ナベヅルの特徴は?生態や分布、鳴き声は?

目の上にある赤い斑が特徴的なナベヅルは、大きな群れもしくは数羽の家族で行動しているツルです。

日本では「くろづる」という名前で鎌倉時代から知られていますよ。

この記事では、ナベヅルの特徴や生態、分布、鳴き声についてまとめました。

 

ナベヅルの特徴は?

ナベヅル
大きさ全長: 100cm
体重: 3.5~4kg
外見の特徴  オス・メス同色
赤い目
目の上にある赤斑

ナベヅルは全長約100cm、羽を広げた状態(翼開長)が約160~180cmほどの大型の鳥です。

オスとメスは同色で体上面は黒みがかった灰色、頭から首にかけては白色をしています。額から眼先は黒く、目の上には赤い斑がありますよ。くちばしは薄い黄色で、眼の色は赤色です。

飛んでいる状態で上から見ると、翼と他の部分にコントラストがないことも特徴的ですね。

 

ナベヅルの生態は?

ナベヅル

生態

  • 雑食
  • 天然記念物
  • 一夫一妻

雑食

ナベヅルの食性は雑食です。

「植物の根」「昆虫」「両生類」などを食べますが、冬場は水田の刈跡に再生した「稲の二番穂」を採食します。

ナベヅルが冬を越す地域(江戸時代には全国的に分布していましたが明治時代以降は山口県と鹿児島県でのみ越冬)では水田に姿を現すことも多いですよ。

 

天然記念物

農作物を食害する害鳥とみなされた時期もありましたが、1887年には山口県八代のツルが日本初の禁猟対象に指定され、1921年3月3日には鹿児島県出水平野と山口県八代盆地のツルが国の天然記念物に指定されました。

 

一夫一妻制

ナベヅルは一夫一妻制をとっていて、オス・メスの2羽もしくは3~4羽の家族群で生活します。

5月ごろになるとシベリア南東部のレナ川上流域やバイカル湖付近にある森林地帯内の湿地でオスとメスが協力して巣を作りますよ。

一腹卵数は2個で、オスとメスが交代で行う約27~30日の抱卵を経て孵化します。オスは生後4~5年、メスは生後2~3年で性成熟し繁殖に参加できるようになりますよ。

 

ナベヅルの分布は?どこに生息している?

ナベヅル

ナベヅルは中華人民共和国東北部やロシア東南部・モンゴル北西部などで繁殖しています。

日本には冬鳥として毎年鹿児島県の出水地方と山口県の周南市に渡来しますよ。おおよその生息数は全世界で1万2千羽前後とされており、そのうちの9割が出水地域で越冬します。

 

ナベヅルの鳴き声は?

ナベヅル

 

ナベヅルは「クールルン」「クーコロロン」「コォーコココロン」と大きくよく響く声で鳴きます。タンチョウの鳴き声に似ていますが、タンチョウに比べるとやや声が小さめですね。

雌雄が並んで会話をするように鳴く事が多く、2羽で1セットのユニットになっています。求愛時には「コーワッカ、コーワッカ」または「クーカッカッ、クーカッカッ」とにぎやかに鳴きながら特有のダンスを踊りますよ。

越冬地では、前の年に産まれた若鳥が「ピィーピィー」と鳴く声を聞くことができます。

 

絶滅する危険もあるナベヅル

ナベヅル

ナベヅルは、絶滅の危険が増大している種として絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

世界に生息するナベヅルの9割が日本国内に渡ってくる現状は好ましく思われますが、伝染病などが発生した場合に絶滅してしまう危機と隣り合わせであることも確かです。

研究者らによって越冬地を分散させる努力がされていますが、今のところ目立った成果は残念ながら表れていません。