ハシブトガラスの特徴は?生態や分布、鳴き声は?

ハシブトガラスは、スズメ目カラス科カラス属に分類されるカラスの1種です。

日本で「カラス」と言えば、この「ハシブトガラス」もしくは「ハシボソガラス」を指します。私たちの生活に身近な鳥の代表ですね。

今回はハシブトガラスの特徴や生態、分布、鳴き声について紹介します。

 

ハシブトガラスの特徴は?

ハシブトガラス
大きさ 56cm
外見の特徴 光沢のある黒色
太いくちばし

ハシブトガラスは全長56㎝程度で、翼を広げると約100㎝になります。オスメスともに全身は黒い毛に覆われていて、見分ける事は難しいです。

同じカラスであるハシボソガラスに似ていていますが、くちばしが太く曲がっている点、額のあたりが出っ張っている点で判別する事ができます。

ハシブトガラスの学名は”Corvus macrorhynchus“で、種名を表す後半の”macrorhynchus“は「大きなくちばし」という意味ですよ。

 

ハシブトガラスの生態は?

ハシブトガラス

生態

  • もともとは森林で暮らすカラス
  • 肉食性が強い雑食性
  • 繁殖

もともとは森林で暮らすカラス

ハシブトガラスの英名は”Jungle Crow”と言い、もともとは森林で暮らしていたカラスです。

現在でも山間部などの森林地帯に広く分布しますが、最近では都市部にも分布域を拡げています。都市部で認められるカラスは基本的にハシブトガラスですよ。

何でも食べるハシブトガラスにとって都市部は食糧の宝庫で、止まり木の代わりとなる構造物が入り組んでいることも相まって、都市部へと分布域を拡大していきました。

 

肉食性が強い雑食性

ハシブトガラスは昆虫や木の実、動物の死骸など様々なものを食べる雑食性ですが、脂質を好み、石けんや和ろうそくを食べることもあります。

同じカラスであるハシボソガラスよりも肉食性が強いと言われていますね。

 

繁殖

ハシブトガラスの産卵期は4月頃で、主に木の上に木の枝などを使った巣を作り、1回に2~5個の卵を産みます。

抱卵はメスのみが行い、オスは抱卵するメスの為に餌を運びますよ。抱卵期間は約20日で、孵化すると約1か月で巣立ちます。若鳥は1か月ほど家族と行動し、群れで約3年行動し、その後はつがいで縄張りを構えて生活します。

 

ハシブトガラスの分布は?どこに生息している?

ハシブトガラス

ハシブトガラスは、東南アジアから東アジアに分布するカラスです。

日本では小笠原諸島を除き全国で低地から山地まで幅広く分布するカラスで、現在では都市部まで分布域を拡大しています。ハシブトガラスは1年中通じて日本で生息する留鳥ですよ。

 

ハシブトガラスの鳴き声は?

ハシブトガラスはご存知の通り、「カー、カー」と鳴きます。ハシボソガラスよりも澄んだ声で鳴く事が特徴です。

 

知能の高い鳥

ハシブトガラス

ハシブトガラスは知能が高い鳥としても知られていて、成鳥はカカシやトラップを見抜くことができるともいわれています。

日本に生息するカラスは「鳥獣保護管理法」によって、普通に飼育することはできません。怪我をしたカラスを保護することは例外として認められていますが、一般家庭での飼育はかなり難易度が高いといえます。ペットとして飼育することは現実的ではありませんよ。

カラスの飼育について興味のある方は「NPO法人 札幌カラス研究会」の公式サイトがおすすめです。