犬の目やに、症状と原因を解説!考えられる病気と対処法は?

犬 病気23

犬と一緒に暮らしていると、程度の差こそあれ愛犬の目元に「目やに」を見つけることも多いですよね。

少量の目やにがついているだけであれば心配することはありませんが、大量の目やにがついておりそれらを放置していると重大な病気を引き起こす原因になることもあります。

この記事では、犬の目やにに関する、症状・原因・対処法についてまとめました。

犬の目やにの正体と気になる色は?

犬の画像
犬の目やには、老廃物や目の表面についたホコリなどのゴミが涙や老廃物と共に流れ出て目の周りで固まったものです。

目やにの色が「茶色」「黒色」「グレー」「白色」であれば特に心配はいりませんが、目やにが大量に出ていたり、「黄色」「緑色」の場合は感染症を罹患している可能性が高いです。

犬の目やにが増える原因は?

犬の目を拭く画像

目やにの原因

流涙症
角膜炎・結膜炎
犬ジステンパーウイルス感染症
眼瞼外反症

流涙症

涙の通り道である「涙管」が詰まることで、流涙症になります。

上手く排出されずに目の周りに溢れた涙が目やにになるため、涙が溢れる症状に気付いたら流涙症かもしれません。

流涙症による涙やけを起こす可能性がありますので、注意が必要です。

アレルギー

食べ物や花粉、ノミダニなどが原因で起こるアレルギーが原因になり目やにが増えることがあります。

皮膚に炎症が起こり、目をしきりに気にするようになり目の周辺が赤くなります。結果、結膜炎につながり目やにや流涙症になることがあります。

角膜炎・結膜炎

角膜炎や結膜炎になると、炎症が起きるため涙の量が増えます。

スムーズに排出できないほどたくさん涙が出ることで目から溢れてしまい、目やにになります。

犬ジステンパーウイルス感染症

ワクチンを接種していれば軽い呼吸器症状で済みますが、ワクチン未接種だったり、子犬、老犬、病後などは感染の初期症状として目やにが出ることがあります。

犬ジステンパーウイルスは特効薬がないため、対症療法の治療がメインになります。感染しないようにワクチン接種をしましょう。

眼瞼外反症

眼瞼外反症はまぶたが外にめくれ上がる病気です。涙がうまく排出されにくくなり常に目が潤んだ状態になります。

涙が増えることで流涙症になった結果、目やにが出来やすくなります。

また、まつ毛の生え方の異常(逆さまつ毛や異所性睫毛)によって目やにが増えることも。愛犬の目の様子を日頃から確認して、しきりに気にしていないかなどチェックしておきましょう。

目やに関係がある病気を発症しやすい犬種は?

涙やけがある犬の画像
目やにを発症しやすい特定の犬種はいませんが、「流涙症」「角膜炎」「眼瞼外反症」になりやすい犬種は注意が必要です。

流涙症になりやすい犬種

「マルチーズ」「トイプードル(白)」「シーズー」などの毛色の白っぽい犬種が発症しやすいです。

角膜炎になりやすい犬種

眼球の表面積が多い「パグ」「ラサアプソ」「ペキニーズ」「シーズー」などの犬種がかかりやすいとされます。

白内障になりやすい犬種

「トイプードル」「ミニチュアシュナウザー」「アメリカンコッカースパニエル」「ゴールデンレトリバー」「ボストンテリア」などがかかりやすいとされます。

眼瞼外反症になりやすい犬種

顔の皮膚が生まれつき弛んでいる「セントバーナード」「ブルドッグ」「コッカースパニエル」などがかかりやすいとされます。

目やにが増える病気を発症してしまった場合の対処は?

犬に目薬を差す画像

流涙症

流涙症の症状がみられたら、できるだけ早く動物病院へ行き診察を受けることが大切です。

目の洗浄や点眼治療が主な治療法ですが、長い被毛が原因と診断された場合はトリミングでカットで被毛が目に入らないようにします。

角膜炎・結膜炎

角膜炎は、「抗生物質や抗炎症剤の投与」「犬用コンタクトレンズの装着」「外科手術」が主な治療法です。

結膜炎は、ゴミや花粉、シャンプーなどの異物が目に入らないように注意することが対策になります。ウイルスや細菌への感染に対処するワクチンを定期的に接種することも大切です。

白内障

症状が早期段階であれば、進行を遅らせるための「点眼」や「内服薬」で治療できますが、進行してしまった場合は手術をしなければなりません。

白内障は早期発見が大切なので、詳しくはこちらの記事をご確認ください。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
もし白内障になってしまったら、視界が悪くなるため、家の模様替えを控えるようにしましょう。また、ぶつかったら危ない角にはガードを付けるなど二次的な怪我の防止に努めましょう。

犬ジステンパーウイルス感染症

犬ジステンパーウイルス感染症に有効な治療法はありません。

抗生物質を投与して二次感染を起こさないことが大切なので、異変を感じたら出来る限り早く動物病院へ行き医師の診察を受けてくださいね。

眼瞼外反症

角膜炎や結膜炎を発症している場合には、その治療を優先的に行います。

症状が重篤化している場合は、まぶたの弛んだ部分を外科手術で取り除かなければなりません。

愛犬の目やにが気になるときの検査方法は?

犬の目を検査する様子の画像

検査

目の状態を確認
涙液量検査
フルオルセイン検査

目の状態を観察

目の状態を観察して、涙や老廃物などが多く出ている原因を探します。

まつ毛が通常と異なる場所から生えていないか、逆さまつ毛になっていないかなどを確認します。

涙液量検査

まぶたの下に「シルマーティアーテスト(STT)」と呼ばれるろ紙を入れて、一定時間でどれだけ涙がしみこむかを確認します。

1分間に15mm以上が正常値とされています。ですが、それを大幅に超えると流涙症と判断することもあります。

フルオルセイン検査

フルオルセインという緑色の液体を犬の目に点眼します。

正常であれば涙で洗い流され数秒で元に戻るので、涙管がきちんと機能し涙が排出されているかを確認します。

傷があると傷ついている箇所が緑色に染まります。

目やにの量や色の異常を確認したら動物病院へ!

涙焼けがある犬の画像
目やにが気になるときは、ぬるま湯につけたハンカチやタオル、コットン、ガーゼなどでふやかしながら拭き取りましょう。

目やにを放置しておくとまぶたが炎症の原因になるので、毎日のお手入れの一つとして行うのがおすすめです。

目やにの量が増え涙が溢れているような様子が見られたら、何かしらの目の病気・傷が原因になっていることがほとんどだといえます。なるべく早く動物病院へ連れて行きましょう。

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