スコティッシュフォールドがかかりやすい病気は?

スコティッシュフォールドは折れた耳と丸い顔、人懐っこい性格でとても可愛く人気のある猫です。これから家族に迎えたいと考える人もいるのではないでしょうか。そんなスコティッシュフォールドですが、実は病気にかかりやすい猫でもあります。

この記事では、スコティッシュフォールドがかかりやすい病気についてまとめました。

 

遺伝性骨形成異常症とは?

猫 スコティッシュフォールド 素材 子猫

遺伝性骨形成異常症はスコティッシュフォールド特有の遺伝性疾患です。スコティッシュフォールドは、スコットランドで発見された突然変異の垂れ耳の猫がルーツになっています。そのため軟骨に異常が出ることが多く、関節や骨格など耳以外の部位に異常が出てしまうことがあるのです。

目に見える変化として「骨瘤(こつりゅう)」と呼ばれるコブができてしまう場合があります。後ろ足の関節に発症することが多く、強い痛みを伴うため、歩行困難になることもありますよ。

他にも鼻に異常が起こると鼻血が出やすくなったりもします。治療は鎮痛剤で痛みを抑えたり、放射線療法などで進行を抑制するといった対処療法が中心になります。

遺伝性骨形成異常症は、子猫のうちに発症するケースが一般的です。成長と共に骨が固まって徐々に進行が停まっていくことで症状がやわらぐ場合が多いですが、関節の変形は元に戻りません。成長しても変わらずに症状が継続して進行する場合や、成猫になってから発症することもあります。痛みなど苦痛を伴う場合も多いので早期に発見治療するようにしたいですね。

骨瘤について詳しく知りたい方はこちら。

 

スコティッシュフォールドの耳の病気

スコティッシュフォールド

耳の病気

  • 外耳炎
  • 遺伝性難聴

折れた耳はスコティッシュフォールドのチャームポイントです。しかし、それが原因で起こる耳の病気もあることを知っておきましょう。外耳炎には日頃のケアが大切ですよま。

 

外耳炎

外耳炎は、外耳道に炎症が起こった状態のことで、要因は様々です。主な原因として、「寄生虫」「耳垢や被毛などの異物」「細菌や真菌など菌による感染」「アレルギー」などが挙げられます。頭を振る、耳を気にする、耳垢が増える、耳に臭いがあるなどの症状がある場合は、外耳炎の疑いがあるので一度病院で診てもらうと良いですよ。

原因や進行度にもよりますが、耳の洗浄や塗り薬や飲み薬での治療が主になります。普段から定期的に耳を掃除して清潔に保つことが大切です。折れ耳のスコティッシュフォールドは、耳の中に湿気がこもりやすいため、耳のチェックは欠かさずおこなってあげると良いですよ。

 

遺伝性難聴

スコティッシュフォールドの遺伝性疾患のひとつに難聴があります。難聴とは音が聴こえにくい状態です。呼びかけても反応しない場合は、難聴の可能性が考えられます。

スコティッシュフォールドの特徴でもある折れ耳は軟骨形成異常なので、耳道に奇形などの異常が発生することにより先天的な難聴が起こりやすいのです。

直接命にかかわる病気ではありませんが、音が聴こえないことで危険察知が遅れてしまいます。また、呼んでも聴こえないので猫を探す時にも大変ですよ。難聴かどうかを判断するのは難しいですが、反応が遅いなど気になることがある場合は獣医師さんに相談してみるといいかもしれません。

 

スコティッシュフォールドの目の病気

スコティッシュフォールド

目の病気

  • 眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)
  • 白内障

猫がかかりやすい目の病気もいくつかあります。早期の発見と治療で、重度の視覚障害を防いであげてくださいね。

 

眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)

眼瞼内反症は、まぶたが内側に向かって反り返る病気です。反り返ったまぶたが眼球に接触してしまいます。まばたきで角膜を刺激し、角膜炎や結膜炎を起こすことがあります。

刺激により、涙や目やにが増えたり、猫が目を気にしてこすろうとするようになります。遺伝やまぶたの痙攣(けいれん)が主な原因と言われています。

治療法としては、手術による余計な皮膚の除去や縫合でまぶたを整形するのが一般的です。角膜炎などが起こっている場合はそちらの治療も行いますよ。

 

白内障

白内障は、目のレンズである水晶体が白濁する病気です。初めは目の中にもやがかかったようになり、徐々に白くなっていき視力が低下してしまいます。両目に発症すると、段差につまづいたり、家具や柱にぶつかったり日常生活に支障をきたすことがあります。

初期の場合、点眼薬や投薬治療で進行を遅らせます。進行している場合、手術で水晶体を除去して人工レンズを入れるといった処置もあります。ただ、設備や技術が必要なことから処置が行われるのは珍しく、手術をしても視力回復が難しい場合もあります。

スコティッシュフォールドは、遺伝性の先天的な白内障にかかりやすい猫種というわけではありません。しかし、外傷、目の炎症、糖尿病が原因で後天的な白内障にかかることは考えられます。室内飼育をして喧嘩による外傷を避けることが、白内障の対策にもつながりますよ。

 

スコティッシュフォールドの内臓の病気

スコティッシュフォールド

内臓の病気

  • 肥大型心筋症
  • 腎不全
  • 尿路結石症

スコティッシュフォールドは、遺伝的に内臓の病気になりやすいことがあります。また、猫は飲水量が少ないので、腎臓や膀胱の病気にも注意が必要です。命に関わる場合があるので、下記の症状などを参考に、気になることがあれば一度病院で診てもらうことをおすすめしますよ。

 

肥大型心筋症

肥大型心筋症は、心筋が内側に肥大して厚くなる病気です。心臓の動きが悪くなり、血流が悪化することで血栓ができたり、呼吸困難になったりすることがあります。

初期症状があまりないので、早期での発見は難しいのですが、進行すると「元気がなくなりぐったりする」「動きたがらない」「咳をする」「呼吸が荒くなる」「食欲がなくなる」などの症状が現れるようになります。

血栓が後ろ足に移動すると麻痺を起こしたり、ひどくなると失神や突然死にもつながる恐れがあります。できるだけ早い段階で発見し治療を行うべきですよ。治療は投薬などによる症状の緩和・維持になります。

遺伝性が高いため、これといった対策はありませんが、栄養バランスの良い食事を与えること、あてはまる症状があれば早めに受診することが大切ですよ。

 

腎不全

猫はあまり水を飲まないため、腎臓病にかかりやすいと言われています。腎臓は老廃物をろ過して尿に排出する働きをしています。

腎臓病になると腎臓組織が破壊されていき、腎臓のろ過機能が弱ってしまいます。進行して腎不全になると、老廃物の排出がうまくできず、尿毒症など危険な状態になってしまうことがあります。

症状としては、多飲多尿、食欲がなくなる、嘔吐・下痢、体重の減少、脱水症状が見られるようになります。特に水をたくさん飲んで、薄い尿を頻繁にするようになったら、早めに病院に連れていきましょう。

食事管理をすることで、腎臓病になるリスクを減らすことができると考えられます。普段から腎臓に負担をかけない食事を心がけるようにしてくださいね。

 

尿路結石症

尿路結石は、腎臓や膀胱、尿道などに結石ができる病気です。結石には、マグネシウム由来のストルバイトとカルシウム由来のシュウ酸カルシウムがあり、これらは結晶化し結石を作ります。特に尿道の狭いオス猫に多いといわれています。

猫は痛みを我慢する傾向にありますが、「尿の量が少ない」「排尿姿勢をとっても出ない」「頻繁にトイレに行く」「血尿など尿の色がおかしい」「おなかを触ると痛がる」などの症状が見られます。尿が出なくなると尿毒症など危険な状態に陥ることもあるので、日頃から様子を見て早めに気づくことが重要です。

一般的な原因は食事の偏りによって尿のpHバランスが崩れることにあります。食事管理によって対策できますよ。

 

スコティッシュフォールドの折れ耳同士の交配で病気にかかりやすくなる?

猫 スコティッシュフォールド

スコティッシュフォールドの交配には注意が必要です。特に折れ耳同士の場合は遺伝性疾患のリスクが高まるため、交配は避けなければいけません。

病気リスクを減らすためにも、スコティッシュフォールドはアメリカンショートヘアやブリティッシュショートヘアとの交配が推奨されています。病気になりやすい猫種なので、交配は正しい知識を持って行うべきですよ。

子猫を購入する時には、親の情報などを確認して、どのような交配が行われているのかを知ることも大切です。

 

病気の知識が大切

猫 スコティッシュフォールド

スコティッシュフォールドはとても人気のある猫種ですが、その可愛さには病気のリスクを伴うことを知ることが大切です。

信頼できるブリーダーから子猫を譲ってもらうようにし、かかりやすい病気の知識を持って普段から健康管理に気をつけてくださいね。

あらかじめ病気について知っておくことで、発症してしまった場合にも早めの対応が可能になります。長く一緒に生活するためにも、できることをしてあげてくださいね。