チャイニーズクレステッドドッグは世界で最も人気のあるヘアレス(無毛)犬です。

起源は不明な点が多いですが、アフリカ原産で中国で改良をされたという説が最も有力とされています。王族や貴族など身分の高い人の愛玩犬として愛されてきました。

この記事では、チャイニーズクレステッドドッグの性格や特徴、しつけや寿命、飼い方についてまとめました。

 

チャイニーズクレステッドドッグの基本情報は？

歴史

チャイニーズクレステッドドッグの名前は、辮髪（べんぱつ）に頭の毛が似ていたことが由来とされています。辮髪のことをクレストと呼ぶのです。

第二次世界大戦中、中国国内で飼育されている犬を犬種問わず全て処分するという残酷な命令がくだされました。その際、中国国内のチャイニーズクレステッドドッグは絶滅しかけたことがあります。

戦後、ほかの国々に渡っていた個体や、当時イギリスの植民地であった香港・マカオで飼育されていた個体のブリーディングを行い、異種交配を行うことなく頭数を回復することができたという歴史がある犬種なのです。

見た目の特徴

容姿はヘアレスタイプとパウダーパフタイプの2タイプが存在します。体高は28～33cm、体重は5.5kg以下の小型犬に分類されています。

ヘアレスタイプ

ヘアレスタイプは頭頂部に、人の髪の毛が生えているかのような不思議な毛があるのが最大の特徴です。大きい立ち耳にはパピヨンのような長い飾り毛が生えていて、足先と尾にも短めの飾り毛が生えています。ただ、それ以外の場所には全く毛が無く、暖かくなめらかな銅色の肌(所々にピンクの班があるのもいる)が露出しています。

ヘアレスタイプには、通常の犬には見られない「汗腺（汗をかくための器官）」があるため、舌で体温調節をしないという珍しい犬種です。体温が一般犬よりもやや高く40℃程あるので、寝るときに湯たんぽ代わりに使われたという逸話もあります。

パウダーパフタイプ

パウダーパフタイプは全身が絹のようにしなやかな細い被毛に覆われています。様々な毛色が認められていますが、パウダーパフタイプの主な毛色は白で、グレーや薄いクリームなどの色味がつういていることが多いです。

 

チャイニーズクレステッドドッグの性格は？

性格

繊細で内向的

チャイニーズクレステッドドッグは明るくて感受性が強く、繊細な性格をしています。底抜けに献身的で、飼い主に対する忠誠的な愛情を守りながら、喜ばせようとすることが好きな犬種です。内向的でシャイな性格でもあり、攻撃的に反撃するよりも内にこもる一面があります。

しつけが難しい

個体によっては警戒心が強く、見知らぬ人や犬が近づくと激しく吠えてしまう場合もありますが、友好的な一面も備えていますので、子犬の頃から外に連れ出し社交性を養うようにしてあげれば吠えなくなるでしょう。吠え癖はしつけでやめさせることもできますが、プライドが高いところもありますのでしつけが難しいと感じるかもしれません。この場合はプロに相談することをオススメします。

 

チャイニーズクレステッドドッグの散歩やしつけは？

運動や散歩

チャイニーズクレステッドドッグにはあまり激しい運動量は必要ありません。

散歩は1日に20分程度で十分です。脱臼や骨折に気を付けたいので、激しい運動は控えるようにしてくださいね。

しつけ

チャイニーズクレステッドドッグはマイペースな性格なので、トレーニングを好みません。雑に扱われるのが大嫌いなのでしつける時は、叱りつけるようなやり方は避けてください。

うまく遊びやスポーツを取り入れたり、おやつやおもちゃなどのご褒美を取り入れたりして、楽しみながらしつけを行えるように工夫してあげてください。

思春期のしつけ

犬にも思春期があり、小型犬は生後5ヶ月頃から迎えると言われています。思春期になると、しつけを終えているはずなのに「唸る」「吠える」といった反抗的な行動をする場合があります。
心のバランスを保つために、反抗的な態度をするのだと理解してあげてください。反抗的な行動をするような状況を作らないことも有効です。飼い主さんの気持ちをぶつけるのではなく、そっと見守ってあげましょう。

トイレの失敗

思春期を迎えると、ホルモンバランスの変化によってトイレを失敗することがあります。この場合は、再度トイレトレーニングをするようにしましょう。

思春期が終わったあと、トイレが成功するとは限りません。大変ではありますが再度しつけるようにしてくださいね。

 

チャイニーズクレステッドドッグの寿命や病気は？

寿命

チャイニーズクレステッドドッグの寿命は13～15年です。小型犬としては平均的です。日々の健康管理に気をつければより長く一緒に入られますよ。

病気

チャイニーズクレステッドドッグが気を付けたい病気は、「アトピー性皮膚炎」「膝蓋骨脱臼」「レッグ・ペルテス病」などです。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、カビやダニ、食べ物が原因で起こる皮膚疾患です。また、ペットフードやウール素材の洋服にアレルギーを起こすことがあります。体を掻く仕草が増えたり、皮膚が赤くなったりする症状が出た場合は獣医に診てもらってください。

膝蓋骨脱臼

膝のお皿が、正常な位置から脱臼してしまう関節病の1つです。小型犬に多く発症するため、チャイニーズクレステッドドッグも気を付けなければなりません。身軽でジャンプ力がありますが、手足の骨が細いため骨折や脱臼をしやすい傾向にあります。高い所から飛び降りたりさせないようにしてあげてください。アジリティやボールキャッチなどのスポーツの際にも同じように配慮が必要です。

レッグ・ペルテス病

大腿骨頭に血液がいかなくなり、大腿骨頭の骨折や壊死がみられる病気です。若い小型犬に発症することが多く、原因は不明です。突然発症することもあります。足を引きずったり、歩くのを嫌がる状態であれば、病気を疑ってみてください。

 

チャイニーズクレステッドドッグの飼い方は？

飼育環境

チャイニーズクレステッドドッグは寒さに弱い犬種なので、温度管理に気をつけてください。ヘアレスタイプは冬場などに必ず衣服を着せてあげてくださいね。夏場の散歩は日傘をさして直射日光を避けるなどの対策が必要です。

飼育に必要なもの

チャイニーズクレステッドドッグとの生活をより快適なものにするために、「飼育スペース・ケージ」「食器類・床材」「首輪やリード・おもちゃ」「ドッグフードとおやつ」「トイレ用品」「ケア用品」「動物病院」などの生活用品や準備を揃えておきましょう。

飼育スペース・ケージ

快適に過ごせるスペースを確保します。サークルは十分な広さを確保できるもので、犬用のベッドやケージ・クレートを用意しましょう。クレートとは箱状の家のようなものであり、犬にとって寝床となったり安心できるものになります。移動するときにも使え、病院へ連れて行くときや災害による避難の際にも活躍します。

食器類・床材

ご飯を食べる時に必要な食器を用意しましょう。水のみ用のボウルとフードのためのボウルを別々に準備してあげてください。食器類を選ぶ際は「耐久性はあるか」「滑りにくくないか」「大きさは適切か」といったことを目安に探してみてください。床材についてはすべりにくい材質のものを選び、思わぬ転倒を防ぐために用意しておくと良いでしょう。フローリングの床で滑って関節を痛めないよう、すべりづらいカーペットを敷くなどの対策をしてあげてくださいね。

首輪やリード・おもちゃ

散歩や運動をするときのために、首輪やリード・ハーネスを準備しましょう。遊ぶためのおもちゃや知育玩具なども用意しておくと、遊びを通して良好な関係性を築くことができますよ。

ドッグフードとおやつ

健康管理のため、年齢に適した高品質の犬用のドッグフードを用意しましょう。初めて犬を飼育する方は、水と餌だけで栄養が賄える「総合栄養食」と書かれたドッグフードを用意するといいですね。飼育に応じて適切な量を与えるようにしてください。絶対に必要というわけではないですが、おやつも同時に用意しておくといいですね。しつけトレーニングの際に「ご褒美」として利用できますよ。

トイレ用品

屋内で飼育する際は、排泄物を処理するための犬用のトイレトレーを用意します。また、トイレトレーニングのために新聞紙やトレーニングパッドも役立ちますので、一緒に揃えておくといいですね。

ケア用品

健康と衛生を保つために、犬用のシャンプーやブラシ、爪切り、歯磨きセットなどのケア用品を用意します。

動物病院

何かあった際や健康管理のために、かかりつけの動物病院も見つけておくと安心です。獣医師の診察や予防接種、必要な薬やサプリメントなどを考慮し予算を立てておくのもいいですね。

お手入れ

チャイニーズクレステッドドッグとの生活をする上で、日々のお手入れは大切です。「被毛ケア」「シャンプー」「耳掃除」「歯磨き」「爪切り」などを取り入れて清潔を保つようにしましょう。

被毛ケア

被毛は定期的にブラッシングすることが重要です。毛の絡まりや抜け毛を防ぎ、清潔で健康な被毛を保つことができますよ。パウダーパフタイプは週に2～3回のブラッシングや、定期的なトリミングが必要です。神経質に毛並みの手入れする必要はありませんが、ヘアレスタイプは肌に保湿クリームを塗って保護してあげてください。

シャンプー

適切な犬用シャンプーを使用し、毛並みや肌に合わせた温度のお湯で洗います。他の犬に比べて皮脂が多く出るのでシャンプーは月に2回程度必要ですが、乾燥しやすいので洗いすぎに注意してください。頻度は個体や被毛の状態により異なるため、獣医師のアドバイスを参考にするようにしてください。

耳掃除

耳は定期的にチェックしましょう。見える範囲でいいので耳専用のクリーナーを使用して掃除をしてあげてください。「耳垢が増えた」「悪臭がする」といった普段と違う様子の場合は病院で見てもらいましょう。

歯磨き

犬の歯の健康は全体的な健康にも関わるため、定期的な歯磨きが必要になります。犬用の歯ブラシで、歯垢・歯石を取り除いてあげてください。歯ブラシが苦手な方は、歯磨き用のおもちゃやパウダー状の食事に混ぜるケア用品も販売されていますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。

爪切り

犬の爪は適度な長さに保つ必要があります。必要に応じて爪切りを使用し、適切な長さに切り揃えましょう。

総合栄養食と一般食

ドッグフードをメインで与えたい場合は、「総合栄養食」と表示されているドッグフードを選びましょう。これは水と一緒に与えるだけで、健康が維持できるドッグフードのことです。人口添加物不使用、低脂肪かもチェックするようにしてくださいね。

手作り食をメインで与えたい場合は、「一般食」と表示されているドッグフードがおすすめです。いわば「おかず」のようなものであり、トッピングとして利用することで手軽に栄養を追加することができます。

食事量

ドッグフードの裏面に記載されている量をあげるようにします。ただ、体重との換算表は、愛犬が「理想体型」であることを前提としているので、太っている子や痩せている子は量の調整が必要となります。

ごはんを食べない･･･どうすればいい？

ご飯を食べない場合はいくつかの理由があり、主に「好みの味ではない・食べにくい」「体調不良や季節による食欲の低下」「食器や環境が気に入らない」「ストレスが溜まっている」「病気」などが挙げられます。

この場合は、以下の方法を取り入れてみてくださいね。

トッピングをしてみる

まずはドッグフードにササミなどをトッピングして与えてみて、食欲が改善されるかを確認してみてください。新鮮な生肉を原材料に利用しているドッグフードに切り替えるのも手ですよ。

フードを食べやすくする

食べづらさが原因の場合は、飼い主さんがひと手間加えてあげましょう。ドライフードであれば、ぬるま湯でふやかして香りを立たせるのも手です。ニオイで食欲を刺激することができます。
また、粒が大きいようであれば砕いてあげるのもいいでしょう。ウェットタイプとドライタイプを組み合わせれば嗜好性が高まり、また水分も一緒に摂取することができます。

食器や環境を変える

食べやすい食器に変更したり、食事する場所を変えてみるといいかもしれません。ストレスを抱えている場合もあるので、遊びや散歩の時間を増やして発散させるのもいいですね。

動物病院で診てもらう

食べない原因が病気の可能性もあります。口内炎などの痛みを伴う場合、食べたくても、食べられないのかもしれません。「好きなおやつも食べない」「ぐったりしている」「元気がない」といった様子が見られるようであれば、かかりつけの動物病院で診てもらいましょう。

 

チャイニーズクレステッドドッグの迎え入れ方法は？

チャイニーズクレステッドドッグを迎え入れる際の入手経路は「ペットショップ」「ブリーダー」「里親」などを利用してみてください。

ブリーダーでのおおよその相場は、約30万円ほどになります。

ペットショップは一部の大規模なショップでしか店頭販売していない場合もあるため、事前に問い合わせてみてもいいかもしれませんね。

 

美しくて魅力的な犬種

チャイニーズクレステッドドッグは明るてとても遊び好きです。

心優しく、飼い主のいうことをよく聞くので、愛玩犬として最適な犬種です。上品な身のこなしと堂々たるエキゾチックな風格は、犬好きの方ならずとも魅力的ですよね。

ショードッグとしての美しさも持ち合わせているので、様々な面で充実した毎日を提供してくれますよ。

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