12世紀の初め、イギリスのヘンリー2世がペットとして飼い始めてから王室の犬として有名になったウェルシュコーギーペンブローク。現在もエリザベス女王の愛犬で、日本でよく飼われているコーギーはこの犬種です。
この記事ではウェルシュコーギーペンブロークの性格、特徴、寿命、病気、飼育のポイントについてまとめました。
ウォルシュコーギーペンブロークの歴史は?

「ウェルシュ コーギー」にはカーディガン種と、ペンブローク種の2種類があります。
最初はこの2種は同じ犬種として扱われてきましたが、からだの大きさや尻尾の存在などから同じ犬種として扱うのが難しくなったため、原産国であるイギリスのケンネルクラブは、1943年頃に別々の種類のコーギーとして登録することになりました。
そんな2種の中でもペンブローク種は日本でも大変人気があります。
ウェルシュコーギー・ペンブロークは、ウェールズのペンブロークシャーにいたことからその名前がついたと言われています。
元々の仕事は牧畜犬で、特に牛、羊、ポニーなどの大型家畜のとりまとめで活躍していました。
この際、コーギーの低い体高は牛の反撃をかわすときに有利でした。
初期のペンブロークは牛追いの牧畜犬として、土着のスピッツなどと交配して改良されていました。
その後、ヘンリー2世のペットとなってからは、繁殖家の手によって改良が進み、世間にも知られていくようになりました。
女王陛下の愛犬として世界中で人気を博したペンブロークですが、現在のイギリス国内では、絶滅の危機にあるとされています。
ペンブロークは生後間もなく断尾をしますが、動物愛護精神の高いイギリスではこの風習を受け入れず、ペンブロークの繁殖をやめてしまった繁殖者が増えているようです。
ウェルシュコーギーペンブロークの性格は?

ウェルシュコーギーペンブロークの性格
- 活発
- 社交的
- 警戒心が強い
ウェルシュコーギーペンブロークは賢くて、自立心や自己判断能力に優れています。
好奇心旺盛な性格で、アジリティーやフリスビーで好成績を残している子も多いです。社交的な性格をしていて他の犬や動物とも仲良くなれるので、小さい子供のいる家庭や多頭飼いでも安心して飼うことができますよ。
警戒心が強いので吠えたり噛みついたりすることもありますが、幼犬期の頃から社会性を養うなど、適切なしつけをすることで改善されますよ。
ウェルシュコーギーペンブロークの特徴は?

ウェルシュコーギーペンブロークの特徴
- 胴長短足
- 尻尾
- 感情表現の豊かさ
胴長短足の愛らしい見た目、大きな頭、鼻筋が通ったキツネの様な顔、直立した大きな耳、断尾された尾が特徴的です。
全身を使って感情を表現するのもコーギーの特徴といえます。嬉しい時は満面の笑みを浮かべ、お尻を全力でふって歓迎してくれますし、悲しい時は全身を平たくさせて、しょんぼりした表情でこちらの様子を伺います。
尻尾
本来しっぽは長くてフサフサしていますが、過去に断尾されていた名残で、現在も切断されることが多いです。牧畜犬として活躍していた時に、牛にしっぽを踏まれてケガをした過去があるようです。
毛色
毛色は「レッド」「フォーン」「セーブル」「トライカラー」が主ですが、「ミスカラー」も存在します。
被毛
被毛はダブルコートで、やや硬めで中くらいの長さのアウターコートと、短くてフワフワしたアンダーコートから成り立っています。保温力に優れているので、冬場の寒さから身を守る役割を果たしています。
夏場は地面からの照り返しによって熱中症になる可能性もあるので要注意です。
コーギーは短毛種ですが、「フラッフィー」という長毛種も実は存在します。劣性遺伝によって生まれるのですが、先天的な病気を発症するリスクが高く繁殖に使えないため数が少ないです。
ウォルシュコーギーの大きさや体重は?

ウェルシュコーギーペンブロークの体重
- 10~12kg
ウェルシュコーギーペンブロークは筋肉質でガッチリした体つきをしており、体重は10~12kgです。
ウォルシュコーギーペンブロークは昔、牧畜犬として活躍していたこともあり、運動が得意で筋肉質なのです。
ウェルシュコーギーペンブロークの寿命は?

ウェルシュコーギーペンブロークの寿命
- 12~14年
ウェルシュコーギーペンブロークの平均寿命は12~14年です。気をつけたい病気は「椎間板ヘルニア」「尿結石」「てんかん」「進行性網膜萎縮症」「変性性脊髄症」などです。
食欲旺盛なウォルシュコーギーは、きちんと食事を管理してあげないと肥満になりやすくなってしまいます。
肥満は胴長な体型なウォルシュコーギーに負担をかけてしまうため、長生きさせて上げるためにも食事管理からしっかりしてあげましょう。
ウェルシュコーギーペンブロークが気をつけたい病気は?

椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは胴長な犬種のウォルシュコーギーがかかりやすい病気なので、気をつけてあげましょう。
この病気は、激しい運動や骨の老化、疲労などから椎間板が損傷することで飛び出てしまった髄核が他の神経を圧迫することで痛みや麻痺を起こしてしまいます。
軽い症状だと、「痛がる」「足を引きずる」などがあげられます。
症状が重くなってくると、「自力で立てなくなる」「半身不随」「自力での排尿・排便ができない」なども起こり得ます。
対処法
症状が軽いうちは薬の投与による内科的治療で痛みを抑え、安静にしますが、それでも症状が安定しなかったり、あまりにも重症な場合は手術による外科的治療で、神経の機能回復を行います。
予防するためには、肥満防止や脊髄の負担軽減、激しい運動を避けることなどが有効です。
食事管理をしたり、家のフローリングにカーペットを敷くなど日々のケアが大切です。
尿結石
尿結石とは腎臓・尿管・膀胱・尿道のどこかに結石ができる病気です。
尿結石にかかると
- 頻尿になる
- 血尿が出る
- おしっこを痛がる
- 食欲がなくなる
- 尿量が減る
などの症状が出ます。
排尿時に犬が痛がっていたら尿結石の疑いがあるので病院に行きましょう。
犬に多い結石には「ストラバイト結石」と「シュウ酸カルシウム結石」の二種類があります。
ストラバイト結石は若い犬に多く、尿がアルカリ性に傾いている時にできやすくなります。
シュウ酸カルシウム結石は老犬に多く、尿が酸性に傾いている時にできやすくなります。
対処法
膀胱炎などの感染症を併発している場合はまず抗生物質などの投与による内科的治療を行います。
大体の小さな結石は自然に溶けて無くなりますが、大きな結石の場合は手術によって摘出します。
予防するためには日々の食事管理によってミネラルバランスを整えることと、しっかり栄養を摂らせることによって感染症などを防ぐことが効果的です。
てんかん
てんかんは主に脳の神経細胞の以上によって全身もしくは体の一部が痙攣する病気です。
脳腫瘍や水頭症、脳炎など、脳に何らかの以上があるためにおこるてんかんは「症候性てんかん」と呼びます。
また、脳に構造的な以上がないのに起きるてんかんは「突発性てんかん」と呼ばれます。
てんかん発作は、痙攣は全身がこわばって震えときに意識を無くしたり失禁したりする「全般発作」の場合と、体の一部分が震える「部分発作」の場合があります。また、突然奇妙な行動をとったり、攻撃的になったりする発作を起こすこともあります。発作は、数秒で終わることもあれば、数分続くこともあり、個体差があります。
対処法
症候性てんかんの場合は、その原因になっている病気を治療します。
突発性てんかんの場合、抗てんかん剤を投与して治療します。
突発性てんかんは、診察してもらう際に症状をできるだけ詳しく説明できるようにして、原因を探しやすくすることが大切になります。
進行性網膜萎縮症
「進行性網膜萎縮症」は視力が徐々に低下して最終的に失明してしまう病気です。
また、この病気は遺伝性の病気なので、予防法がありません。
この病気にかかってしまうと、夜間や暗いところで目が見えにくくなり、夕方や夜間の散歩を嫌がったり、暗いところで段差につまずきやすくなったりします。
視力の低下は徐々に進行し、最終的には失明してしまいます。
この病気は進行が遅いため、飼い主が気づけないケースが多いようです。
愛犬が夜間の外出や暗いとこを嫌がったり、歩き方に違和感があったらすぐに病院に連れて行きましょう。
また、白内障を併発するケースも多いため、早期発見が大切になります。
親犬が病気を持っている場合、遺伝子検査をしておきましょう。
対処法
この病気には確実な治療法が存在しません。
できることは、できるだけ犬にストレスのない生活をできるようにしてあげることです。
家の中を歩きやすくしてあげるなど、生活面で気を使ってあげましょう。
変性性脊髄症
「変性性脊髄症」は10歳前後に発症する病気で、遺伝性疾患です。
この病気は痛みを伴わずにゆっくりと進行します。
病気は脊髄の中心から進行して後ろ足の方に広がり、さらに進行すると症状が前足や首にも現れます。
症状は足先や腰の感覚異常です。感覚以上から歩行が不自然になり、歩いている時に足がもつれたり、腰が安定しなくなります。
症状が進行すると徐々に起立が困難になったり、排尿や排便が制御できなくなります。
病気が首まで進行すると呼吸が困難になります。最終的には呼吸困難になって発症後約3年ほどで死亡します。
対処法
変形性脊髄症には、治療法が確立されていません。事前の遺伝子検査が大切になります。
治療法は見つかっていませんが、日々のケアをしてあげることが非常に大切です。
排泄や運動のケアをして、愛犬と大切な時間を一緒に過ごしてあげましょう。
ウェルシュコーギーペンブロークの飼育のポイントは?

飼育のポイント
- 健康管理
- しつけ
- 無駄吠え
- 被毛の手入れ
ウェルシュコーギーペンブロークは日本で「コーギー」と親しまれており、多くの方が飼っています。飼育する上で大切なポイントを4つご紹介します。
健康管理
ウェルシュコーギーペンブロークは食事好きな傾向があるので、肥満にならないように毎日の運動や食事にも気を配ってあげてください。現在日本で飼われているコーギーの多くは肥満体だといわれています。
牧羊犬で体力もあるのでたくさん運動をさせてあげてくださいね。適度な運動は背骨周辺の筋肉が鍛えられるので、椎間板疾患を予防することにもつながります。
しつけ
ウェルシュコーギーペンブロークはほめられることが大好きな犬種です。しつけを守って飼い主さんにほめられると、次回もほめられようと積極的にしつけを守ってくれますよ。
「無視をされたくない」という心情を逆に利用して、吠えたり噛み付いたりしたときはあえて無視するのも有効なしつけですよ。むやみに怒ったり叩いたりするよりも効果的です。
基本的には集中力が高くて物覚えが良いので、しつけに苦労はしませんが、甘やかし過ぎるとは飼い主をみくびるように育ってしまいます。子犬の頃から主従関係は徹底してしつけるようにしてくださいね。
無駄吠え
無駄吠えしやすい犬種なので、近所迷惑にならないようしつける必要がありますね。
「運動不足」や「コミニケーション不足」が原因の場合が多いので、1日2,3回1時間程度の運動を、頭を使った遊びも取り入れながらしてあげるとストレスが溜まりにくいです。
被毛の手入れ
被毛の手入れは週に1~2回のブラッシングで十分ですが、換毛期には毎日してあげてください。
コーギーはイギリスの寒い地方出身なので、高温多湿の日本の夏が苦手です。丁寧に抜け毛を除去して毛の新陳代謝を促さないと、「急性湿性皮膚炎」や「膿皮症」などの皮膚疾患を患いやすくなってしまいますよ。
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