黒・白・黄色のコントラストが美しいオオワシは、鳥綱タカ目タカ科オジロワシ属に分類される冬鳥です。
日本に住む猛禽類の中で、最も大きなワシとしても有名ですね。
この記事ではオオワシの特徴や生態、分布、鳴き声についてまとめました。
この記事でまとめたこと
オオワシの特徴は?
大きさ
- オス: 89cm
- メス: 102cm
外見の特徴
- 黒・白・黄のコントラスト
- 翼の前、尾羽、足の羽毛が白色
- 黄色い嘴
- 橙黄色の足
オオワシはオスの全長が89cm、メスが102cmほどで、翼開長(翼を広げた大きさ)は220~250cmほどの大きさです。日本では本州の山岳地帯にすむイヌワシをしのぎ、最大のワシといわれていますよ。
オスとメスは同色です。成鳥の体色は大半が黒ですが、額・頸毛・小雨覆・上尾筒・下尾筒・尾羽は白くなっています。嘴と蠟膜(鳥の上嘴基部をおおう肉質の膜)、足は鮮やかな橙黄色をしていますよ。
若鳥は全身が焦げ茶色の体色をしていますが、白い羽根が目立つため斑模様にも見えます。嘴と足の黄色は鈍く、尾羽の外縁が黒色です。完全な成長羽になるまでには6年前後かかるといわれていますよ。
オオワシの生態は?
生態
- 動物食
- 繁殖
動物食
オオワシは動物食です。「サケ」や「タラ」などの魚類が多いですが、鳥類や小~中型の哺乳類、動物の屍骸(魚やアザラシ、クジラ)なども食べますよ。
木にとまっている状態や上空を飛行している状態から飛びかかり、かぎ爪ですくうように捕食します。
他のワシ類にも見られる、他の鳥から獲物を奪う習性があることでも知られていますよ。
繁殖
繁殖地におけるオオワシの主食は「サケ」や「タラ」なので、沿岸部や河川付近に巣を作ります。アムール川下流域やカムチャッカ半島では「ドロノキ」や「ダケカンバ」などの大木の樹上や断崖に巣を作りますよ。
巣は2月の終わりから3月初旬にかけて作られ、巣の中での交尾を終えた4~5月頃に1~3個(大抵は2つ)の卵を生みます。1ヶ月~1ヶ月半程度の抱卵期間を経て5~6月に孵化、8月になるとヒナは巣立っていきますよ。
オオワシの分布は?どこに生息している?
オオワシは極東地域にだけ分布する貴重なワシです。主にロシア極東のオホーツク海沿岸やカムチャッカ半島、千島列島に分布していますよ。
繁殖地で越冬する個体が多いですが、秋から冬にかけては越冬のために南に渡ることでも知られています。1月ごろに北海道や本州北部に飛来し、海岸や河川、湖沼などに生息しますよ。
オオワシの鳴き声は?
オオワシは、大きな声で「グワグワ」や「カッカッ」と鳴きます。
圧倒的な存在感を肌で感じてみよう!
もし、北海道を訪れる機会に恵まれたら、ぜひオオワシの観察をしてみてください。
天然記念物であり、王者のような風格を漂わせているオオワシの姿に圧倒されること間違いなしですよ!