようになります。

新しい家族との暮らしへと生活環境が大きく変わった子犬が安心して暮らせるように、ぜひたくさん撫でてあげ、遊んであげてくださいね。そうすることで、犬は人間と仲良くなれ、良好な関係が築いていきます。

また、室内で適度に運動させてあげることで、子犬は心身ともに健やかに成長してくれますよ。さらに、遊びの中で、かじってはいけないものを覚えるなど、子犬はさまざまなことを学習していきます。

一方、子犬が人間にとって困った行動をしてしまったとき、適度に叱るようにするのも重要、との考えもあります。

しかし、子犬を叱ってしまうことで子犬と飼い主さんの関係性が悪くなり、子犬の困った行動がますますひどくなってしまうことあります。子犬を家に迎え、これから信頼関係を構築したい時期ならなおさらです。

子犬がいたずらをしても決して叱らず、いたずらをしてしまう原因を探して改善してあげたいです。

もちろん、生後3〜12週を過ぎたらもう手遅れ、というわけではありませんのでご安心を。

日ごろから愛犬との良好な関係を作ることを意識した接し方を続けてあげてくださいね。どうしてもうまくいかない場合には、専門家にご相談されることをお勧めします。

 

生涯通して教えていきたいもの

社会期が過ぎた生後13週目ごろからは、生活の中で必要なルールをきちんと守っていけるようなしつけを継続して行っていくことが大切です。

「問題行動」という言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃるでしょう。飼い主が犬にやってほしくない行動はすべて、「問題行動」と呼ばれてしまっているようです。

しかし、多くの場合、犬は本能に従った行動をとっており、その行動が「人間にとって都合が悪い」というだけのこと。「問題行動」と呼ばれてしまう行動のほとんどは、人間の都合で考えたときに「問題」となる行動です。

犬がこういった「人間にとって困ってしまう行動」をしたときにはどうしたらよいでしょうか。

罰をあたえ、継続して欲しい行動をしたときにはごほうびを与えるようにする、といった考え方もあります。これらは犬の行動と「快」「不快」を結びつけることで行動様式が変化する「行動の強化」と「行動の弱化」を目的としています。

ごほうびには餌やおやつを与え、罰には苦いものを与えたり、大きな音を立てたりといった方法がこれにあたります。

ただ、先ほどもお話したように、犬がとった行動はほとんどが犬にとっての自然な行動。その行動をとったのには何か理由や原因がおそらくあります。犬自身に問題があるとは限りません。

人間目線で叱りつけるのではなく、犬の目線を大切にして、その行動をとってしまったきっかけや気持ちを考えて対処することが、犬の困った行動を改善させるためには必要です。

「ダメ!」などと一方的に叱ってしまっては、愛犬との関係性が悪化してしまい、犬との幸せな暮らしを叶えられないおそれがあります。

 

犬のしつけは、ほめるのが基本

猫 女性 ソファ 赤い

犬をしつけるにあたって、犬がとった望ましい行動に対して「犬をほめる」「遊んであげる」などの犬が喜ぶことをしてあげる「快」を与える方法で、犬はその行動を進んで行ってくれるようになります。

しかし、その一方で、犬がとった好ましくない方法に対して「罰を与える」「叱りつける」などの「不快」を与える方法をとる方もいらっしゃるかもしれません。でも、愛犬との信頼関係を築き、仲良く暮らしていくための犬のしつけ方針としては「ほめて育てる」方法をとってあげたいものです。

2004年にイギリスで行われた調査では、364人の飼い主に対して「トイレ」「来い」「放せ」など基本的な7つのしつけをどのように教えたかを訪ねました。

その結果、ごほうびを利用してしつけた飼い主は、罰を利用した飼い主よりも犬が従順だと答えている割合がはるかに高かったのです。逆に罰(とくに体罰)を用いた飼い主は「人や犬に吠える」「怯える」など、飼い犬の問題行動が多く見られる、と回答していました。

何かに怯えながらではなく、行動が楽しいと感じられるしつけの方が、飼い犬のストレスも少ないのです。先ほどもお話したように、犬がとる行動はほとんどが犬にとっては自然な行動。人に対するいやがらせではありません。

人と暮らす上でのルールを分かってもらいたいと考えるなら、叱るしつけではなく、「ほめる」しつけで飼い主も犬もハッピーな生活を送れるよう、心掛けてくださいね。

 

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