犬の嫌いな音、匂いまとめ。嫌がるときの対策は?

柴犬
愛玩動物看護師
監修者:渡邉鈴子

栃木県生まれ。帝京科学大学にて4年間、動物看護学をはじめとした動物関連の科目を学び、2023年5月には愛玩動物看護師免許を取得。これまでにうさぎや猫の飼育経験あり。現在では、ペット栄養管理士の資格取得に向けて勉強中。

犬は人間とくらべて4倍の聴覚、100万倍以上の嗅覚を持っているので、人間が気にならない音や匂いにも不快感を覚えます。この記事では犬の嫌いな音やにおいの特徴と対策をまとめました。

嫌いな音や匂いを把握して、愛犬が快適に暮らせる環境を整えて充実した毎日を過ごしてくださいね。

 

犬の嫌いな音は?

ヨークシャテリア2

犬の嫌いな音

破裂音
雷の音
人工的な音

犬の嫌いな音は「破裂音」「雷の音」「人工的な音」の3種類です。

基本的に犬は大きな音を嫌がります。犬は音の「原因」を理解できないので恐怖心が煽られてしまうためです。

野生時代の「猛獣の唸り声」や「銃声」を思い出す個体も多く、上記3つの音は犬に心理的にストレスを与えやすい音なのです。

 

破裂音

「破裂音」は犬の嫌いな音の代表例です。「花火」や「爆竹」のような大きな破裂音は人間もびっくりしますが、犬にとっても不安やストレスの原因になります。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
たまに花火大会で犬を連れてきている飼い主さんがいますが、花火大会の時はお留守番をさせましょう。近距離で大きな音を聞くのはストレスがかかりますし、不安になるかもしれません。

 

雷の音

雷の音は犬にとって理解できないほど大きな音です。飼い主さんが怖がっていると、犬の不安が増してしまいますよ。

 

人工的な音

自然界に存在しない「掃除機」「バイク」「目覚まし時計」などの人工的な音も、犬の嫌いな音です。

特に掃除機の音には様々な周波数が含まれ、長い間鳴るので、犬が混乱して吠えることもあります。

 

犬が嫌がる音、対策は?

トイプードル2

破裂音・人工的な音の対策

なるべく音を聞かせない
音に慣れるトレーニングをする

雷の音の対策法

飼い主が怖がる素振りをみせない
安心できる場所を作る

破裂音、人工的な音の対処法

破裂音と人工的な音に関しては、犬がそばにいるときに音を出さないように気をつけてあげてください。

「ドアを強く締めないようにする」「掃除機をする時は別の部屋に移動させてあげる」など飼い主さんの心がけが大切です。

また、音に慣れさせるトレーニングも有効ですよ。ICレコーダーやスマホで掃除機の音を録音し、小音量でスピーカーから流してあげます。

音に我慢できたら愛犬が好きなご褒美を与えて、ほめてあげてください。少しずつ音への免疫がついていきますよ。

 

雷の音の対処法

雷は自然発生なので、聞かせないようにすることは難しいですよね。「飼い主が怖がる素振りをみせない」「犬が安心できる場所を作る」ことが大切です。

どうしてもそわそわした様子で歩き回るときは、そばにいって安心させてあげてくださいね。

 

犬の嫌いな匂いは?嫌がるときの対処法は?

犬

犬の嫌いな匂い

柑橘系の匂い
人工的な匂い
アルコールの匂い
タバコの匂い

犬の嫌いな匂いの代表例は「柑橘系」「香水」「アルコール」「たばこ」の4種類です。人間にとっては日常的な匂いでも、嗅覚が人間の100万倍ある犬にとってはキツイ匂いなのです。

 

柑橘系の匂い

柑橘系の匂いが嫌いなのは、果皮に含まれる「柑橘精油」という揮発物質が犬に不快感や刺激を与えるからです。

柑橘系の匂いは香水に使用されることも多く人間にとっては良い香りですが、犬にとっては刺激臭なのです。

 

人工的な匂い

「整髪剤」「制汗スプレー」「虫よけスプレー」など、自然界に存在しない匂いも犬は嫌います。

長い間、野生で生活をしていた犬にとって、嗅いだことのない匂いは危険で避けるべき対象なのです。

 

アルコールの匂い

犬はアルコールが苦手な動物です。ペロッと一口舐めるだけで酔ってしまいますし、嗅いだだけでフラフラになってしまうこともあります。

酔っ払って帰ってきた飼い主さんの「吐く息」や、「アルコール消毒後の手」などでも反応してしまうので、注意が必要です。

 

タバコの匂い

タバコの煙が嫌いな方は人間でも多いですよね。犬にとっても嫌いな匂いで、煙が喉や鼻を刺激するだけでなく、「アレルギー性鼻炎」になってしまう場合もあります。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
タバコの副流煙で肺がんや鼻腔がんになることもあるようです。できる限り愛犬のいない場所で吸って、愛犬の届かないところに吸殻を捨てたりタバコを保管するようにしましょう。

 

犬が嫌がる匂い、対策は?

犬が嫌がる匂いの対策

愛犬との接触を避ける

犬が嫌がる匂いは慣れていないからではなく、人間よりも鼻が効き過ぎるからです。

対策は音のように慣れさせようとするのではなく、完全に「匂いをかがせない」ようにしてあげます。香水をつけたりタバコを吸ったりした後は、なるべく接触を避けてくださいね。

特に「アルコール」や「タバコ」など愛犬の体に悪影響を及ぼす匂いは、かがせないよう心がけます。

酔っ払った状態で愛犬にベタベタすると、噛まれるケースもありますよ。アルコール臭が少しでもする場合は、接触を避けてあげてくださいね。

愛煙家の飼い主さんは空気清浄機を使用することをおすすめします。

 

犬が嫌がる匂い、しつけに活かせる?

フレンチブルドッグ

犬が嫌がる匂いは、しつけに活かすこともできますよ。例えば、「お酢」の匂いはトイレや噛み癖をしつける際に最適です。

空のスプレーボトルに水で薄めた酢を入れて使います。間違っておしっこをしてしまう場所に吹きかけてあげると、近寄らなくなりますよ。

苦手な匂いは愛犬によってさまざまなので、どの匂いを嫌がるのかを把握したうえで行うことをおすすめします。

「ストレスを与えない程度に行うこと」「タバコやアルコールは使わないこと」を注意すれば、問題ありませんよ。

 

嫌な音や臭いに気付いてあげてください

パグ

犬は聴覚と嗅覚が非常に発達しているため、気づかない内に、音や匂いからストレスを受けている場合があります。犬が嫌がる音やにおいを参考にして、愛犬と快適に暮らせる環境を作ってあげてくださいね。

 

関連記事