犬の発情期、時期・行動・対処法は?オスとメス犬で違う?食欲は?

犬 仲良し

犬を飼う上で、発情期の問題は気になりますよね。発情期を迎えるとどうなってしまうの?妊娠を避けるにはどうしたらいいの?など、初めて飼う方は不安になるものです。今回は犬の発情期について、時期や行動、食欲の変化、対処法をご紹介します。

愛玩動物看護師
監修者:渡邉鈴子

栃木県生まれ。帝京科学大学にて4年間、動物看護学をはじめとした動物関連の科目を学び、2023年5月には愛玩動物看護師免許を取得。これまでにうさぎや猫の飼育経験あり。現在では、ペット栄養管理士の資格取得に向けて勉強中。

犬の発情期とは?

犬_仲良し_pepy

発情とは「大人になった動物のメスが妊娠可能な状態であること」を示す言葉で、発情期とは「繁殖行為が可能な期間」のことをいいます。

メスは発情期でなければ妊娠できませんが、オスの場合は大人になればいつでも繁殖行為が可能(正確には発情期というものはない)です。

そのため、大人の健康なオスは発情したメスがいると興奮し繁殖行為に及ぼうとしますよ。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
犬の性成熟は小型犬で早く、大型犬は遅い傾向があります。雄犬は生後7~12か月、雌犬は生後8~16か月で性成熟をします。人と比べたらかなり早いですよね。妊娠を望んでいない方は気を付けて飼育をしましょう。

犬が発情する時期はいつ?

一般的に春と秋で認識している飼い主さんもいますが、犬は季節とは無関係に発情する動物です。

個体差もありますが、小型犬で生後7~10か月くらい、中・大型犬で生後8~12か月くらいに初めて発情します。発情すると外陰部が腫れたようになり、出血します。

出血がほとんどない場合や犬が自分で血を舐めてしまう場合もあるため、発情に気づくのが難しいこともあります。

犬の発情期、どんな行動を見せる?食欲は?

発情中のメス犬は「落ち着かない」「食欲がない」「不安そう」「オスの近くへ行きたがる」など普段と違った様子を見せます。

また、体が「妊娠できる状態」になっていてホルモンバランスがいつもと違う状態なので、ストレスを感じやすい時期ですから、神経質になってしまう犬もいます。

大人のオスは一度発情するといつでも繁殖が可能なので、発情したメスが近くにいると興奮し、メスの方へ一目散に走っていこうとします。「繁殖がしたいのにできない」という状態が続くと、「食欲不振」「イライラする」「落ち着きがなくなる」「やたらと吠える」などの変化が見られることもあります。

発情後に交尾がができないというのは、我々人間が考える以上に犬にとってはストレスとなってしまうのです。

犬の発情期、対処法は?

犬_対処法

妊娠を望まないなら、「不用意にオス犬にあわせない」ことが大切です。

メス犬は、発情が始まって10日目くらいで排卵が起こり、そのあと妊娠可能な期間(8~14日間)が続きます。排卵後の8~14日間はオス犬の交尾を受け入れる期間なので、ドッグランなどは利用しないようにしてください。

なかには発情しているメス犬の利用を断るドッグランもありますよ。

公園で飼い主同士がお喋りをしている間に交尾をして妊娠してしまう、ということもあります。妊娠を望まない方は「長時間の散歩を控える」「散歩の時に犬用のオムツを利用する」ようにしてくださいね。

オムツをしていれば血で物を汚すこともなく、外出中の望まない交尾を避けることもできます。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
発情期の対処法として避妊、去勢手術も有効です。特に雌では初回発情前の避妊手術では乳腺腫瘍の予防にもなりますので、妊娠を望まない場合は手術をおすすめします。

犬の妊娠を望むなら、発情期を把握しよう

繁殖させるには、まず発情期を把握することが大切です。

最近は春・秋といった季節に関係なく発情期を迎える犬も増えており、発情期の把握が難しくなっています。ちょっとしたストレスで発情のサイクルがずれることもありますから、日頃から注意して観察し、発情前期の出血を早期に発見するようにしましょう。

どうしても発情期がわからず、交尾させても不妊を繰り返すようなら獣医師に相談し、検査を受けるようにしてください。

なお、「犬を繁殖させて、子どもを増やしたい!」という場合は、メス犬が2歳以上になってからの妊娠が望ましいといわれています。2歳頃から、骨格が完成し遺伝的な病気の有無などもはっきりわかるようになり、精神的にも落ち着いてきます。心身ともに成熟してからの妊娠の方が安心できますよ。

妊娠を望まない場合、犬の発情がくる前に避妊・去勢手術を!

犬_手術

犬は一度に4~8頭の子犬を生み、大型犬の場合は10頭以上生むこともあります。

生まれた命のすべてを引き受けるのは大変なことですし、ブリーディングの知識なしに繁殖させると遺伝的な病気を持つ子犬を生ませてしまうなど、犬種によっては難産で母犬の命が危険にさらされることもあります。

繁殖を望まない場合は、初回の発情が来る前に避妊手術をすることが大切です。オス犬についても、性的に大人になる前に去勢手術を済ませてあげるのが望ましいとされています。

交尾を経験する前、発情したメス犬の臭いに興奮するような経験をする前に去勢してあげてくださいね。

関連記事