イソヒヨドリの特徴は?生態や分布、鳴き声は?

イソヒヨドリは、スズメ目ヒタキ科イソヒヨドリ属に分類される留鳥です。

「イソ=磯」という名前のとおり、海岸や岩山などに多く生息しています。赤と青のコントラストが特徴的なとても美しい鳥ですよ。

この記事では、イソヒヨドリの特徴や生態、分布、鳴き声についてまとめました。

 

イソヒヨドリの特徴は?

素材 鳥

大きさ

  • 23cm

外見の特徴

  • オス: 体上面が青藍色で体下面が赤褐色
  • メス: 全身が灰色みのある褐色
  • メス: 灰褐色をした体色
  • メス: 体下面にある黒い縦斑

イソヒヨドリの大きさは全長23cm、翼開長(翼を広げた大きさ)は38cmほどです。ヒヨドリよりも少し小さいサイズですよ。

オスは、頭部から胸・体上面・尾羽が光沢の無い青藍色をしています。体下面は赤褐色で、羽の雨覆と風切には黒みがあり羽縁は青くなっていますよ。

メスは全体が灰褐色です。体下面は黄色味を帯びた褐色をしており、黒褐色の横斑が入っていますよ。くちばしと足はオス・メス共に黒色です。

 

イソヒヨドリの生態は?

素材 森林

生態

  • 雑食
  • 繁殖
  • ヒナ分け

 

雑食

イソヒヨドリは松の枝や岩角などにとまって地上を見張り、「昆虫」や「フナムシ」などを見つけると舞い下りて捕食します。空中で飛ぶ虫をフライングキャッチすることもありますよ。

「ヘビ」や「子ネズミ」などの餌動物を捕獲した場合は、嘴でくわえて叩きつけたり、つついたりして殺してから摂食します。

 

繁殖

繁殖期には番(つがい)で縄張りをもち、オスは早春からさえずり始めます。

基本的には岩の隙間や岩場の灌木の中などに営巣します。近年では市街地のビルや山間のダムなど、海岸から離れた場所で営巣する個体も増えてきていますよ。巣の材料は枯れ枝や枯草で、お椀型の上部開放型になっています。

一腹卵数は5~6個で、メスのみが行う約15日間の抱卵期間を経て孵化しますよ。

 

ヒナ分け

ヒナはおよそ15~18日で巣立っていきますが、巣立ち後のヒナをオスとメスの親鳥が分担して育てる「ヒナ分け」と呼ばれる行動がみられる鳥でもあります。

 

イソヒヨドリの分布は?どこに生息している?

イソヒヨドリは、アフリカからユーラシア大陸、インドネシア、ニューギニアまで広く分布しています。

世界的には標高2000~4000mの高山の岩石地帯に生息する鳥ですが、日本では磯や港などの海岸周辺に主に生息しています。

近年では都市部にも生息するようになったため、住宅地やビルの間を飛び回る姿を見かけたり鳴き声を聞くことも増えていますよ。

 

イソヒヨドリの鳴き声は?

羽を半開きにするような動作をしながらオス・メス共に「ツツ、ピーコ、ピィー」「ヒーチョイチョ、ピーチョ」など美しい澄んだ声でさえずりますよ。地鳴きは、「ヒッヒッ」「グッグッ」などです。

ただ、同じ個体のさえずりでもパターンが複数あるので、個体によって異なるさえずりのレパートリーを持っていることになりますね。

繁殖期に外敵が巣に近づいたときは、頭と尾を交互に上下させながら「ヒィヒィヒィヒィ、グェグェグェ」という警戒声を発することでも知られていますよ。

 

観察するなら、海岸や港がおすすめ!

イソヒヨドリは名前の通り磯などの海岸を好む鳥なので、観察をするのであれば春先の海岸や港がおすすめです。

青と赤のコントラストが目立つ鳥(オス)なので見つけやすいと思うかもしれませんが、意外と見つけにくいですよ。バードウォッチングに行く際は足元に気をつけて観察するようにしてくださいね。