本当に愛犬に飲ませていいの?牛乳や水素水など飲み物12種類を徹底調査!

水道水

毎日一緒に暮らす愛犬にはいつまでも健康でいてほしいですよね。飲み物についても身体に害がないことはもちろん、できる限り健康に良いものを与えたいのが飼い主さん心といえます。

人間にとっては当たり前の飲み物でも犬にとっては健康を害する原因となってしまうものがあることは事実ですよ。今回の記事では、人間にとって定番な飲み物12種類について、愛犬に与えても良いかどうかを科学的な根拠から徹底調査しています。ぜひ参考にしてくださいね。

 

愛犬に牛乳は与えても良い?

牛乳

牛乳には骨を強化する成分の1つである「カルシウム」が多く含まれています。

カルシウムは愛犬の骨の健康に大切な役割を果たしますが、牛乳を愛犬に与えることは避けるべきです。犬に牛乳を飲ませると高確率で下痢をしてしまうからです。

牛乳には「乳糖」という糖分が大量に含まれています。乳糖は通常体内で「ラクターゼ」という酵素によって分解されますが、成犬の体内にはラクターゼが少ないのです。

体内のラクターゼが足りないと乳糖の分解ができず、「乳糖不耐症」という状態を引き起こしてしまいます。乳糖不耐症の犬は分解されずに溜まった乳糖の影響で、大腸内の水分が増加して下痢を起こすのです。

犬は成長につれて体内のラクターゼ量が減ってしまう動物です。成犬に牛乳を飲ませると分解されない乳糖がお腹にたまり、下痢を起こしてしまうのです。

 

代替品はある?

乳糖が少ない「ペット用ミルク」や、乳糖が分解されている「無糖ヨーグルト」などは与えても問題ありませんよ。人間用の牛乳はまず与えないほうがよいです。

 

愛犬にミネラルウォーターは与えても良い?

ミネラルウォーター

ミネラルウォーターは、含まれるカルシウムとマグネシウムの合計量(硬度)によって、「硬水」と「軟水」にわけられます。

 

硬水

一般的に犬に硬水のミネラルウォーターはあまり与えないほうが良いとされています。カルシウムやマグネシウムが尿道で固まってしまう「尿結石」の原因になると考えられているからです。

ただ、水道水が硬水であるヨーロッパでは日常的に愛犬に水道水を与えていますが、「尿結石」の発病率が日本よりも高いというデータは存在しません。

硬水と「尿結石」に直接的な関係はあまり無いのではという意見もありますよ。念のため硬水のミネラルウォーターは避けることが得策といえますね

 

軟水

軟水のミネラルウォーターは硬水と違って硬度が低いため、安心して愛犬に飲ませることができますよ。愛犬の飲み物としておすすめできる水です

 

愛犬に水道水は与えても良い?

水道水

水道水は、ほとんどの飼い主さんが愛犬に与えたことがあるのではないでしょうか。

消毒のために使っている塩素が不安と感じる方もいるかと思われますが、日本の水道水は世界でもトップレベルの品質であり、各地の水道局によって十分に管理がされています。基準として、一定量の塩素の残存が定められいますよ。

積極的に飲ませても大丈夫ですよ

浄水器を通したり汲み置きをしたり、煮沸をしたりすればさらに安心ですね。ただ、地域によっては井戸水や硬度の高い水道水の場合もあるので注意してくださいね。

 

愛犬に水素水は与えても良い?

水素

近年爆発的に流行している水素水。「活性酸素を除去してくれる」「生活習慣病になるリスクを減らす」などが期待されています。

しかし、水素水には科学的根拠はありません。具体的には「水素水を飲んだことにより、有効な量の水素分子を体内に吸収することができるのか」「水素水から摂取した水素分子が本当に作用を発揮するのか」という点が証明されていないのです。

国立健康・栄養研究所も「ヒトへの有効性・安全性について信頼できるデータは無く根拠は無い」という旨の発表をしています。

避けるべきものではありませんが、作用が証明されていないため与えなくても良いのではないかというのが結論です

 

愛犬にコーヒーは与えても良い?

コーヒー

コーヒーには「カフェイン」が多量に含まれています。

カフェインは自律神経を刺激する作用があり、「興奮する」「眠れなくなる」「めまいがする」などの症状の発生確率を高めてしまうとされています。おしっこの頻度が多くなる作用(利尿作用)も有することから、膀胱炎のリスクになるともいわれていますよ。

犬は人と比べて代謝も早く、体重も少ないことからカフェインの作用が強く出てしまいます。

また、愛犬がカフェイン中毒になってしまうと大変です。カフェインの興奮作用から元気がでているだけのようにもみえてしまうことから、発見が遅れやすい特徴があります。

少量を誤飲した場合には心配いりませんが、意図的にコーヒーをあげることは避けるべきですよ

 

愛犬にお茶は与えても良い?

素材

お茶には「カフェイン」と「タンニン」という成分が含まれています。

カフェインが含まれるため、コーヒーと同様に摂りすぎると「興奮する」「呼吸が早くなる」「眠れなくなる」などの症状が出ることがあります。さらには痙攣(けいれん)を引き起こすこともまれにあります。

タンニンは苦みや渋みの成分です。摂りすぎると便秘を起こしやすいので注意が必要ですよ。上記の理由から、愛犬にお茶は少量であれば飲ませても良いですが、大量に与えるのは避けるべきといえます

お茶の中でも「麦茶」には、一般的にカフェインとタンニンが含まれていないので例外として飲ませることができますよ。ただし、無理に飲ませる必要はありませんよね。

 

愛犬にココアは与えても良い?

ココア

ココアには「テオブロミン」というカカオ特有の成分が含まれています。

テオブロミンは人間にとっては害のない成分ですが、代謝の早い犬にとっては中枢神経を刺激する作用があり「消化不良」「脱水症状」「興奮」「心拍数の低下」を引き起こすことがあります。

摂取量が多量になると「てんかん発作」を起こし、死のリスクを伴うこともありますよ。

そのため愛犬にココアを与えることは避けてください。もし間違って飲んでしまった場合にも動物病院に連れて行くことが得策ですよ。

 

愛犬にお酒は与えても良い?

お酒

愛犬にお酒は与えるべきではありません

お酒に含まれるアルコールは、代謝が早くて人間よりも体重が圧倒的に軽い犬にとっては「猛毒」です。

犬は人間のように、アルコールを分解する酵素を持っていません。飲むと「ふらついて転倒」「呼吸困難」を引き起こしてしますことがあります。死に至ることも珍しくありません。

「酔っぱらっている姿がみたい」などの好奇心で与えることは絶対にしないでくださいね。

 

愛犬に栄養ドリンクは与えても良い?

栄養ドリンク

栄養ドリンクの主な成分は「アルコール」「カフェイン」「糖分」「アミノ酸」です。

栄養ドリンクに含まれるアルコールは微量ですが、お酒と同じ理由で猛毒となりうる成分です。カフェインについてもコーヒーやお茶と同様におすすめすることはできません。人間の栄養ドリンクを犬に飲ませるのは避けるべきだといえます

アルコールとカフェインの入っていない「犬用の栄養ドリンク」であれば、飲ませても問題はありませんよ。

 

愛犬にスポーツドリンクは与えても良い?

スポーツドリンク

スポーツドリンクには「糖分」や「電解質」が含まれています。糖分は特に多く含まれているので、過量に与えると肥満や糖尿病のリスクが高まります。

日常的にスポーツドリンクを主な飲み物として与えることは避けるべきです

ただ、「脱水症状がひどい場合」や「たくさん運動をして汗を流した場合」にはスポーツドリンクを与えることがおすすめです。すこし水で薄めてあげると良いですよ。

また「犬用のスポーツドリンク」であれば問題なく飲ませてあげてかまいません。

 

愛犬に炭酸飲料は与えても良い?

炭酸水

炭酸飲料には「炭酸水」と「炭酸ジュース」が含まれます。

 

炭酸水

炭酸水とは「炭酸ガス」が含まれている水のことです。炭酸を飲むと人間は「げっぷ」をしますよね。犬も同じで、食後に飲むと食べたものを嘔吐する可能性があります。

また炭酸は消化管への刺激が強いため、「消化性潰瘍」「炎症性腸疾患」を悪化させる原因になりやすいですよ。胃内に蓄積されたガスにより「腸捻転」を引き起こしたケースもあります。

直接健康を害する成分は入っていませんが、無理に与える必要はない飲み物です

 

炭酸ジュース

一方、炭酸ジュースは愛犬に与えないほうがよいですよ。炭酸に加えて「糖分」が多く含まれているからです。スポーツドリンク同様、肥満や糖尿病の原因となります。

 

愛犬に野菜ジュースや果実ジュースは与えても良い?

野菜ジュース

野菜ジュースや果実ジュースには「ビタミン」が豊富に含まれており、一見愛犬の健康には良さそうですよね。ただ「ジュース」なので糖分が多く含まれています。添加物も多く使用されていますよ。

また、犬は元々肉食動物であり、野菜や果物は摂取しなくても大丈夫なのです。科学的には愛犬に野菜ジュースや果実ジュースを与える必要は無いといえます

 

愛犬に積極的に与えたい飲み物は?

水道水

愛犬に積極的に与えたい飲み物

ミネラルウォーター(軟水)
水道水

今回12種類の飲み物を調査したところ、愛犬に積極的に与えたいのは「軟水のミネラルウォーター」と「水道水」の2種類です。

軟水のミネラルウォーターと水道水には余計な成分(添加物や糖分)が含まれていないため、毎日与える飲み物に適しているのです。

「水道水では少し不安!」という方は、浄水器を通した水を与えることをおすすめします。

愛犬に与えてもよい飲み物

ペット用ミルク
水素水
麦茶
犬用栄養ドリンク
犬用スポーツドリンク

また、愛犬に与えても害はないが、毎日与える必要のない飲み物は「ペット用ミルク」「水素水」「麦茶」「犬用栄養ドリンク」「犬用スポーツドリンク」の5種類です。

ただ、水素水は科学的根拠が薄いため、与えなくてもよい商品といえます。

麦茶は与えても良いですが、日常的に与えるには水道水やミネラルウォーターのほうが便利ですよね。犬用栄養ドリンクとスポーツドリンクは必要に応じて水に薄めて使用してくださいね。

 

愛犬に与えることを避けるべき飲み物は?

牛乳

愛犬に与えることを避けるべき飲み物

牛乳
ミネラルウォーター(硬水)
コーヒー
お茶
ココア
お酒
栄養ドリンク
スポーツドリンク
炭酸飲料

上記に示した9種類は、人間にとってはそうでなくても犬にとっては悪影響となる飲み物です。

少量であれば問題のないものでも日常的に与えたら身体に悪い場合もあります。特に「コーヒー」「ココア」「お酒」は急性中毒を引き起こして死に至ることもあります。

絶対に与えないように注意して、もし間違って飲んでしまった場合には動物病院に連れて行ってあげてくださいね。

 

根拠をもって、与える飲み物を選択しよう!

ベルジアンマノリア

人間と犬では体内の酵素量が違います。また、代謝のスピードや体重も違います。

「コーヒー」「ココア」「お酒」など、飼い主さんがおいしく感じる飲み物でも、愛犬からすれば猛毒である場合もあります。

大切なことは、犬が飲める飲み物についての知識をしっかりと身に付けることです。今回の記事ではなるべくたくさんの飲み物を網羅してあります。

知識がないと「愛情のつもりで愛犬に毒薬をもる」なんて間違いも起こりかねません。この記事で紹介した12種類以外の飲み物を飲ませるときには、ぜひ根拠をもって選択してあげてくださいね。

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