ヨークシャテリアの寿命、かかりやすい病気は?季節ごとの注意点も紹介

ヨークシャテリア6
愛玩動物看護師
監修者:渡邉鈴子

栃木県生まれ。帝京科学大学にて4年間、動物看護学をはじめとした動物関連の科目を学び、2023年5月には愛玩動物看護師免許を取得。これまでにうさぎや猫の飼育経験あり。現在では、ペット栄養管理士の資格取得に向けて勉強中。

愛らしい見た目と勇敢な性格から人気の高いヨークシャテリア。ヨーキーの愛称でも親しまれているイギリス原産の犬種です。

この記事では、ヨークシャテリアの平均寿命やかかりやすい病気、被毛のケアなど健康管理についてまとめました。

 

ヨークシャテリアの平均寿命ってどれくらい?人間の年齢だと?

ヨークシャテリア
ヨークシャテリアの平均的な寿命は、14〜16年程といわれています。

人間の年齢に換算すると、72〜80歳程となるので、長寿な犬種といえますね。

 

ヨークシャテリアのかかりやすい病気は?

犬_ヨークシャテリア
犬種によってかかりやすい病気というものがあります。今回は、ヨークシャテリアがかかりやすい病気をご紹介します。

 

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼は、膝の骨である膝蓋骨が脱臼してしまう病気で、発症すると犬は足をつったような歩き方をするようになります。先天的にも後天的にも発症します。ヨークシャテリアのような小型犬は内側に脱臼をしてしまう、「内方脱臼」が多いです。

自然に治ることが多いですが、一度脱臼してしまうと再発しやすくなります。症状が重くなると骨が変形してしまいます。

グレードが1~4まであり、グレード2以上であれば手術を行うことがあります。

「歩き方がおかしいな?」と感じたら早いうちに獣医に連れて行ってあげてください。ヨークシャテリアは性格が活発な分、動きまわって関節を痛めてしまうことがあります。高いところから飛び降りてしまうと危険ですので、注意をしてあげてください。

 

気管虚脱

気管が変形して呼吸がしにくくなるのが「気管虚脱」です。主に高齢や肥満の小型犬に多く発症します。

気道が閉塞を起こすため、呼吸が苦しくなり、「ゼーゼーとあえぐ」「乾いた咳を出す」という症状があらわれます。重度になるとチアノーゼを起こしたり、失神することがあります。

先天的な原因のほか、肥満によって発症しやすくなるといわれています。肥満にならないよう、ヨークシャテリアの体重管理には気をつけてあげてくださいね。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
チアノーゼとは、血液中の酸素がなくなり、皮膚が紫色になることです。犬では、口の中の粘膜の色で判別することができます。

 

水頭症

脳内に「脳脊髄液」が蓄積することで、神経症状が現れる病気です。ヨークシャテリアをはじめ、多くの小型犬に見られます。

初期は「ぼーっとして、活気がない」「異様に攻撃的になる」といった症状ですが、病気が進行すると「失明」「歩行障害」「痙攣発作」といった症状もみられるようになります。

水頭症には先天性と後天性があります。「脳炎」「腫瘍の発生」などの後天的な要因で水頭症になってしまうこともあります。

治療にはステロイドの投与や利尿薬を投与して内科的な治療を行ったり、シャント術を行うことがあります。

 

低血糖

血液中の糖分濃度が極端に低下する病気です。

食事不足や運動のしすぎ、すい臓の病気などが原因となって発症、「けいれんが起きる」「元気がなくなる」「ふらつく」などの不調が現れます。重度の低血糖になると脳に障害が残ったり、死亡することがあります。

治療にはブドウ糖液を投与します。

 

その他にかかりやすい病気

かかりやすい病気として、他に「角膜炎」「肝性脳症」もあげられます。

日頃から異常がないかチェックをするとともに、定期検診に連れていくことをおすすめします。

 

仔犬期にかかりやすい病気は?

ヨークシャテリア

子犬の時期に気をつけたい病気が「環軸不安定症」です。

頭部の回転に関する役割を担う首の骨(頸椎)の環椎(第一頸椎)と軸椎(第二頸椎)の関節が不安定になることで、「首の痛み」や「歩行異常」「四肢の麻痺」「排尿障害」や「呼吸異常」等の症状がみられる病気です。

先天性の場合が多いですが、外傷による骨折や靭帯剥離などでも発症することがあります。歩行などに異常を感じたらすぐに動物病院に連れて行ってあげてください。

 

老犬期にかかりやすい病気は?

ヨークシャテリア

老犬期に気をつけたい病気が、急性膵炎です。

急性膵炎は、膵臓が炎症を起こす疾患で、偏った食事や肥満、高脂血症が原因です。症状は激しい嘔吐・下痢や腹痛が主な症状です。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
膵炎の時に見られる特徴的な姿勢があります。それは祈祷姿勢(お祈りのポーズ)です。この姿勢をしていたら膵炎になっている可能性があるため、早急に動物病院を受診することをおすすめします。

 

ヨークシャテリアの長生きする秘訣は?

ヨークシャテリアは、小型犬特有の繊細な体と、寂しがり屋な一面を持っています。

日頃からスキンシップを多くとることでストレスが減り、体調のチェックもできます。

当たり前のことのように思えますが、多く触れ合いを持つことがヨークシャテリアの寿命を延ばす秘訣といえますよ。

ヨークシャテリアの日々のお手入れや健康チェックの方法は関連記事をご確認ください。

 

ヨークシャテリアの季節ごとの注意点は?

ヨークシャテリア

ヨークシャテリアとの暮らしで日々変化する気候や気温、特に季節によって気を付けてあげたいこともありますよね。

四季に合わせた注意点を、主にフードの関係からお伝えしますね。

 

春に注意するべきことは?

食欲が旺盛になってくる季節ですが、与えすぎは禁物ですよ。消化不良を起こす危険性がありますし、肥満になってしまうケースもありますよ。

また梅雨時は、食べ物が傷みやすい時期です。食べ残しはすぐ片付けるなど対策をしてカビなどを生えさせないように心がけてくださいね。

 

夏に注意するべきことは?

暑さのあまり動かない為エネルギーの消費量が減少しつつあります。夏バテといかないまでも、食欲が落ちる傾向にあります。

暑い昼間を避けできる限り朝や夕方など過ごしやすい時間帯に餌を与えてあげてくださいね。

 

秋に注意するべきことは?

夏の気温などに耐え、消耗してしまった体力の回復や冬に備え寒さへの抵抗力をつける必要があります。

栄養不足には気をつけなければなりませんが、肥満には注意が必要ですよ。

 

冬に注意するべきことは?

寒い時期となりますよね、体温維持を図るため、食事量を増やす、カロリー摂取を十分にできるようにしてあげたいですよね。

 

まとめ

愛犬との生活をより長く濃密なものにするためには、日頃の健康チェックはもちろん、季節ごとの適切なケアも大切です。

内容を参考にして、愛犬との生活をより充実したものにしてくださいね。

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