チュウヒの特徴は?生態や分布、鳴き声は?

チュウヒはヘリコプターのように垂直に離陸することや着陸することが可能な唯一の猛禽類です。

その離着陸をするチュウヒの能力から名前をとったイギリスの戦闘機もあるほどですよ。

この記事では、チュウヒの特徴や生態、分布、鳴き声についてまとめました。

 

チュウヒの特徴は?

チュウヒ
大きさ オス 全長: 48cm 体重: 558g
メス 全長: 58cm 体重: 813g
外見の特徴 オスとメスは同色
地域によって異なる体色

チュウヒの大きさはオスが約48cmでメスは約58cm、羽を広げた状態(翼開長)だと約113~137cmにもなります。

体重はオスが約558g、メスが約813gでメスの方がやや大型ですよ。

チュウヒはオスとメスが同色です。体色は地域や個体によって違いが大きく、羽の色が茶色っぽいタイプや頭や翼が黒っぽい茶色で翼の先やしっぽが青みがかかった灰色のタイプなどがありますよ。眼は黄色で、くちばしは全体的に黒っぽい茶色ですが上の部分は黄色くなっています。

幼鳥は全体的に焦げ茶色で、頭頂が白っぽい個体が多いですね。虹彩は褐色または暗色です。

 

チュウヒの生態は?

チュウヒ

生態

  • 肉食
  • 繁殖
  • 宙飛しない

肉食

チュウヒは肉食性で、主に魚類や両生類・爬虫類・鳥類・鳥類の卵・小型哺乳類などを食べます。

ヨシ原(あし群生している草原)のような草地の低空を翼をV字型にしてグライダーのように飛び回りながら獲物を探し捕まえますよ。

 

繁殖

チュウヒは一夫一妻制で、オスとメスの二匹で巣作りを行いますよ。

ヨシ原などの地上に、枯れた草などを積み重ね基礎となるような土台を作り、その上にクズ等を皿型に浅く敷き詰めることで産卵床とできるような巣を作ります。

一腹卵数は4~6個で、主にメスが行う約35日間の抱卵を経て孵化しますよ。オスが餌を運んでくるとヒナは巣を離れて空中で餌を受け取ります。ヒナは孵化してから37日ほどで巣立っていきますよ。

 

宙飛しない

チュウヒという名前は「宙飛」が由来とされていますが、実際には低空飛行を得意とする鳥です。

普段は低空飛行ですが、繁殖期のペアリングの際には中空を飛行をするようになりますよ。

 

チュウヒの分布は?どこに生息している?

チュウヒ
チュウヒは北アメリカ大陸北部やユーラシア大陸北部で繁殖します。冬になると暖かい気候である南の方へと移動しますよ。

日本では冬鳥もしくは留鳥として北海道や本州北部で見ることができます。「平地や草地」「湖沼」「ヨシ原のある河川」「農耕地」「干拓地の湿地」などに生息していますよ。

近年では、九州北部から西日本の割と暖かい気候の地域でも繁殖が確認されています。

 

チュウヒの鳴き声は?

チュウヒ

チュウヒは「ミューア」や「ミュー」「キッ、キッ」「キィュ」「ピシィ」などと鳴きます。

繁殖期のオスは「ミュー、ミュー」と鳴きながら求愛を行います。餌を運んできたオスは「クィークィー」と鳴き、メスが「キキキキキッ」と鳴きますよ。警戒時には「キャ・キャ・キャ」や「ケッ・ケッ・ケッ・ケッ」と鳴きます。

 

絶滅の危険!?

チュウヒ

近年、チュウヒの生息するヨシ原が再開発されていることで国内の個体数は約400羽程度にまで減っています。

2006年12月に発表されたデータでは絶滅危惧ⅠB類と発表されていることから、絶滅させないようにするためにも我々は自然保護についてもう一度考え直す必要がありますよ。