カイツブリは、カイツブリ目カイツブリ科カイツブリ属に分類される留鳥です。
日本では古くから琵琶湖で見られ、「鳰(にお)」という名前で知られていました。そこから現在は滋賀県の県鳥に指定されていますよ。
この記事では、カイツブリの特徴、生態や分布、鳴き声についてまとめました。
カイツブリの特徴は?
大きさ
- 約26~29cm
外見の特徴
- 丸っこい体
- 短い尾
- 足指についているひれ状の弁
カイツブリは全長26~29cm、翼開長(翼を広げた大きさ)は40~45cmほどです。カイツブリ目の鳥は全長が40cm以上になる個体が多いですが、カイツブリはその中でも最も小型といわれていますよ。
オスメス同色で、「全体的に丸っこい体」「短い尾」「足指に付いているひれ状の弁」が特徴的です。
夏羽は体上面が黒く、体下面は褐色になっています。額から後ろ頸にかけては黒く、頬から前頸にかけては赤褐色になっています。黒い嘴の根元には黄色の斑がありますよ。
冬羽は夏羽に比べ淡色になります。全身が黄色味のある褐色になり、頭頂と体上面は色が濃くなっています。嘴は赤みがあり、上部が黒くなっています。
カイツブリの生態は?
生態
- 動物食
- 繁殖
- 縄張り意識が強い
動物食
カイツブリは動物食です。
巧みに水中に潜って「魚類」「甲殻類」「貝類」「水生昆虫」などの動物質の餌を採餌しますが、「ヒシの実」のような植物質の餌も食べますよ。
繁殖
産卵期は2~10月で、水中に繁茂する水草の上やヨシの茂みの中に営巣します。水辺植物の「葉」や「茎」「藻類」を番(つがい)で集めて、直径50cmほどの巣を作りますよ。
一腹卵数は4~6個で、オスとメスによる約20日の抱卵期間を経て孵化します。ヒナは早成性なのですぐに水面を泳ぐこともできますが、疲れた時などは親の背中で休みますよ。
また、生後2ヶ月ほどはヒナへ給餌をしますが、その後はヒナを追い回して独立を促すことでも知られています。
縄張り意識が強い
カイツブリは、縄張り意識が強いことでも知られています。
侵入者を見つけると、オスが「キリッキリッ」と鋭い声を出しながら水面を走るように敵に突進します。それに続けとメスも縄張り争いに参加しますよ。
カイツブリの分布は?どこに生息している?
カイツブリは、ユーラシア、アフリカ、オセアニアの温帯地域の水辺に広く分布しています。比較的ポピュラーな鳥として広い地域に生息していますよ。
日本では北から南まで全国的にその姿を見ることができます。留鳥なので渡りをすることはありませんが、一部、東北以北で生活するグループは晩秋の頃に南に渡りをすることが分かっています。
カイツブリの鳴き声は?
カイツブリは、「ケレケレケレ」「キリキリキリ」と大きな声で鳴くことが多いですが、短く「キリリ」「ピッ」と鳴くこともあります。
番(つがい)で生活することから、状況に応じて鳴き声を使い分けていると考えられています。
背中にヒナを乗せて子育てする姿が微笑ましいカイツブリ!
カイツブリは都心部の公園などでも観察しやすい鳥なので、バードウォッチング初心者の方におすすめの鳥です。
井の頭公園(東京都)にいるカイツブリは人慣れしていますし、番(つがい)は観察しやすい場所に巣を作って子育てをするので、その一部始終を見ることができますよ。