クマタカの特徴は?生態や分布、鳴き声は?

食物連鎖の頂点に位置し「森の王者」とも呼ばれるクマタカは、タカ目タカ科クマタカ属の留鳥です。美しく勇壮に飛翔する姿が多くの人を魅了していますよ。

この記事では、クマタカの特徴、生態、分布、鳴き声についてまとめました。

 

クマタカの特徴は?

素材 鳥

大きさ

  • オス:72cm
  • メス:80cm

外見の特徴

  • スマートな体型
  • コンパクトな翼
  • 目立つ顎線
  • 風切の横縞模様
  • 後頭にある冠羽

クマタカの全長はオスが72cmメスが80cmで、翼開長(翼を広げた大きさ)は138~169cmです。タカ類の中では比較的コンパクトな翼をしていますよ。

オスとメスは同色で、体上面は暗褐色をしています。顔は黒く後頭部には白っぽい冠羽があります。喉には一本の黒く太い顎線があり、腹部にはっきりとした白い横斑が多数みられますよ。翼下面には風切に横縞模様があり、尾羽には数本の帯状斑があります。

短いくちばしは、上くちばしが大きく湾曲しています。

 

クマタカの生態は?

素材 森林

生態

  • 食性
  • 繁殖
  • 波状飛行
  • 求愛ディスプレイ

 

食性

クマタカは、樹上で獲物が通りかかるのを待ち襲い掛かる待ち伏せ型の狩りを行います。

森林から草地まで様々な環境に生息する多様な動物を捕食しますよ。特にノウサギ、リス、モグラなどの「哺乳類」、ヤマドリや中型の「鳥類」、「ヘビ類」などが多いですね。

 

繁殖

クマタカは急峻な谷の中腹にあるモミやアカマツなどの針葉樹や、ブナ・ミズナラなどの広葉樹の樹上に木の枝を組んで営巣します。

繁殖は11月頃に始まり、1~2年に1回行われますよ。一腹卵数は1個で、親鳥は1~2年と長い時間をかけて幼鳥の世話を行います。

 

波状飛行

クマタカは、繁殖期を中心に「波状飛行」をします。

縄張りの主張やメスへの求愛を表すために、翼をすぼめて急降下し上昇することを何度も繰り返しますよ。

 

求愛ディスプレイ

繁殖期である11月ごろから3月ごろにかけての造巣期になると、求愛を表すディスプレイが営巣地近くの上空で見られます。

これは並列飛行と呼ばれるディスプレイで、飛行中の雌に雄が接近し縦や横に並んで飛行しますよ。

 

クマタカの分布は?どこに生息している?

クマタカは、ユーラシア大陸南東部、インドネシア、スリランカ、台湾、日本に分布します。

アジアに生息するクマタカ属で、唯一温帯にまで分布する種ですよ。日本では、北海道から九州にかけてほぼ全国で繁殖しており、標高300m程の低山帯から標高2000mを超える亜高山帯の森林まで幅広く生息しています  。

 

クマタカの鳴き声は?

クマタカの地鳴きは「ピユーイ」や「フィーフィフィ」です。

成鳥になると日常的にはあまり鳴かないため、クマタカの地鳴きは「求愛」や「子育て」における重要なコミュニケーション手段になります。

 

自然保護がクマタカの保護に繋がる!

クマタカは、自然環境が深く豊かでなければ生きることが出来ません。

クマタカがこれから何十年~何百年と生きていくためにも、我々は自然保護についてもう一度しっかりと考えていく必要がありますね。