イカルの特徴は?生態や分布、鳴き声は?

イカルはスズメ目アトリ科の鳥類です。木の実を食べることを好むため、「まめうまし」や「豆割り」とも呼ばれることがありますよ。

聖徳太子が建てた法隆寺が「斑鳩(いかるが)寺」とも呼ばれていることからもわかるように、日本人にとっては昔から馴染み深い野鳥です。

この記事ではイカルの特徴、生態、分布、鳴き声についてまとめました。

 

イカルの特徴は?

Japanese Grosbeak (Eophona rersonata magnirostris) adult perched in tree feeding on seeds"n"nHebei, China May
大きさ 約23cm オスとメスはほぼ同色
外見の特徴 太くて丈夫な黄色いくちばし 光沢感のある紺色をした長い尾

顔の前側と長い尾の先は光沢感のある濃い紺色です。翼の一部も同じ紺色をしていますが、白斑がありますよ。光の加減で黒と青の美しいグラデーションにも見えます。イカルの全長は約23cmで、羽色はオス・メスほぼ同色です。大きくて太い黄色いくちばしが特徴的ですよ。

体の上面と胸はグレーブラウンで、腹から尾までの下面は白色をしています。幼鳥は頭部が成鳥のような紺色ではないことが特徴的ですよ。

 

イカルの生態は?

Yellow-billed grosbeak (Eophona migratoria) perching on tree

生態

  • 仲良し夫婦
  • 繁殖
  • 好物は木の実

 

仲良し夫婦

冬は何百羽もの群れになることもありますが、普段は4~数十羽の小さな群れを作って樹上で生活しています。

繁殖期前には小さな群れの中から気の合うパートナーを見つけて、番(つがい)で生活するようになりますよ。餌を探しに行くときなど、いつも行動を共にするため、夫婦仲がとても良いことで有名です。

 

繁殖

イカルは、ほかの鳥類と違って巣周辺のみの狭い範囲を縄張りにします。

小枝や草のつるを使って巣を作ります。浅いお椀型に組み合わせた丈夫な構造となっていますよ。1度に3~4個の卵を産み、約2週間の抱卵を経て孵化します。ヒナはおよそ2週間で巣立ちを迎えますよ。

 

好物は木の実

主に樹上で過ごしますが、非繁殖期は地上に降りて採食する姿もよく見られますよ。

頑丈なくちばしで固い木の実や草の種子をくだいて食べることが多いですが、昆虫類を食べることもあります。

 

イカルの分布は?どこに生息している?

forest in sunny day
イカルは日本・中国大陸の東部・朝鮮半島・シベリア南西部などに分布し、森林地帯や林など木がまばらな樹上に生息しています。

日本では北海道・本州・四国・九州の山林で繁殖しますが、北日本の個体は冬になると本州以南の暖かい地方に移動して越冬しますよ。

 

イカルの鳴き声は?

Yellow-billed grosbeak (Eophona migratoria) perching on tree
オスは求愛などの際に、よく通る声で「キキー、コキー」などとさえずります。また、仲間とのコミュニケーションや警戒の際には「キョキョキョ」とするどい声で地鳴きをしますよ。

ちなみに、イカルという名前は鳴き声が「イカルコキー」と聞こえることに由来しています。

 

イカルは毎年、生息地を変えている?

Park
前の年にイカルが多く訪れた地域では、翌年あまり観察することができないということが知られています。

イカルをバードウォッチングする際はイカルの生息地周辺や観察記録を調べ、昨年観察された数が多かった地域は避けることをおすすめします。