タゲリの特徴は?生態や分布、鳴き声は?

タゲリはチドリの仲間で、トレードマークの立派な頭の羽や猫のような鳴き声など、唯一無二の独特な魅力があります。現在は個体数が少ないため、貴重な鳥となっていますよ。

この記事では、タゲリの特徴、生態、分布、鳴き声についてまとめました。

 

タゲリの特徴は?

タゲリ
大きさ 32cm
外見の特徴 反り返った長い冠羽
光沢感のある羽色
3本の黒いアイライン

タゲリの大きさは全長32cm、翼を広げた大きさ(翼開長)は約72~84cmほどです。ハトと同じくらいの大きさですね。

長く反り返った黒い冠羽(頭頂の羽)が特徴的ですね。くちばしは濃い灰色で顔や喉は白く、3本の黒いアイラインが入っていますよ。

尾の下側はオレンジ色で腰と腹部は白く、胸は黒色をしています。緑色に光る羽は背面はダークグリーンですが、光の加減によっては光沢のある紅色にも見えますよ。しっぽは黒く、足は赤いです。

見た目や彩色などが独特なので、野鳥の観察に慣れていなくても簡単に見分けることができますよ。

 

タゲリの生態は?

タゲリ

生態

  • 突発的な動作
  • 繁殖
  • 動物食

突発的な動作

激しく歩いたり走り回ったりしている時に急に立ち止まって、首をヒョイと上下させたりします。飛んでいる時に急降下することでトビなど空の天敵を退治することもありますよ。

 

繁殖

地面を足で浅く掘り、体をこすりつけるようにして地面をくぼませた土台に枯れ草などの巣材を敷いて巣を作ります。

1度に産む卵の数は約4個で、主にメスによる約25~28日の抱卵を経て孵化しますよ。ヒナは生後わずか半日で巣を離れ、35~40日で飛ぶことができるようになります。

 

動物食

タゲリの食性は動物食で、主に「昆虫」や「ミミズ」「貝」などを食べています。たまに草の実を餌にすることもありますよ。

採餌方法は「餌を採っては数歩歩く」を繰り返すチドリ型で、片脚を前に出して地上を叩くような採餌もしばしば行います。

 

タゲリの分布は?どこに生息している?

タゲリ

タゲリはヨーロッパや中央アジア・シベリア南部・モンゴル・中国東北地区などで繁殖し、冬季になると南へ移動して越冬する個体もいます。

日本には冬鳥として渡来し、主に水田の刈跡や湿地・河岸などに生息していますよ。

 

タゲリの鳴き声は?

タゲリ

タゲリは、繁殖期になると「クィックウィー」「プィーウィー」などと、大きな声で地鳴きをします。秋や冬には、飛び立つ際に「ミューウッ」や「ミャー」という猫のような声を出しますよ。

 

タゲリの個体数が減少している

タゲリ

かつて、タゲリは卵も含め食用でした。しかし近年、世界的に個体数が減少しているため国際自然保護連合(IUCN)によって本種の採取が禁止されました。日本各地でも(準)絶滅危惧種や希少野生生物に指定されています。

タゲリには、トビやカラス、猫やイタチなど、上空にも地上にも襲われる危険性があります。安全な生息地への配慮など、外敵からタゲリを守る対策が必要ですね。