犬の熱中症、症状や対策法、おすすめグッズは?

  • 愛玩動物看護師
  • 監修者:渡邉鈴子
栃木県生まれ。帝京科学大学にて4年間、動物看護学をはじめとした動物関連の科目を学び、2023年5月には愛玩動物看護師免許を取得。これまでにうさぎや猫の飼育経験あり。現在では、ペット栄養管理士の資格取得に向けて勉強中。

犬は人間のように汗をかいて体温調節することができないため、体内に熱をため込みやすく、熱中症にかかりやすいです。犬の熱中症について、症状や対策を理解し、日頃から温度管理に気をつけて熱中症の対策をしましょう。

 

犬の熱中症、症状は?

犬_熱中症

犬は普段、「パンディング」と呼ばれる、早くて浅い呼吸を繰り返しながら、体温調節をしています。熱中症になると、呼吸は更に荒くなり、大きく舌を出して過剰によだれを垂らします。症状が悪化するとぐったりして、嘔吐や下痢になったり、目が充血してきたりします。ひどくなると痙攣が起きたり、意識を失ったりします。最悪の場合、うまく呼吸ができず、酸欠やショック状態になり、命を落としてしまいます。

 

犬の熱中症、対策は?

犬_シャンプー

熱中症と疑われる症状があれば、すぐに体を冷やしましょう。体に水をかけたり、保冷剤や氷を使って首や四肢のつけ根を冷やしたりしましょう。ただ、体温を下げすぎてはいけないので、タオルなどで調節しながら冷やしてくださいね。意識がある場合は水分補給も行います。スポーツ飲料を倍に薄めて与えると良いですよ。犬が朦朧としている場合、無理に飲ませるのはかえって危険なので控えてください。症状が良くなっても、循環器や臓器にダメージを受けている可能性があるので、急いで動物病院に連れて行きましょう。

 

犬の熱中症が起きやすい場所と対策グッズ

犬_車

色々な場所に犬が熱中症になる危険性が隠れていますが、特に注意が必要な場所と、簡単な対策をご紹介します。

車内

犬の熱中症は「車内での留守番」が一番多いと覚えておいてください。「それほど気温も高くないし、日陰で短時間なら大丈夫」と油断すると、犬を危険にさらしてしまいます。出かけるときは最低でも窓を開けておきたいところですが、なるべく車で留守番をさせるのは避けましょう。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
どうしても車内にお留守番をさせる場合は、クーラーなどを付けて空調を管理しましょう。

屋内

室内での留守番も、空調管理をしないと熱中症の危険があります。直射日光が当たるところにケージを置かないようにし、常に新鮮な冷たい水を飲めるようにするなどの工夫が必要です。ステンレス製の冷却ジェルを使った水飲みボウルや、吸熱する冷却クールマットなどの対策グッズを使うのもおすすめです。

真夏の散歩

真夏の気温が高い時間帯の散歩は、犬にとってはかなり過酷です。蓄熱されたアスファルトの上を歩くだけでも、熱を吸収してしまいます。できれば、気温が低い朝や夕方に、散歩に連れていってあげましょう。気温の高い時間帯に犬を外へ連れて出なければいけないときは、水に濡らしてあげ、ひんやり感を維持するためのベストや、保冷剤を入れて首回りにつけるバンダナなどの対策グッズを身につけさせてあげましょう。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
真夏のアスファルトは50~60℃になるといわれています。そのまま散歩をするとやけどをする可能性がありますので、できるだけ朝や夕方に散歩を行いましょう。

 

熱中症にかかりやすいのは子犬と老犬。犬種は?

犬_デブ_モシャモシャ

子犬や老犬は体力が少なく、体温調節もうまくできないので、注意が必要です。肥満や疾患を持っている犬も同様に注意が必要です。犬種でいうと、毛が多い犬種、生まれつき暑さに弱いシベリアンハスキーやセントバーナードなどの北方向きの犬種は熱中症にかかりやすいです。また、シーズー、ペキニーズ、パグ、ブルドッグといった鼻先が短い犬種は体温調節を行う呼吸がスムーズにできないため、注意が必要です。

 

犬の熱中症、対策法は?

犬_水

対策法として、室内の温度や湿度の管理を徹底し、愛犬が過ごしやすい環境を作ってあげることが大切です。また人間と同じで、水分をこまめに摂取することが大切です。散歩の前は必ず水を飲ませるようにしましょう。犬種にもよりますが、トリミングが可能なら、夏の間は短くカットしてあげるのもおすすめです。