カワウの特徴は?生態や分布、鳴き声は?

カワウはカツオドリ目ウ科に分類される野鳥です。

川に潜って魚を捕ることから、「川(かわ)にいる鵜(う)」と名付けられました。

この記事ではカワウの特徴や生態、分布、鳴き声についてまとめました。

 

カワウの特徴は?

カワウ1

大きさ

  • 全長:81cm

外見の特徴

  • 全身が黒色の羽毛
  • かぎ状のくちばし
  • 指の間に水かき

カワウは成鳥の全長が80cmを超える大型の野鳥です。オスとメスの全身は黒色で、背や翼は暗い黃赤色をしています。繁殖期には頭部と腰の両側が白くなり、「繁殖羽」とよばれています。

くちばしは付け根あたりが黄色で特徴的ですよ。先端はかぎ状で、捕らえた魚をがっちりとくわえて逃がさないよう進化しています。

足の指の間には水かきがあり、上手に泳ぐことができますよ。

 

カワウの生態は?

カワウ2

生態

  • コロニーを形成する
  • 潜水して魚を狩る
  • 繁殖はオスメス共同

 

コロニーを形成

カワウは数十羽から数千羽にまで及ぶ群れで行動し、それぞれが密集して「コロニー(集団繁殖地)」を形成します。群れでの移動時は、V字型に隊列を組んで飛びます。

 

潜水して魚を狩る

カワウは水辺で多くの魚を狩ります。

水かきを使って、水深10mも潜ることができますよ。時には1分以上潜水することもある泳ぎの達人なのです。

 

繁殖はオスメス共同

カワウは1年に2回繁殖を行います。ピークは2~4月と9~11月ですが個体差がありますよ。

繁殖期に入り、つがいになったオスメスは共同で巣作りをします。オスは水辺に生えている草木の枯れ枝などを運び、メスが巣作りしていく分業制をとっていますよ。

 

カワウの分布は?どこに生息している?

カワウ3

カワウはヨーロッパ、アフリカ、アジア、オーストラリア、北米、オセアニアなど南米以外の世界中に広く分布しています。

日本では東北地方以南の地域でその姿を見ることができます。内湾や河川、湖沼などといった水辺に生息し、魚を捕食します。

 

カワウの鳴き声は?

カワウは「グルルルル」、「グワワワワ」と喉を震わせながら鳴き、時には「グワッグワッ」と短く鳴きます。コロニー以外では鳴くことはほとんどありません。

 

かつては絶滅の危機に

カワウ4

カワウは、今でこそバードウォッチャーの間ではポピュラーになりましたが、1960年代にはその数が2000羽程度しか数がいなかったこともあったようです。

現在は公害規制などによる水質の向上によりえさである魚の数が増え、その個体数は増加傾向にあります。首都圏だけで数万羽と、増加が著しい鳥でもあります。

春から夏は沿岸部、秋から冬は内陸部の河川で早朝に餌を狩り、夜間は行動しません。カワウの大群を観察するなら、朝方から昼間までの時間帯がおすすめですよ。