愛犬が「留守番中に吠える」理由としつけの考え方を解説!

一人で留守番となると、途端に愛犬が吠えてしまう。そんな経験をしたことはありませんか?

愛犬に愛情をたっぷり注いでいるのは当然ですが、少しでも愛犬の視界から外れると騒いだり、外出しようとすると大声で吠えるようになったり…これらは飼い主と離れる不安から起きる行動です。

留守番中愛犬が吠えるだけであれば、単純に不安や寂しい気持ちがきっかけになっていますが、粗相をしたり物を壊したりする場合は分離不安症の可能性があります。

この記事では、愛犬が留守番中に吠える理由としつけの考え方についてまとめました。

愛犬が留守番中に吠える理由は?

一人でいることの不安や寂しさ、警戒心から吠えていると考えられます。

吠えることは本能的な行動なので、長時間のお留守番の場合は吠えてしまって仕方ないこともあります。

不安・寂しい

一人きりでいることに不安を感じたため、吠えてしまうと考えられます。

今まで自分以外に誰かが家にいるといった環境で過ごすことが多く、一人で過ごす機会が少なかった子に多くみられる傾向があります。

警戒

「自分以外に誰もいないはずなのに音がした」「外から物音がした」「ドアホンが鳴った」など、自分の縄張りに侵入してくるものがいるのではないかという警戒心から吠えてしまうこともあります。

愛犬が留守中吠えるのは分離不安症のせい?

単純な不安や寂しさから吠えているのではなく、飼い主が見えなくなる(離れる)と極度の不安から鳴いてしまう分離不安症の可能性があります。

不安障害の一つで、
・ずっと吠えているので近隣の方とのトラブルを招く
・家具や周りの物を壊す
・飼い主が見えなくなると粗相をする
など、愛犬との生活の質が低下してしまう可能性があります。

犬の気持ちとしては「飼い主が出かけてしまったら、もう帰ってこないのではないか」「留守番中に何か危険なことが起こるのではないか」という不安でいっぱいになってしまいます。

分離不安症の症状

・飼い主が見えなくなると吠え続ける
・粗相をする
・よだれを多量に垂らす
・足や体をずっと舐める
・自傷行為
・周りのものを壊す
・嘔吐、下痢
・床や地面を掘り続ける
・脱走しようとする

飼い主が見えてないと上記の症状が表れますが、出かける準備をしているときに吠えたり落ち着かなかったりする場合も。

飼い主が帰宅もしくは在宅時は?

・帰宅すると喜び過ぎておしっこする
・いつも飼い主さんの後をついて歩く
・飼い主さんがトイレや風呂などに入るとパニックになる

上記のような行動を取るようになります。

分離不安症から来る症状は犬自身コントロールができません。また、物を壊してしまう行動などはコントロールできないほどの不安を、犬自身がどうにかしようと対処している結果です。

分離不安症になる原因は?

・住まいの変化(引っ越しなど)
・人の生活時間、生活スタイルの変化(留守時間の延長など)
・飼育者の変更(違う家族に迎えられるなど)
・留守番の時間が長い
・飼い主とのコミュニケーション不足
・留守番のときに怖い思いをした(雷や地震)
・虐待や放棄された経験がある など

普段の生活の環境、過去のトラウマになるような出来事が原因になっています。

分離不安症が原因による問題行動では、環境や飼い主との接し方など、さまざまな要因が重なっていることがあります。治療をするには、専門家が細かな問診をして詳しく状況を把握する必要があります。軽度であれば行動療法、必要によって薬物療法を行います。

分離不安症になってしまったら

症状が軽度の場合は、自宅で改善できるよう行動療法をします。

短い留守番で一人に慣れてもらう

まずは、数秒から数十秒愛犬と離れるところから始めます。部屋を離れるときはドアを閉め、数秒でも愛犬が一人になる時間を作ります。

徐々に時間を延ばしていき、愛犬が「一人になっても大丈夫」「飼い主は帰ってくる」と思ってもらいましょう。このとき愛犬は褒めず、飼い主が出かけるのは当たり前のことだと分かってもらうことが大切です。

在宅中構いすぎない

常にかまっている状態では、愛犬が飼い主に依存してしまいます。あえて関わらず、無視して過ごすことが大切です。

無視することで吠え始めてしまっても、叱ってはいけません。堪えて静かになるまで待ちましょう。

留守番中の失敗に怒らない

留守番中に粗相してしまったり、物を壊してしまっても叱ってはいけません。

分離不安症が原因である問題行動は犬自身でコントロールできず、どうにもできない状態です。そんな状態で叱っては、愛犬もどうしたらいいのか分からなくなります。また、叱ることでわざと飼い主の関心をひくために、同じことを繰り返すようになることも。

分離不安症によって起こる問題に対応するには、専門的な知識や経験のある獣医師の助けがあると安心です。かかりつけ医の専門外だとしても、問題行動を専門にしている獣医師と繋げてくれるかもしれません。

悩んでいる場合は、一度獣医師に相談してみましょう。

引用元:分離不安症

留守番中に吠えるしつけはとても難しい

留守番中に吠えてしまう愛犬をしつけることはとても難しいです。

留守番中に愛犬が吠えてから飼い主さんが「吠えないで」としつけるまでに、どうしても時差が生まれてしまいます。

犬に何かを伝えるときは基本「直前の行動に対して」伝えます。そうでないと、何に対して飼い主さんは言っているのか愛犬が理解できないからです。

留守番中のしつけは、直接「吠えないで」と伝えることに効果がなくメリットがありません。

愛犬が吠えなくて済む環境作りを

5つのしつけ方

  • ハウスを覚えてもらう
  • 日頃から練習する
  • おもちゃで遊んでもらう
  • ドッグカメラを設置する
  • 知り合いに預かりを頼む

愛犬に「吠えてはいけない」と直接伝えるしつけは一切しません。強制するのではなく、吠えなくても済むような環境づくりを心がけます。

具体的には次の5つの方法を試してみてください。

ハウスを覚えてもらう

留守番中、ひとりきりでも安心できる場所があれば「あそこに戻って落ち着こう」と吠えなくなってくれる可能性があります。

ハウスは一人でくつろげる空間として、子犬のときから教えてあげることをおすすめします。

詳しいトレーニングの仕方はこちらの記事をご確認ください。

短い留守番から慣れさせる

いきなり一人きりにされ長時間も留守番をさせられては、愛犬が不安で吠えてしまうのも仕方ありません。

そのため日頃からひとりきりでいられる練習をしておくことが大切です。

練習のコツは、短い時間から初めて徐々に時間を延ばすことです。いきなり長時間の留守番はハードルが高く、一人にされることがトラウマになってしまう可能性もあります。

トレーニング中は愛犬が吠えたとしても扉を開けないこと。吠えたからといって飼い主さんがかけつけてしまうと「吠えれば飼い主さんが戻ってきてくれる」と学習して余計に吠える原因になりかねません。

おもちゃで遊んでもらう

一人でも遊べるおもちゃを用意してあげてください。できるだけ愛犬が好きで夢中になれるおもちゃを用意することが大切です。

一人にされる不安よりも遊ぶ楽しさが勝てば、吠えたいという気持ちを忘れることができます。お留守番中でもおもちゃで遊んでいればいいや、と覚えてもらうことを目指してください。

ドッグカメラを設置する

どんなにお留守番に慣れている子でも、必ず限界は来ます。長時間のお留守番をしてもらう機会が多いご家庭では、ドッグカメラを用意してカメラ越しに話しかけてあげることもおすすめです。

Furbo ドッグカメラ

設置型ドッグカメラで最も有名なのが、Furboです。

スマホと連動させることで、お留守番中の愛犬の様子をいつでも確認することが可能で、話しかけることもできます。

120°見渡せる広角レンズと暗闇でもはっきりと映る赤外線LED暗視モニターで、昼夜問わず部屋中を見渡すことができる便利な機能がついています。

信頼できる人に預かりを頼む

上記で紹介したどの対策を試しても、やっぱりどうしても吠えてしまう。長時間家を空けなきゃいけない。そんなときには一人でお留守番させることを諦めることも必要です。

長期のお留守番が必要なときは、愛犬が心を許せる近所の方や顔見知り、知り合いなどに預かってもらってください。またはペットシッターさんを頼るという手もあります。

防音対策も念頭に

愛犬の留守番中の行動はすぐに解決できる問題ではありません。もしもすでに近所から苦情が出ているようなら、「窓を二重にする」「吸音材を設置する」などの防音対策をしましょう。

ドアホンの音を下げたり変えたりすることで、愛犬の反応も変わるかもしれません。またご近所さんに「たまにうるさくてご迷惑をおかけするかもしれませんがよろしくお願いします。」と一声挨拶をしておくだけでも違います。

まとめ

愛犬が留守番中に吠えてしまうのは、寂しさや不安が原因になっている可能性が高いです。

少しずつ一人でいることに慣れてもらうことから始め、ハウスやおもちゃ、ドッグカメラの設置など環境を変えて少しでも留守番中の気持ちを楽にしてあげる工夫が大切です。

分離不安症は、簡単に改善するものではありません。根気強く、愛犬に合った方法を試していく必要があります。ただ、精神的な問題を専門にしている獣医師やトレーナーがいますので、飼い主さんだけで悩まないようにしてください。

その他、愛犬が吠えるさまざまなシチュエーションの解説は以下の記事でしています。