アイリッシュウルフハウンドの歴史、飼育環境、被毛の手入れは?

その全犬種でも最大級の体高でオスの成犬はゆうに50kgを超えるアイリッシュウルフハウンド。体格に似合わずどこか優しい瞳が印象的です。

同じ最大クラスの犬種グレートデンと並び人気のある犬種ですが、どんな歴史をたどってきたのでしょうか。また、日本国内で飼育するにはどんな環境が必要でしょうか。

この記事ではアイリッシュウルフハウンドの歴史や飼育環境、被毛の特徴や手入れ方法をまとめ紹介しています。

 

アイリッシュウルフハウンドの歴史は?

 

アイリッシュウルフハウンドの歴史は古く、紀元400年には存在していたとの記述もあるほどです。どの資料でもはっきりとその名が記されているわけではなく詳細は不明です。おそらくローマ人によってアイルランドに持ち込まれ、ケルト人がオオカミ狩りに用いていたと考えられています。

1652年、イギリスの政治家でアイルランドを併合した「オリバー・クロムウェル」によってアイリッシュウルフハウンドの輸出が禁止されたことがしっかりと記録されています。以後1800年頃まで、アイルランドのほとんどの農家でオオカミの襲撃から家畜を守る番犬として活躍していました。

アイルランド国内でオオカミが絶滅すると同時に数が減り、一時絶滅の危機に瀕しました。現在では保護団体等の活躍によりその個体数も増えつつあります。

出典:JKC「アイリッシュ・ウルフハウンド」、藤田りか子著/リネー・ヴィレス編集協力「最新 世界の犬種大図鑑」、ブルース・フォーグル著/福山英也監修「新犬種コンパクト図鑑」

 

アイリッシュウルフハウンドの飼育環境は?

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飼育環境

  • 大きな庭
  • 寝床
  • 大量の餌

前述したとおり非常に巨体で、性格は非常に温和で従順です。ペットとしての飼育も決して不向きではありませんよ。

ただ、つかまり立ちをすると2mをゆうに超える巨体ですので、飼育スペースはかなり大きく用意する必要があります。「体格に見合う広い飼育スペース」と「寝床」は不可欠です。

屋内飼いはよほどの広い家でもない限り不可能ですが、室外でも大きな庭が必要となります。

 

アイリッシュウルフハウンドの被毛の特徴、抜け毛は?

アイリッシュウルフハウンドの被毛は硬くて粗い毛質が特徴的です。毛色は「グレー」と「レッド」が主なカラーで、子犬時から変わりません。

強い毛質から抜け毛は少ないです。被毛の手入れも週1~2回のブラッシングやコーミングで十分ですよ。

 

性格はよいが、飼いにくい超大型犬

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「体はでかいが、スパニエルのように従順」「人に近い知能を持つ犬」など絶賛されているアイリッシュウルフハウンド。性格的には飼いやすい犬種といえます。

しかし体格が大きいため、日本で飼育するには庭も散歩も餌も揃えるのが大変です。安直な考えでは決して飼えない犬種ですよ!