オオバンの特徴は?生態や分布、鳴き声は?

オオバンはツル目クイナ科オオバン属に分類される鳥類です。

日本国内では絶滅危機に瀕している鳥類でもあり、姿を確認できることはまれだといえます。

この記事ではオオバンの特徴や生態、分布、形態などについてまとめました。

 

オオバンの特徴は?

オオバン

大きさ

  • 32~39cm

外見の特徴

  • クイナの仲間で最も大きい
  • 頭部や頸部は黒い羽毛に覆われている

オオバンは全長32~39cmほどで、翼を広げた大きさ(翼開長)は70~90cmです。

頭や首は黒い羽毛で被われ、頭のてっぺんや首の後ろ側には光沢があります。胴体は黒に近いグレーの羽毛で覆われ、上部は少し青みがかかっています。しっぽは黒褐色です。

夏は後ろ脚が黄緑~緑青色ですが、冬になるとダークグリーンになりますよ。ヒナは黒い羽根に覆われています。陸上を歩く事もできますが水上生活をする事が多く、水かきがあります。

 

オオバンの生態は?

オオバン

生態

  • 食性は草食性が強い雑食性
  • 年に2~3回産卵する

 

オオバンは主に湖沼、湿原、水田などに生息し、水辺の草の茂みで繁殖します。繁殖期以外には大きな群れを作ることもある野鳥です。

 

草食性が強い雑食性

食性は草食性の強い雑食性です。水かきを使って水面を泳ぎ、水草の葉や種子を食べます。潜水してヒメガマなどの茎を食べることもありますよ。

他にも魚や他の鳥の卵やヒナ、昆虫、軟体動物など肉食性のものを食べることもあります。

 

年に2~3回産卵する

繁殖期になるとオスが巣の材料となる枯れ草を運んできます。そしてオスとメスがペアで巣材を積み重ねます。仕上げはメスがくちばしや足を使って皿状の巣を作りますよ。

一度に産む卵の数は13個までで、産卵は年に2~3回行います。オスメスが交代で抱卵し、抱卵期間は3週間程度です。

ヒナを育てるのもオスとメスで一緒に行います。ヒナは生後1ヶ月ほどで自力で餌をとり、2ヶ月もすれば自立して飛ぶことができるようになりますよ。

年に2回以上繁殖するため、最初に生まれた幼鳥が次に生まれたヒナを育てることもあります。

 

オオバンの分布は?どこに生息している?

オオバン

オオバンの生息地はアフリカ大陸北部やユーラシア大陸、アイスランド、イギリス、スリランカ、日本、フィリピンです。

夏にはヨーロッパ、シベリア、朝鮮半島などで繁殖します。冬になると東南アジアやアラビア半島、サハラ砂漠などの温かい地域に渡来して冬を越えますよ。

日本では九州で繁殖し、冬には本州の南で冬を越えます。日本では「冬鳥」もしくは「留鳥」として知られています。

 

オオバンの鳴き声は?

オオバン

オオバンは、「キュイッ」や「キュキュー」と聞こえる鳴き声で鳴きます。バンより高い声ですよ。

 

日本の水辺に生息できる

オオバン

オオバンは冬を超える為に渡来する冬鳥ですが、中には1年を通して観察することができる個体もいます。瀬沼(せぬま)や湿原などで生息し、繁殖は水辺で行います。

餌は主に植物性のものを食べますが魚や他の鳥の卵やヒナ、昆虫、軟体動物などを食べることもありますよ。