黒とオレンジのコントラストがとても美しいアトリは、スズメ目アトリ科に分類される鳥です。
名前の由来は大群をなして移動するという意味から「集鳥(あつとり)」と呼ばれていたものが訛ったものだとされます。木に止まる姿がまるで花が咲いているかのように見えることから漢字では「花鶏」と書きますよ。
この記事ではアトリの特徴や生態、分布、鳴き声をまとめました。
アトリの特徴は?
大きさ | 16cm |
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外見の特徴 | 赤茶色をした頭部と背中 |
オレンジ色の喉と胸 | |
M字のしっぽ |
アトリの大きさは16cm程度で、スズメよりはやや大きいサイズです。
オスの冬羽は喉から胸にかけてと風切羽の縁がオレンジ色です。頭部から背中に欠けては赤茶色をしており、お腹としっぽの下側は白く、脇には黒いまだら模様がありますよ。夏羽になると、頭部から体上面にかけては光沢のある黒色に変わります。
メスの冬羽は頭部が灰色みを帯びた茶色であり、黒い頭側線が入っています。背中は黒く、オレンジ色のまだら模様がありますよ。喉と胸元はオスと同じようにオレンジ色ですが、オスに比べると淡くなっています。夏羽は、頭部のオレンジ色が濃くなります。
アトリの生態は?
生態
- 群れで行動
- 雑食
- 繁殖
群れで行動
アトリは群れで行動します。
冬になると数百羽から数十万羽、時には百万羽以上になることもあります。大群で飛来してくる姿は壮観ですよ。冬の枯れ木にアトリの大群が止まった姿は、本当に花が咲いたかのように見えます。
雑食
アトリは雑食性の鳥です。
群れで農耕地にやってきて、落ち穂などの種子や果実、昆虫などをついばみ採食します。春先には桜などの花芽も食べますよ。
繁殖
アトリは、ユーラシア大陸・サハリンの亜寒帯針葉樹林で繁殖します。
カムチャツカの繁殖地では、シラカンバ林にある大木の太い枝の上に針葉樹の枝を被せた椀型の巣を作り、5~7個の卵を産みますよ。
アトリの分布は?どこに生息している?
アトリは晩秋に日本にやってきて越冬する「冬鳥」として知られています。
夏季にユーラシア大陸北部の森林地帯で繁殖し、秋には日本や中国・朝鮮などに南下し、山のふもとの森林や農耕地に住みつきます。
日本では冬季になると、全国の平野部や山地の森林でその姿を観察することができますよ。
アトリの鳴き声は?
アトリは「ビィー」と震えるような声でさえずり、地鳴きは「キョッ、キョッ、キョッ」と飛びながら声を出します。
身近で観察しやすいアトリ
アトリは、秋の季語にもなっている典型的な「冬鳥」です。
イヌブナの実が大豊作の年には、シベリアから2000羽以上もやってきて高尾山で越冬することもあるそうですよ。機会があれば高尾山でバードウォッチングしてみてくださいね。
また、都市部でも観察することができるので、林のある近くの公園に出かけてみるのもおすすめです。