ヤマカガシの特徴や毒性、生息地は?飼育例はある?

ヤマカガシはナミヘビ科ヤマカガシ属の毒ヘビで、特定(危険)動物に指定されています。

陸のみならず水中で活動することも多く、アオダイショウやシマヘビに並び日本本土でよく見かける品種ですよ。

この記事では、ヤマカガシの特徴や毒性、生息地や飼育例についてまとめました。

 

ヤマカガシの特徴は?

ヤマカガシ

特徴

  • 大きさ:60~120cm
  • 体色:主に赤茶色

ヤマカガシの全長はおよそ60~120cmと、日本のヘビの中では中型にあたる大きさです。くりっとした大きな目と、細長い頭が特徴的ですよ。

体色は住む地域や個体によって大きく異なります。赤茶色の地色に黒いまだら模様がある個体や模様を持たない個体、さらには黒色や青色の個体も存在するので、見た目だけでは同種と判断することが非常に難しい場合があります。

 

ヤマカガシの毒性は?

ヤマカガシ

毒性

  • 出血毒

ヤマカガシは猛毒を持つヘビ種で、その威力はマムシの3倍、ハブの10倍といわれています。本種の毒牙は、他のヘビに見られるような口前方にある2本の長くて鋭い部分ではなく、奥歯に左右2本ずつの小さな牙から毒を出します。

毒には強い血液凝固作用があります。かまれた直後は痛みや腫れが比較的落ち着いていますが、毒が患部から血管内に入るとあちこちで血栓をつくります。その後は全身の止血作用が失われ、患部からの血が止まらなくなったり歯茎や肺細胞などの毛細血管から出血したりすることもあります。

非常に高い死亡率で、数日後に死亡するケースや脳内出血での死亡例が多く報告されています。

 

ヤマカガシの生息地は?

ヤマカガシ

主な生息地

  • 日本
  • 標高の低い場所
  • 水辺

ヤマカガシは日本固有種で、本州、四国、九州、佐渡島、隠岐島、壱岐島、五島列島、屋久島、種子島に分布しています。

「カガシ」は日本の古い言葉でヘビを意味しており、「山のヘビ」という名前ですが実際には平地や標高の低い山地に生息し、特に水辺・水田地帯・湿地などを好みますよ。

 

ヤマカガシはペットとして飼育できる?

ヤマカガシ

ヤマカガシは、動物愛護法によって「特定(危険)動物」に指定されているため飼育や保管には許可が必要です。日本でよく見られるヘビですが、勝手に野生の個体を捕まえて飼育することはできませんよ。

ヘビを飼育する際は、とぐろを巻いたときの3倍以上あるフタ付きの水容器やプラケースを設置は必須です。なるべく自然に近い環境を整えるように心がけてくださいね。

野生のヤマカガシは水場に好んで生息しているせいか、ヘビの餌として定番の「ネズミ」を食べる習慣がないようです。主な餌は「カエル」で、「ドジョウ」「ニホンカナヘビ」なども食べますよ。飼育下では金魚などの「魚類」を捕食した例もあります。

 

思いがけない問題児!?

ヤマカガシ3

ヤマカガシは臆病で大人しい性格なのであまり攻撃的でない印象を受けることもあり、長い間有毒であると知られていませんでした。本種は猛毒ヘビなので、野生下・飼育下に関わらず、くれぐれもかまれないように注意してくださいね。

特に脱皮前などはナーバスになっているので非常に危険です。「シャー」と威嚇をしていたら、気を荒立てないようにそっと距離を置くことをおすすめしますよ。